東北大学 1989年 文系 第1問 解説

方針・初手
放物線 $C$ は
$$ y^2=\frac{1}{\sqrt{3}}x $$
より
$$ x=\sqrt{3}y^2 $$
と書ける。したがって、$C$ 上の点 $P,Q$ を
$$ P(\sqrt{3}t^2,\ t),\qquad Q(\sqrt{3}u^2,\ u) $$
とおくのが自然である。
条件 $\angle POQ=\dfrac{\pi}{2}$ は、ベクトル $\overrightarrow{OP},\overrightarrow{OQ}$ が直交すること、すなわち内積が $0$ であることに等しい。これにより $t,u$ の関係を求め、中点 $R$ は $t+u,\ tu$ で整理する。面積は行列式を使うと簡潔に表せる。
解法1
$P,Q$ はともに放物線 $C$ 上にあるから
$$ P(\sqrt{3}t^2,\ t),\qquad Q(\sqrt{3}u^2,\ u) $$
と表せる。
ここで $\angle POQ=\dfrac{\pi}{2}$ より
$$ \overrightarrow{OP}\cdot\overrightarrow{OQ}=0 $$
である。したがって
$$ (\sqrt{3}t^2)(\sqrt{3}u^2)+tu=0 $$
すなわち
$$ 3t^2u^2+tu=0 $$
である。
$P,Q$ が原点そのものになると角が定まらないので $t\neq 0,\ u\neq 0$ であり、よって
$$ tu(3tu+1)=0 $$
から
$$ tu=-\frac{1}{3} $$
を得る。
(1) 中点 $R$ の軌跡
中点 $R$ を $(x,y)$ とすると
$$ x=\frac{\sqrt{3}(t^2+u^2)}{2},\qquad y=\frac{t+u}{2} $$
である。
ここで $s=t+u$ とおくと
$$ t^2+u^2=(t+u)^2-2tu=s^2+\frac{2}{3} $$
となるから
$$ x=\frac{\sqrt{3}}{2}\left(s^2+\frac{2}{3}\right) =\frac{\sqrt{3}}{2}s^2+\frac{\sqrt{3}}{3} $$
である。また $y=\dfrac{s}{2}$ より $s=2y$ なので
$$ x=\frac{\sqrt{3}}{2}(2y)^2+\frac{\sqrt{3}}{3} =2\sqrt{3},y^2+\frac{\sqrt{3}}{3} $$
を得る。
したがって、中点 $R$ の軌跡は
$$ x=2\sqrt{3}\,y^2+\frac{\sqrt{3}}{3} $$
で表される放物線である。
なお、$tu=-\dfrac{1}{3}$ のもとで $s=t+u$ は任意の実数をとれる。実際、$t,u$ は方程式
$$ X^2-sX-\frac{1}{3}=0 $$
の解であり、その判別式は
$$ s^2+\frac{4}{3}>0 $$
だからである。よって上の放物線全体が軌跡になる。
(2) 面積の範囲
直角三角形 $OPQ$ の面積を $S$ とすると
$$ S=\frac{1}{2}\left|x_Py_Q-x_Qy_P\right| $$
であるから
$$ S=\frac{1}{2}\left|(\sqrt{3}t^2)u-(\sqrt{3}u^2)t\right| =\frac{\sqrt{3}}{2}|tu||t-u| $$
となる。
ここで $|tu|=\dfrac{1}{3}$ より
$$ S=\frac{1}{2\sqrt{3}}|t-u| $$
である。
さらに
$$ (t-u)^2=(t+u)^2-4tu=(t+u)^2+\frac{4}{3}\ge \frac{4}{3} $$
より
$$ |t-u|\ge \frac{2}{\sqrt{3}} $$
だから
$$ S\ge \frac{1}{2\sqrt{3}}\cdot \frac{2}{\sqrt{3}}=\frac{1}{3} $$
を得る。
等号は $t+u=0$ のときに成立する。このとき $tu=-\dfrac{1}{3}$ だから
$$ t=\frac{1}{\sqrt{3}},\ u=-\frac{1}{\sqrt{3}} \quad \text{または} \quad t=-\frac{1}{\sqrt{3}},\ u=\frac{1}{\sqrt{3}} $$
であり、実際に実現する。
一方、$|t-u|$ は $|t|$ を大きくすればいくらでも大きくできるので、$S$ に上限はない。
したがって、面積のとり得る範囲は
$$ S\ge \frac{1}{3} $$
すなわち
$$ \left[\frac{1}{3},\ \infty\right) $$
である。
解説
この問題の本質は、放物線 $y^2=\dfrac{1}{\sqrt{3}}x$ を $x=\sqrt{3}y^2$ と見て、$y$ 座標をそのまま媒介変数にすることである。すると直交条件が
$$ \overrightarrow{OP}\cdot\overrightarrow{OQ}=0 $$
からただちに $tu=-\dfrac{1}{3}$ という簡潔な形になる。
軌跡は $t+u,\ tu$ に整理するのが定石であり、面積は座標平面上の三角形の面積公式
$$ \frac{1}{2}|x_1y_2-x_2y_1| $$
を使うと最短である。特に面積の最小値は、積 $tu$ が固定されたときに $(t-u)^2=(t+u)^2-4tu$ を用いると即座に求まる。
答え
中点 $R$ の軌跡は
$$ x=2\sqrt{3},y^2+\frac{\sqrt{3}}{3} $$
である。
また、直角三角形 $OPQ$ の面積 $S$ のとり得る範囲は
$$ S\in \left[\frac{1}{3},\ \infty\right) $$
である。
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











