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北海道大学 1964年 理系 第5問 解説

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北海道大学 1964年 理系 第5問 解説

方針・初手

$f'(x)$ の式から導関数の符号変化を調べ、関数 $f(x)$ の増減を把握する。 (1), (2)は $f'(x) = 0$ の解の配置と符号変化に着目する。 (3)は $f(x)$ が偶関数であることを利用し、$0 \le x < 1$ の区間における最大値が負となる条件を求める。その際、積分定数は $f(0)=b$ を用いて決定する。

解法1

関数 $f(x)$ の導関数は $$ f'(x) = x(x^2 - a) $$ である。

(1)

$f(x)$ が極大値をもたない条件を求める。 $f'(x) = 0$ の解を考える。

$a \le 0$ のとき、$x^2 - a \ge 0$ であり、$f'(x)$ の符号は $x=0$ の前後で負から正に変化する。このとき $f(x)$ は $x=0$ で極小値のみをもち、極大値をもたない。

$a > 0$ のとき、$f'(x) = 0$ の解は $x = 0, \pm\sqrt{a}$ となる。$f'(x)$ の符号は $x=0$ の前後で正から負に変化するため、$f(x)$ は $x=0$ で極大値をもつ。

以上より、$f(x)$ が極大値をもたない $a$ の範囲は $$ a \le 0 $$

(2)

$f(x)$ が $-1 < x < 1$ で極小値をもたない条件を求める。 $f(x)$ が極小値をもつのは、$f'(x)$ の符号が負から正に変化する点である。

$a \le 0$ のとき、(1)の考察より $x=0$ で極小値をもつ。$x=0$ は区間 $-1 < x < 1$ に含まれるため不適である。

$a > 0$ のとき、$f'(x)$ の符号は $x = -\sqrt{a}, \sqrt{a}$ の前後で負から正に変化するため、$f(x)$ はこの2点で極小値をもつ。 これが区間 $-1 < x < 1$ に含まれない条件は、$\sqrt{a} \ge 1$ かつ $-\sqrt{a} \le -1$ である。 したがって $\sqrt{a} \ge 1$ より $a \ge 1$ を得る。

以上より、求める $a$ の範囲は $$ a \ge 1 $$

(3)

$f'(x) = x^3 - ax$ を積分し、$f(0) = b$ を用いると、 $$ f(x) = \frac{1}{4}x^4 - \frac{a}{2}x^2 + b $$ となる。$f(x)$ は偶関数であるため、$-1 < x < 1$ のすべての $x$ に対して $f(x) < 0$ となる条件は、$0 \le x < 1$ のすべての $x$ に対して $f(x) < 0$ となることと同値である。

$a$ の値によって場合分けを行う。

(i) $a \le 0$ のとき

$x \ge 0$ において $x^2 - a \ge 0$ より $f'(x) \ge 0$ となり、$f(x)$ は $0 \le x < 1$ で単調増加する。 したがって、条件を満たすためには $x \to 1$ のときの極限値が $0$ 以下であればよい。 $$ \lim_{x \to 1} f(x) = \frac{1}{4} - \frac{a}{2} + b \le 0 $$ $$ b \le \frac{a}{2} - \frac{1}{4} $$ このとき、$a \le 0$ であるから自動的に $b < 0$ も満たされ、$f(0) = b < 0$ も成立する。

(ii) $0 < a < 1$ のとき

$0 \le x < \sqrt{a}$ において $f'(x) < 0$ より $f(x)$ は単調に減少する。 $\sqrt{a} < x < 1$ において $f'(x) > 0$ より $f(x)$ は単調に増加する。

区間 $0 \le x < 1$ における $f(x)$ の上限は、極大値 $f(0)$ または右端の極限 $\lim_{x \to 1} f(x)$ のいずれか大きい方となる。 条件を満たすためには $f(0) < 0$ かつ $\lim_{x \to 1} f(x) \le 0$ が必要十分である。 $$ b < 0 \quad \text{かつ} \quad b \le \frac{a}{2} - \frac{1}{4} $$ ここで、直線 $b = \frac{a}{2} - \frac{1}{4}$ と直線 $b = 0$ の交点は $a = \frac{1}{2}$ である。 $0 < a < \frac{1}{2}$ のときは $b \le \frac{a}{2} - \frac{1}{4}$ を満たせば $b < 0$ も満たされる。 $\frac{1}{2} \le a < 1$ のときは $b < 0$ を満たせば $b \le \frac{a}{2} - \frac{1}{4}$ も満たされる。

(iii) $a \ge 1$ のとき

$0 < x < 1$ において $x^2 - a < 0$ より $f'(x) < 0$ となり、$f(x)$ は $0 \le x < 1$ で単調減少する。 区間 $0 \le x < 1$ で $f(x) < 0$ となる条件は $f(0) < 0$ である。 $$ b < 0 $$

以上 (i), (ii), (iii) より、点 $(a, b)$ の存在する範囲は $$ \begin{cases} b \le \frac{a}{2} - \frac{1}{4} & \left( a < \frac{1}{2} \right) \\ b < 0 & \left( a \ge \frac{1}{2} \right) \end{cases} $$ となる。 領域の境界線は、直線 $b = \frac{a}{2} - \frac{1}{4}$ の $a < \frac{1}{2}$ の部分を含み、直線 $b = 0$ の $a \ge \frac{1}{2}$ の部分は含まない(点 $(\frac{1}{2}, 0)$ も含まない)。

解説

関数の増減と極値の定義を正確に理解しているかが問われる問題である。 (1)と(2)は導関数の符号変化がどこで起きるかを調べればよい。 (3)は偶関数の性質を利用して調べる範囲を $x \ge 0$ に絞ることで見通しが良くなる。区間の端点が白丸(含まれない)であるため、最大値そのものではなく、右端の極限値が $0$ 以下であればよいという点に注意が必要である。

答え

(1) $a \le 0$ (2) $a \ge 1$ (3) 点 $(a, b)$ の存在する範囲は、$a < \frac{1}{2}$ のとき $b \le \frac{a}{2} - \frac{1}{4}$、$a \ge \frac{1}{2}$ のとき $b < 0$ の領域である。境界線は直線 $b = \frac{a}{2} - \frac{1}{4}$ の $a < \frac{1}{2}$ の部分を含み、直線 $b = 0$ は含まない(点 $(\frac{1}{2}, 0)$ も含まない)。

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