東北大学 1974年 理系 第2問 解説

方針・初手
円 $C$ は原点 $O$ を通るので,その中心を $\alpha$ とすると半径は $|\alpha|$ である。したがって,点 $z$ が $C$ 上にある条件は
$$ |z-\alpha|=|\alpha| $$
である。これを $z_1,z_2$ に適用し,さらに $\alpha$ が実軸上にあるときは $\alpha=a\in\mathbb{R}$ とおいて式を整理する。すると $\dfrac{x_k}{|z_k|^2}$ の等式に帰着し,これは $\operatorname{Re}\left(\dfrac1{z_k}\right)$ と一致するので,示すべき条件がそのまま現れる。
解法1
円 $C$ の中心を $\alpha$ とする。$C$ は $O$ を通るから,半径は $|\alpha|$ である。よって $z_k\in C\ (k=1,2)$ より
$$ |z_k-\alpha|=|\alpha| $$
が成り立つ。
これを2乗すると
$$ |z_k|^2-z_k\overline{\alpha}-\overline{z_k}\alpha=0 \qquad (k=1,2) $$
を得る。
ここで $z_k=x_k+y_ki\ (k=1,2)$ とする。また,問題の仮定より $z_1,z_2$ は虚軸上にないから
$$ x_1\neq 0,\qquad x_2\neq 0 $$
である。
(i) 必要性
$C$ の中心 $\alpha$ が実軸上にあると仮定する。このとき $\alpha=a\in\mathbb{R}$ と書ける。
すると $z_k\in C$ より
$$ |z_k-a|^2=a^2 $$
であり,これを展開すると
$$ x_k^2+y_k^2-2ax_k=0 $$
すなわち
$$ |z_k|^2=2ax_k \qquad (k=1,2) $$
を得る。よって
$$ \frac{x_k}{|z_k|^2}=\frac{1}{2a} \qquad (k=1,2) $$
となるから
$$ \frac{x_1}{|z_1|^2}=\frac{x_2}{|z_2|^2} $$
である。
一方,
$$ \frac1{z_k} =\frac{\overline{z_k}}{|z_k|^2} =\frac{x_k-y_ki}{|z_k|^2} $$
より
$$ \operatorname{Re}\left(\frac1{z_k}\right)=\frac{x_k}{|z_k|^2} $$
である。したがって
$$ \operatorname{Re}\left(\frac1{z_1}\right)=\operatorname{Re}\left(\frac1{z_2}\right) $$
となり,
$$ \operatorname{Re}\left(\frac1{z_1}-\frac1{z_2}\right)=0 $$
を得る。つまり $\dfrac1{z_1}-\dfrac1{z_2}$ は純虚数である。
(ii) 十分性
逆に,
$$ \frac1{z_1}-\frac1{z_2} $$
が純虚数であると仮定する。すると
$$ \operatorname{Re}\left(\frac1{z_1}\right)=\operatorname{Re}\left(\frac1{z_2}\right) $$
であるから,
$$ \frac{x_1}{|z_1|^2}=\frac{x_2}{|z_2|^2} $$
を得る。ここで $x_1,x_2\neq 0$ なので,共通の実数値を用いて
$$ a:=\frac{|z_1|^2}{2x_1}=\frac{|z_2|^2}{2x_2} $$
とおける。
このとき $k=1,2$ について
$$ |z_k-a|^2=|z_k|^2-2ax_k+a^2=a^2 $$
となる。したがって
$$ |z_k-a|=|a| \qquad (k=1,2) $$
であり,また明らかに
$$ |0-a|=|a| $$
である。よって $O,z_1,z_2$ の3点は,中心 $a$,半径 $|a|$ の円上にある。
問題の仮定より $O,z_1,z_2$ は同一直線上にないから,この3点を通る円はただ1つである。したがって,その円は $C$ に一致し,$C$ の中心は $a$ である。ゆえに $C$ の中心は実軸上にある。
以上より,$C$ の中心が実軸上にあるための必要十分条件は
$$ \operatorname{Re}\left(\frac1{z_1}-\frac1{z_2}\right)=0 $$
すなわち
$$ \frac1{z_1}-\frac1{z_2} $$
が純虚数であることである。
解説
この問題の要点は,「原点を通る円」の中心を $\alpha$ とすると,半径が $|\alpha|$ になることである。これにより,円周上の点 $z$ について $|z-\alpha|=|\alpha|$ という単純な関係が得られる。
さらに,中心が実軸上にあるときは $\alpha=a\in\mathbb{R}$ と書けるため,条件が
$$ |z_k|^2=2ax_k $$
という形に整理される。ここで
$$ \operatorname{Re}\left(\frac1z\right)=\frac{x}{|z|^2} $$
という基本計算に気づけば,条件がそのまま
$$ \operatorname{Re}\left(\frac1{z_1}\right)=\operatorname{Re}\left(\frac1{z_2}\right) $$
に読み替えられる。複素数の逆数の実部を使うのがこの問題の核心である。
答え
円 $C$ の中心が実軸上にあるための必要十分条件は
$$ \operatorname{Re}\left(\frac1{z_1}-\frac1{z_2}\right)=0 $$
すなわち
$$ \frac1{z_1}-\frac1{z_2} $$
が純虚数であることである。
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