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京都大学 2001年 文系 第5問 解説

数学2/図形と式数学1/二次関数数学1/方程式不等式テーマ/軌跡・領域テーマ/面積・体積
京都大学 2001年 文系 第5問 解説

方針・初手

点 $P$ の座標を $(X, Y)$ とおき、円 $C$ の半径を $X, Y$ で表します。円 $C$ が領域 $D$($-1 \leqq y \leqq 1$ で表される帯状の領域)にすっぽりと含まれるためには、円 $C$ 上の点の $y$ 座標の「最大値」が $1$ 以下であり、かつ「最小値」が $-1$ 以上であれば十分です。 これを $X, Y$ の不等式として立式し、根号を含む不等式に注意しながら同値変形を行うことで、点 $P$ の軌跡の領域を求めます。

解法1

点 $P$ の座標を $(X, Y)$ とする。 円 $C$ は中心が $P$ で原点 $O(0, 0)$ を通るから、その半径 $r$ は線分 $OP$ の長さに等しい。

$$ r = \sqrt{X^2 + Y^2} $$

円 $C$ 上の点の $y$ 座標の最大値は $Y + r$、最小値は $Y - r$ である。 円 $C$ が領域 $D$($-1 \leqq y \leqq 1$)に含まれるための条件は、円 $C$ 上のすべての点の $y$ 座標が $-1 \leqq y \leqq 1$ を満たすことであるから、

$$ Y + r \leqq 1 \quad \cdots \text{①} $$

かつ

$$ Y - r \geqq -1 \quad \cdots \text{②} $$

が成り立つことである。

①より、$\sqrt{X^2 + Y^2} \leqq 1 - Y$。 左辺は $0$ 以上であるから、右辺も $0$ 以上でなければならない。よって $Y \leqq 1$ である。 この条件のもとで両辺を2乗すると、

$$ X^2 + Y^2 \leqq (1 - Y)^2 = 1 - 2Y + Y^2 $$

$$ X^2 \leqq 1 - 2Y $$

$$ Y \leqq -\frac{1}{2}X^2 + \frac{1}{2} $$

これは $Y \leqq 1$ を満たしている。

次に②より、$\sqrt{X^2 + Y^2} \leqq Y + 1$。 左辺は $0$ 以上であるから、右辺も $0$ 以上でなければならない。よって $Y \geqq -1$ である。 この条件のもとで両辺を2乗すると、

$$ X^2 + Y^2 \leqq (Y + 1)^2 = Y^2 + 2Y + 1 $$

$$ X^2 \leqq 2Y + 1 $$

$$ Y \geqq \frac{1}{2}X^2 - \frac{1}{2} $$

これは $Y \geqq -1$ を満たしている。

以上より、点 $P(X, Y)$ が動きうる範囲は、

$$ \frac{1}{2}X^2 - \frac{1}{2} \leqq Y \leqq -\frac{1}{2}X^2 + \frac{1}{2} $$

を満たす領域である(境界を含む)。これは2つの放物線 $y = -\dfrac{1}{2}x^2 + \dfrac{1}{2}$ と $y = \dfrac{1}{2}x^2 - \dfrac{1}{2}$ で囲まれた領域となる。 この2つの放物線の交点は $-\dfrac{1}{2}x^2 + \dfrac{1}{2} = \dfrac{1}{2}x^2 - \dfrac{1}{2}$ より $x^2 = 1$、すなわち $x = \pm 1$ である。

求める面積を $S$ とすると、

$$ S = \int_{-1}^{1} \left\{ \left( -\frac{1}{2}x^2 + \frac{1}{2} \right) - \left( \frac{1}{2}x^2 - \frac{1}{2} \right) \right\} dx $$

$$ = \int_{-1}^{1} (-x^2 + 1) \, dx $$

被積分関数は偶関数であるから、

$$ S = 2 \int_{0}^{1} (1 - x^2) \, dx = 2 \left[ x - \frac{1}{3}x^3 \right]_{0}^{1} = 2 \left( 1 - \frac{1}{3} \right) = \frac{4}{3} $$

解説

「図形が領域に含まれる」という条件をどう数式に落とし込むかがポイントです。円という図形の性質を活かし、「円の最も高い場所($y$ 座標の最大値)」と「最も低い場所($y$ 座標の最小値)」が帯の境界線を超えないという立式ができれば、あとは計算問題に帰着します。 不等式を解く際、$\sqrt{A} \leqq B \iff A \leqq B^2 \text{ かつ } B \geqq 0$ という根号を含む不等式の同値変形を正確に行うことが、論理的な隙をなくす上で重要です。境界を含む領域であることにも注意しましょう。

答え

$P$ が動きうる範囲は、放物線 $y = -\dfrac{1}{2}x^2 + \dfrac{1}{2}$ の下側かつ放物線 $y = \dfrac{1}{2}x^2 - \dfrac{1}{2}$ の上側の領域(境界線を含む)。

その面積は $\dfrac{4}{3}$ である。

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