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大阪大学 1986年 理系 第2問 解説

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大阪大学 1986年 理系 第2問 解説

方針・初手

与えられた座標から $\triangle PQR$ と $\triangle OPQ$ の面積をそれぞれ $a, b$ を用いて表し、面積比 $k$ の条件から $a$ と $b$ の関係式を導く。次に、点 $P, Q$ における接線の方程式を立てて交点 $S$ の座標を求め、先ほどの関係式を用いて媒介変数である $a, b$ を消去することで、点 $S$ の軌跡の方程式を求める。

解法1

$P \left(a, \frac{1}{a}\right)$、$Q \left(b, \frac{1}{b}\right)$、$R \left(b, \frac{1}{a}\right)$ であり、$P, R$ は $y = \frac{1}{a}$ 上、$Q, R$ は $x = b$ 上にあるため、$\triangle PQR$ は $\angle R = 90^\circ$ の直角三角形である。

$0 < a < b$ より、$b - a > 0$ かつ $\frac{1}{a} - \frac{1}{b} > 0$ であるから、$\triangle PQR$ の面積は、

$$ \triangle PQR = \frac{1}{2} \cdot (b - a) \cdot \left( \frac{1}{a} - \frac{1}{b} \right) = \frac{(b-a)^2}{2ab} $$

また、原点 $O(0,0)$ と点 $P, Q$ を結ぶ $\triangle OPQ$ の面積は、

$$ \triangle OPQ = \frac{1}{2} \left| a \cdot \frac{1}{b} - b \cdot \frac{1}{a} \right| = \frac{1}{2} \left| \frac{a^2 - b^2}{ab} \right| $$

$0 < a < b$ より $a^2 - b^2 < 0$ であるから、

$$ \triangle OPQ = \frac{b^2 - a^2}{2ab} $$

条件より $\frac{\triangle PQR}{\triangle OPQ} = k$ であるから、

$$ \frac{\frac{(b-a)^2}{2ab}}{\frac{b^2 - a^2}{2ab}} = k $$

$$ \frac{(b-a)^2}{(b-a)(b+a)} = k $$

$a \neq b$ より $b-a \neq 0$ であるため、約分して整理すると、

$$ \frac{b-a}{b+a} = k $$

$$ b - a = k(b + a) $$

$$ (1 - k)b = (1 + k)a $$

ここで、$0 < a < b$ より $\frac{b-a}{b+a} > 0$ であり、さらに $\frac{b-a}{b+a} < \frac{b+a}{b+a} = 1$ であるため、$k$ のとりうる値の範囲は $0 < k < 1$ となる。 したがって $1 - k \neq 0$ となり、

$$ b = \frac{1+k}{1-k} a $$

次に、曲線 $C: y = \frac{1}{x}$ について、$y' = -\frac{1}{x^2}$ である。 点 $P \left(a, \frac{1}{a}\right)$ における接線の方程式は、

$$ y - \frac{1}{a} = -\frac{1}{a^2}(x - a) $$

整理すると、

$$ x + a^2 y = 2a $$

同様にして、点 $Q \left(b, \frac{1}{b}\right)$ における接線の方程式は、

$$ x + b^2 y = 2b $$

これら2つの接線の交点 $S$ の座標を $(X, Y)$ とすると、以下の連立方程式を満たす。

$$ \begin{cases} X + a^2 Y = 2a \\ X + b^2 Y = 2b \end{cases} $$

辺々を引いて $X$ を消去すると、

$$ (a^2 - b^2)Y = 2(a - b) $$

$a \neq b$ より $a - b \neq 0$ であるから、両辺を $a - b$ で割って、

$$ (a + b)Y = 2 $$

$$ Y = \frac{2}{a+b} $$

これを $X + a^2 Y = 2a$ に代入して $X$ を求めると、

$$ X = 2a - a^2 \cdot \frac{2}{a+b} = \frac{2a(a+b) - 2a^2}{a+b} = \frac{2ab}{a+b} $$

ここで、$b = \frac{1+k}{1-k} a$ より、

$$ a + b = a + \frac{1+k}{1-k} a = \frac{1-k+1+k}{1-k} a = \frac{2}{1-k} a $$

これを $X, Y$ の式に代入すると、

$$ X = \frac{2a \cdot \frac{1+k}{1-k} a}{\frac{2}{1-k} a} = (1+k)a $$

$$ Y = \frac{2}{\frac{2}{1-k} a} = \frac{1-k}{a} $$

これらから $a$ を消去するため辺々を掛け合わせると、

$$ X Y = (1+k)a \cdot \frac{1-k}{a} = 1 - k^2 $$

$$ Y = \frac{1-k^2}{X} $$

また、$a > 0$ かつ $0 < k < 1$ より $1+k > 0$ であるから、$X = (1+k)a$ について $X > 0$ は全ての実数を取りうる。

解説

面積比の条件から $a$ と $b$ の関係が $b = \text{(定数)} \times a$ というシンプルな比例関係になることが第一のポイントである。さらに、反比例のグラフの接線の交点 $S$ の座標が、和 $a+b$ と積 $ab$ を用いて表される基本対称式の形になるため、$X$ と $Y$ をそれぞれ $a$ で表してから積 $XY$ を計算することで、非常に効率よくパラメータ $a$ を消去できる。また、面積比 $k$ が問題文の条件を満たすために $0 < k < 1$ でなければならない点にも注意が必要である。

答え

$0 < k < 1$ のとき、曲線 $y = \frac{1-k^2}{x} \quad (x > 0)$ (※ $k \geqq 1$ のときは、条件を満たす点 $P, Q$ が存在しないため軌跡は存在しない)

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