トップ 東北大学 2018年 文系 第2問

東北大学 2018年 文系 第2問 解説

数学A/確率数学A/場合の数テーマ/場合分け
東北大学 2018年 文系 第2問 解説

方針・初手

$k$ 回目までに取り出した札の数の和を

$$ S_k=X_1+X_2+\cdots+X_k $$

とおく。ただし $X_1,X_2,\dots$ はそれぞれ独立に $1,2,\dots,n$ を等確率 $1/n$ でとる。

求める確率 $p(a)$ は、「ちょうど $a$ 回目ではじめて和が $n$ 以上になる確率」であるから、

$$ p(a)=P(S_{a-1}<n,\ S_a\geqq n) $$

である。各設問では、この条件を満たす並び方を数え上げればよい。

解法1

(1)

$p(1),\ p(n)$ を求める。

まず $p(1)$ について考える。

1 回目で初めて和が $n$ 以上になるには、1 回目に $n$ を引くしかない。したがって

$$ p(1)=\frac{1}{n} $$

である。

次に $p(n)$ を考える。

$n$ 回目で初めて和が $n$ 以上になるには、$(n-1)$ 回目までの和が $n$ 未満でなければならない。一方、各回で少なくとも $1$ は加わるから、

$$ S_{n-1}\geqq n-1 $$

である。よって $S_{n-1}<n$ を満たすには

$$ S_{n-1}=n-1 $$

でなければならない。

しかも、$(n-1)$ 個の整数 $X_1,\dots,X_{n-1}$ はすべて $1$ 以上で、その和が $n-1$ であるから、これは

$$ X_1=X_2=\cdots=X_{n-1}=1 $$

の場合に限る。このとき $n$ 回目は何を引いても和は $n$ 以上になる。

したがって

$$ p(n)=\left(\frac{1}{n}\right)^{n-1} = \frac{1}{n^{n-1}} $$

である。

(2)

$p(2)$ を求める。

2 回目で初めて和が $n$ 以上になるには、

が必要である。すなわち

$$ X_1<n,\quad X_1+X_2\geqq n $$

である。

$X_1=i$ とすると、$i=1,2,\dots,n-1$ であり、このとき $X_2$ は

$$ X_2\geqq n-i $$

を満たせばよい。$X_2$ は $1$ から $n$ まで動くので、その個数は

$$ n-(n-i)+1=i+1 $$

個である。

したがって有利な組 $(X_1,X_2)$ の総数は

$$ \sum_{i=1}^{n-1}(i+1) =\sum_{i=1}^{n-1}i+\sum_{i=1}^{n-1}1 =\frac{(n-1)n}{2}+(n-1) =\frac{(n-1)(n+2)}{2} $$

である。全事象は $n^2$ 通りであるから、

$$ p(2)=\frac{(n-1)(n+2)}{2n^2} $$

である。

(3)

$p(n-1)$ を求める。

$(n-1)$ 回目で初めて和が $n$ 以上になるには、

$$ S_{n-2}<n,\quad S_{n-1}\geqq n $$

が必要である。

各回で少なくとも $1$ ずつ加わるので、

$$ S_{n-2}\geqq n-2 $$

である。しかも $S_{n-2}<n$ であるから、

$$ S_{n-2}=n-2 \quad \text{または} \quad S_{n-2}=n-1 $$

の 2 通りしかない。

(i)

$S_{n-2}=n-2$ の場合

$(n-2)$ 個の数がすべて $1$ 以上で、その和が $n-2$ なので、

$$ X_1=X_2=\cdots=X_{n-2}=1 $$

である。このとき $(n-1)$ 回目で和を $n$ 以上にするには、最後に $2,3,\dots,n$ のいずれかを引けばよい。したがって有利な並びは

$$ n-1 $$

通りである。

(ii)

$S_{n-2}=n-1$ の場合

$(n-2)$ 個の数はすべて $1$ 以上で、その和が最小値 $n-2$ より $1$ だけ大きい。よって「1 つだけ $2$、残りはすべて $1$」である。

したがって最初の $(n-2)$ 回の並び方は、$2$ の位置の選び方だけで

$$ n-2 $$

通りある。このとき最後の 1 回は何を引いても和は $n$ 以上になるので、最後の札の選び方は

$$ n $$

通りある。よって有利な並びは

$$ n(n-2) $$

通りである。

以上より、有利な並びの総数は

$$ (n-1)+n(n-2)=n^2-n-1 $$

通りである。全事象は $n^{,n-1}$ 通りであるから、

$$ p(n-1)=\frac{n^2-n-1}{n^{n-1}} $$

である。

解説

この問題の要点は、「ちょうどその回で初めて $n$ 以上になる」という条件を

$$ S_{a-1}<n,\quad S_a\geqq n $$

と読み替えることである。

特に $a=n,\ n-1$ のように回数が大きい場合は、各回で少なくとも $1$ 加わることから、途中の和が取りうる値がかなり絞られる。そこから「すべて $1$」「1 つだけ $2$ で残りは $1$」という形が自然に出てくる。単純な確率計算というより、和の条件から並びを場合分けして数え上げる問題である。

答え

$$ p(1)=\frac{1}{n} $$

$$ p(n)=\frac{1}{n^{n-1}} $$

$$ p(2)=\frac{(n-1)(n+2)}{2n^2} $$

$$ p(n-1)=\frac{n^2-n-1}{n^{n-1}} $$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。