東北大学 2018年 文系 第4問 解説

方針・初手
与えられた条件は、点 $G$ を係数つきの重心として表せる形である。したがって、まず点 $D$ を基準にして
$$ \vec{DA},\ \vec{DB},\ \vec{DC},\ \vec{DG} $$
で式を書き直すのが自然である。
そのうえで、$M,\ N$ がそれぞれ中点であることから
$$ \vec{DM}=\frac{\vec{DA}+\vec{DB}}{2},\qquad \vec{DN}=\frac{\vec{DC}}{2} $$
を用いて、$\vec{NG}$ と $\vec{MC}$ を比較する。
解法1
点 $D$ を基準にして考える。すると
$$ \vec{GA}=\vec{DA}-\vec{DG},\qquad \vec{GB}=\vec{DB}-\vec{DG},\qquad \vec{GC}=\vec{DC}-\vec{DG},\qquad \vec{GD}=-\vec{DG} $$
である。
これを条件
$$ \vec{GA}+\vec{GB}+(t-2)\vec{GC}+t\vec{GD}=\vec{0} $$
に代入すると、
$$ (\vec{DA}-\vec{DG})+(\vec{DB}-\vec{DG})+(t-2)(\vec{DC}-\vec{DG})+t(-\vec{DG})=\vec{0} $$
となる。整理して
$$ \vec{DA}+\vec{DB}+(t-2)\vec{DC}-2t\vec{DG}=\vec{0} $$
を得る。よって
$$ \vec{DG}=\frac{1}{2t}\left(\vec{DA}+\vec{DB}+(t-2)\vec{DC}\right) $$
である。これが (1) の答えである。
次に (2) を示す。$N$ は $CD$ の中点であるから
$$ \vec{DN}=\frac{1}{2}\vec{DC} $$
である。
もし $G=N$ であると仮定すると、
$$ \vec{DG}=\frac{1}{2}\vec{DC} $$
となる。これを (1) の式に代入すると
$$ \frac{1}{2t}\left(\vec{DA}+\vec{DB}+(t-2)\vec{DC}\right)=\frac{1}{2}\vec{DC} $$
すなわち
$$ \vec{DA}+\vec{DB}+(t-2)\vec{DC}=t\vec{DC} $$
であり、
$$ \vec{DA}+\vec{DB}=2\vec{DC} $$
を得る。したがって
$$ \vec{DC}=\frac{\vec{DA}+\vec{DB}}{2} $$
である。
右辺は辺 $AB$ の中点 $M$ へのベクトル $\vec{DM}$ に等しいから、
$$ \vec{DC}=\vec{DM} $$
すなわち $C=M$ となる。これは $C$ が辺 $AB$ 上にあることを意味し、四面体 $ABCD$ であることに反する。よって
$$ G\ne N $$
である。
最後に (3) を示す。$M$ は $AB$ の中点だから
$$ \vec{DM}=\frac{\vec{DA}+\vec{DB}}{2} $$
である。また $N$ は $CD$ の中点だから
$$ \vec{DN}=\frac{\vec{DC}}{2} $$
である。
したがって
$$ \vec{NG}=\vec{DG}-\vec{DN} $$
であり、(1) を用いると
$$ \vec{NG} =\frac{1}{2t}\left(\vec{DA}+\vec{DB}+(t-2)\vec{DC}\right)-\frac{1}{2}\vec{DC} $$
$$ =\frac{1}{2t}\left(\vec{DA}+\vec{DB}+(t-2)\vec{DC}-t\vec{DC}\right) $$
$$ =\frac{1}{2t}\left(\vec{DA}+\vec{DB}-2\vec{DC}\right) $$
となる。
一方、
$$ \vec{MC}=\vec{DC}-\vec{DM} =\vec{DC}-\frac{\vec{DA}+\vec{DB}}{2} =\frac{1}{2}\left(2\vec{DC}-\vec{DA}-\vec{DB}\right) $$
であるから、
$$ \vec{NG} =-\frac{1}{t}\vec{MC} $$
が成り立つ。
$t\ne 0$ であるから、$\vec{NG}$ は $\vec{MC}$ の定数倍である。よって
$$ NG \parallel MC $$
である。
解説
この問題の本質は、与えられたベクトル方程式をそのまま扱うのではなく、ある頂点を基準にして位置ベクトルとして整理することである。
特に点 $D$ を基準にすると、$\vec{GA},\vec{GB},\vec{GC},\vec{GD}$ がすべて $\vec{DA},\vec{DB},\vec{DC},\vec{DG}$ で統一的に書けるので、$G$ の位置がすぐ求まる。
(3) では、中点のベクトル表示を使って $\vec{NG}$ と $\vec{MC}$ を直接計算すると、両者が定数倍であることがそのまま見える。図形的に考え込むより、ベクトル計算で押し切るのが最も確実である。
答え
$$ \text{(1)}\quad \vec{DG}=\frac{1}{2t}\left(\vec{DA}+\vec{DB}+(t-2)\vec{DC}\right) $$
$$ \text{(2)}\quad G\ne N $$
$$ \text{(3)}\quad \vec{NG}=-\frac{1}{t}\vec{MC} \ \text{より}\ NG\parallel MC $$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











