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東京大学 2015年 文系 第2問 解説

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東京大学 2015年 文系 第2問 解説

方針・初手

点 $A(-1, 1)$, $B(1, -1)$ を通る2次関数の式を文字でおき、その頂点の条件から係数パラメータのとりうる値の範囲を求める。その後、点 $P(x, y)$ がその2次関数上にあるための条件、または同一直線上にあるための条件を、パラメータの実数存在条件(逆手流)として処理し、点 $P$ の存在領域を導く。

解法1

2次関数の式を $y = ax^2 + bx + c$($a \neq 0$)とおく。

このグラフが点 $A(-1, 1)$, $B(1, -1)$ を通るから、

$$ \begin{cases} 1 = a - b + c \\ -1 = a + b + c \end{cases} $$

これらを解くと、$b = -1$, $c = -a$ となる。

したがって、2次関数の式は $y = ax^2 - x - a$ と表せる。

この関数の頂点の $x$ 座標は、

$$ y = a \left( x - \frac{1}{2a} \right)^2 - \frac{1}{4a} - a $$

より $\frac{1}{2a}$ である。

条件 (i) より、頂点の $x$ 座標の絶対値が $1$ 以上であるから、

$$ \left| \frac{1}{2a} \right| \geqq 1 $$

$a \neq 0$ であることに注意して整理すると、$2|a| \leqq 1$ すなわち $-\frac{1}{2} \leqq a \leqq \frac{1}{2}$ かつ $a \neq 0$ を得る。

求める点 $P$ の座標を $(x, y)$ とおく(問題文より $|x| \leqq 1$ である)。

点 $P$ が条件 (i) を満たすとき、点 $P$ は上記の2次関数上にあるので、

$$ y = ax^2 - x - a \iff y + x = a(x^2 - 1) $$

を満たす実数 $a$ が、$-\frac{1}{2} \leqq a \leqq \frac{1}{2}$ かつ $a \neq 0$ の範囲に存在する。

一方、条件 (ii) を満たすとき、点 $P(x, y)$ は点 $A(-1, 1)$, $B(1, -1)$ を通る直線上にある。直線 $AB$ の方程式は $y = -x$ であるから、$y + x = 0$ が成り立つ。

これは上の式 $y + x = a(x^2 - 1)$ において $a = 0$ とした場合に一致する。

したがって、条件 (i) または (ii) を満たすことは、方程式

$$ y + x = a(x^2 - 1) $$

を満たす実数 $a$ が $-\frac{1}{2} \leqq a \leqq \frac{1}{2}$ の範囲に存在することと同値である。

$x = \pm 1$ のとき、$x^2 - 1 = 0$ となり、$y + x = 0$ すなわち $(x, y) = (1, -1)$ または $(-1, 1)$ となる。これらはそれぞれ点 $B$, $A$ であり、条件を満たす。

$-1 < x < 1$ のとき、$x^2 - 1 < 0$ であるから、

$$ a = \frac{y + x}{x^2 - 1} $$

これが $-\frac{1}{2} \leqq a \leqq \frac{1}{2}$ を満たせばよいので、

$$ -\frac{1}{2} \leqq \frac{y + x}{x^2 - 1} \leqq \frac{1}{2} $$

各辺に負の数 $x^2 - 1$ を掛けて整理すると、不等号の向きが反転して、

$$ -\frac{1}{2}(x^2 - 1) \geqq y + x \geqq \frac{1}{2}(x^2 - 1) $$

$$ \frac{1}{2}x^2 - x - \frac{1}{2} \leqq y \leqq -\frac{1}{2}x^2 - x + \frac{1}{2} $$

となる。$x = \pm 1$ のときもこの不等式はそれぞれ $(x, y) = (-1, 1), (1, -1)$ として等号で成立する。

以上より、点 $P(x, y)$ の満たすべき領域は、2つの放物線 $y = -\frac{1}{2}x^2 - x + \frac{1}{2}$ と $y = \frac{1}{2}x^2 - x - \frac{1}{2}$ で囲まれた部分(境界を含む)となる。

ここで、$y = -\frac{1}{2}x^2 - x + \frac{1}{2} = -\frac{1}{2}(x+1)^2 + 1$ は頂点が $A(-1, 1)$ で上に凸の放物線であり、$y = \frac{1}{2}x^2 - x - \frac{1}{2} = \frac{1}{2}(x-1)^2 - 1$ は頂点が $B(1, -1)$ で下に凸の放物線である。

この領域の面積 $S$ は、

$$ S = \int_{-1}^{1} \left\{ \left( -\frac{1}{2}x^2 - x + \frac{1}{2} \right) - \left( \frac{1}{2}x^2 - x - \frac{1}{2} \right) \right\} dx $$

$$ = \int_{-1}^{1} (-x^2 + 1) dx $$

$$ = \left[ -\frac{1}{3}x^3 + x \right]_{-1}^{1} $$

$$ = \frac{4}{3} $$

となる。

解説

いわゆる「逆手流(順像法に対する逆像法)」を用いた領域図示の典型問題である。求める点 $P$ の座標を $(x, y)$ とおき、その点を実現するようなパラメータ $a$ の存在条件に帰着させることで、機械的に不等式を導出できる。

本問では条件 (ii)(3点が同一直線上にある)が、2次関数を表す式の $x^2$ の係数 $a$ が $0$ になるケースとして自然に統合できることに気づくと、場合分けが減り見通しよく解答できる。

答え

点 $P$ の範囲は、頂点が $(-1, 1)$ で上に凸の放物線 $y = -\frac{1}{2}x^2 - x + \frac{1}{2}$ と、頂点が $(1, -1)$ で下に凸の放物線 $y = \frac{1}{2}x^2 - x - \frac{1}{2}$ で囲まれた領域(境界を含む)である。

その面積は $\frac{4}{3}$ である。

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