東北大学 2021年 文系 第3問 解説

方針・初手
交点 $P$ を用いて三角形 $OPA$ を見るのが基本である。 ここでは
- $OP$ は円 $C_1$ の半径
- $AP=r$ は円 $C_2$ の半径
- $OA=1$
- $\angle OPA=\dfrac{\pi}{3}$
が分かっているので、まず余弦定理で円 $C_1$ の半径を求める。 その後、$r=\dfrac{\sqrt{3}}{3}$ を代入して角度と共通部分の面積を処理する。
解法1
円 $C_1$ の半径を $R$ とおく。
三角形 $OPA$ に余弦定理を用いると、
$$ OA^2=OP^2+AP^2-2\cdot OP\cdot AP\cos\angle OPA $$
より、
$$ 1=R^2+r^2-2Rr\cos\frac{\pi}{3} $$
である。$\cos\dfrac{\pi}{3}=\dfrac{1}{2}$ だから、
$$ 1=R^2+r^2-Rr $$
すなわち
$$ R^2-rR+(r^2-1)=0 $$
となる。これを $R$ について解くと、
$$ R=\frac{r\pm\sqrt{r^2-4(r^2-1)}}{2} =\frac{r\pm\sqrt{4-3r^2}}{2} $$
を得る。
ここで $r<1$ より $\sqrt{4-3r^2}>1>r$ であるから、
$$ \frac{r-\sqrt{4-3r^2}}{2}<0 $$
となり、半径として不適である。したがって、
$$ R=\frac{r+\sqrt{4-3r^2}}{2} $$
である。
以上より、(1) の答えは
$$ \frac{r+\sqrt{4-3r^2}}{2} $$
である。
次に (2) を考える。$r=\dfrac{\sqrt{3}}{3}$ のとき、
$$ R=\frac{\frac{\sqrt{3}}{3}+\sqrt{4-3\cdot\frac{1}{3}}}{2} =\frac{\frac{\sqrt{3}}{3}+\sqrt{3}}{2} =\frac{2\sqrt{3}}{3} $$
である。
三角形 $OPA$ において、$\angle PAO$ を余弦定理で求めると、
$$ \cos\angle PAO =\frac{OA^2+AP^2-OP^2}{2\cdot OA\cdot AP} =\frac{1+\frac{1}{3}-\frac{4}{3}}{2\cdot1\cdot\frac{\sqrt{3}}{3}} =0 $$
となる。したがって、
$$ \angle PAO=\frac{\pi}{2} $$
である。
よって、(2) の答えは
$$ \frac{\pi}{2} $$
である。
最後に (3) を考える。
$r=\dfrac{\sqrt{3}}{3}$ のとき、上で求めたように
$$ \angle PAO=\frac{\pi}{2} $$
である。円 $C_2$ は点 $A$ を中心とするから、$P,Q$ は直線 $OA$ に関して対称であり、
$$ \angle PAQ=2\angle PAO=\pi $$
となる。したがって、$PQ$ は円 $C_2$ の直径である。
また、三角形 $OPA$ で
$$ \angle AOP=\pi-\frac{\pi}{3}-\frac{\pi}{2}=\frac{\pi}{6} $$
だから、対称性より
$$ \angle POQ=2\angle AOP=\frac{\pi}{3} $$
である。
共通部分は、
- 円 $C_2$ の、弦 $PQ$ によって切り取られる半円
- 円 $C_1$ の、弦 $PQ$ と小弧 $PQ$ で囲まれる弓形
の和として求められる。
まず、円 $C_2$ の半円の面積は
$$ \frac{1}{2}\pi r^2 =\frac{1}{2}\pi\cdot\frac{1}{3} =\frac{\pi}{6} $$
である。
次に、円 $C_1$ の弓形の面積を求める。 半径は $R=\dfrac{2\sqrt{3}}{3}$、中心角は $\dfrac{\pi}{3}$ なので、その扇形の面積は
$$ \frac{1}{2}R^2\cdot\frac{\pi}{3} =\frac{1}{2}\cdot\frac{4}{3}\cdot\frac{\pi}{3} =\frac{2\pi}{9} $$
である。
一方、三角形 $OPQ$ の面積は
$$ \frac{1}{2}R^2\sin\frac{\pi}{3} =\frac{1}{2}\cdot\frac{4}{3}\cdot\frac{\sqrt{3}}{2} =\frac{\sqrt{3}}{3} $$
であるから、弓形の面積は
$$ \frac{2\pi}{9}-\frac{\sqrt{3}}{3} $$
となる。
したがって、共通部分の面積は
$$ \frac{\pi}{6}+\left(\frac{2\pi}{9}-\frac{\sqrt{3}}{3}\right) =\frac{7\pi}{18}-\frac{\sqrt{3}}{3} $$
である。
よって、(3) の答えは
$$ \frac{7\pi}{18}-\frac{\sqrt{3}}{3} $$
である。
解説
この問題の核は、交点 $P$ を使って三角形 $OPA$ を作ることである。 円の問題であっても、中心と交点を結べば三角形になり、余弦定理で半径や角度が処理できる。
また、$r=\dfrac{\sqrt{3}}{3}$ のとき $\angle PAO=\dfrac{\pi}{2}$ となる点が重要である。これにより $PQ$ が円 $C_2$ の直径であることが分かり、共通部分を「半円と弓形」に分けて面積計算できる。
面積は、図形全体を一気に求めようとせず、扇形と三角形の差に分解するのが典型的である。
答え
(1)
円 $C_1$ の半径は
$$ \frac{r+\sqrt{4-3r^2}}{2} $$
である。
(2)
$r=\dfrac{\sqrt{3}}{3}$ のとき、
$$ \angle PAO=\frac{\pi}{2} $$
である。
(3)
$r=\dfrac{\sqrt{3}}{3}$ のとき、円 $C_1$ の内部と円 $C_2$ の内部の共通部分の面積は
$$ \frac{7\pi}{18}-\frac{\sqrt{3}}{3} $$
である。
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