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東北大学 1990年 理系 第2問 解説

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東北大学 1990年 理系 第2問 解説

方針・初手

解法1

(1)

球面 $B$ の方程式より、その中心を $C$、半径を $R$ とすると、$C(3, 4, 12)$、$R = 13$ である。

点 $O(0, 0, 0)$ は球面 $B$ 上の点であり、平面 $H$ は点 $O$ を通り球面 $B$ に接する平面であるから、ベクトル $\vec{OC} = (3, 4, 12)$ は平面 $H$ の法線ベクトルとなる。

したがって、点 $O$ を通り法線ベクトルが $\vec{OC}$ である平面 $H$ の方程式は、

$$3(x - 0) + 4(y - 0) + 12(z - 0) = 0$$

すなわち、

$$3x + 4y + 12z = 0$$

(2)

平面 $H$ 上の点 $P$ を中心とする半径 $r = 1$ の球面を $S_P$ とする。

球面 $B$ と球面 $S_P$ が交わるための条件は、その中心間の距離 $CP$ が半径の差以上、和以下となることである。

$$|R - r| \le CP \le R + r$$

$$|13 - 1| \le CP \le 13 + 1$$

$$12 \le CP \le 14$$

各辺は正であるから、2乗して

$$144 \le CP^2 \le 196$$

ここで、点 $P$ は平面 $H$ 上の点であり、平面 $H$ は点 $O$ で球面 $B$ と接しているため、球の中心 $C$ から平面 $H$ に下ろした垂線の足は $O$ となる。

したがって、直線 $CO$ は平面 $H$ と垂直に交わり、平面 $H$ 上の線分 $OP$ と直線 $CO$ も垂直である。

直角三角形 $COP$ において、三平方の定理より

$$CP^2 = CO^2 + OP^2 = R^2 + OP^2 = 13^2 + OP^2 = 169 + OP^2$$

これを先の不等式に代入すると、

$$144 \le 169 + OP^2 \le 196$$

$$-25 \le OP^2 \le 27$$

$OP^2 \ge 0$ は常に成り立つので、条件を満たす点 $P$ は

$$0 \le OP^2 \le 27$$

すなわち

$$OP \le 3\sqrt{3}$$

を満たす範囲を動く。

よって、点 $P$ が動く領域(立体 $E$ の底面)は、平面 $H$ 上における原点 $O$ を中心とする半径 $3\sqrt{3}$ の円の内部および周である。

この領域の面積 $S$ は、

$$S = \pi \cdot (3\sqrt{3})^2 = 27\pi$$

次に、立体 $E$ は、この領域を底面とし、点 $T(9, 12, 36)$ を頂点とする錐体である。

頂点 $T$ から底面となる平面 $H: 3x + 4y + 12z = 0$ に下ろした垂線の長さを $h$(立体 $E$ の高さ)とすると、点と平面の距離の公式より

$$h = \frac{|3 \cdot 9 + 4 \cdot 12 + 12 \cdot 36|}{\sqrt{3^2 + 4^2 + 12^2}} = \frac{|27 + 48 + 432|}{\sqrt{9 + 16 + 144}} = \frac{507}{13} = 39$$

したがって、求める立体 $E$ の体積 $V$ は、

$$V = \frac{1}{3} S h = \frac{1}{3} \cdot 27\pi \cdot 39 = 351\pi$$

解法2

(2) の高さ $h$ の求め方の別解

点 $T$ の座標は $T(9, 12, 36)$ であり、これは球面 $B$ の中心 $C(3, 4, 12)$ の各成分の $3$ 倍である。

すなわち、

$$\vec{OT} = 3\vec{OC}$$

が成り立つ。

ベクトル $\vec{OC}$ は平面 $H$ の法線ベクトルであり、平面 $H$ に垂直である。

原点 $O$ は平面 $H$ 上の点であるから、線分 $OT$ は平面 $H$ と垂直に交わり、点 $T$ は平面 $H$ の法線上の点となる。

したがって、点 $T$ から平面 $H$ までの距離 $h$ は、線分 $OT$ の長さに等しい。

$$h = |\vec{OT}| = 3|\vec{OC}| = 3 \times 13 = 39$$

底面積 $S = 27\pi$ の計算は解法1と同様であり、体積 $V$ は

$$V = \frac{1}{3} S h = \frac{1}{3} \cdot 27\pi \cdot 39 = 351\pi$$

解説

(1) は空間における球の接平面の方程式を求める基本問題である。接点から球の中心に向かうベクトルが法線ベクトルになることを利用する。

(2) は「$2$ つの球面が交わる条件」を「点 $P$ の存在範囲」に帰着させる問題である。球面が交わる条件は中心間距離と半径の和・差の関係式に翻訳できる。さらに、平面 $H$ と中心 $C$ の関係から直角三角形を構成し、$CP^2 = 13^2 + OP^2$ という関係式を見抜くことが鍵となる。高さを求める計算では、点と平面の距離公式にそのまま代入してもよいが、与えられた座標の数値関係($\vec{OT} = 3\vec{OC}$)に気づくと計算を大幅にショートカットできる。

答え

(1) $3x + 4y + 12z = 0$

(2) $V = 351\pi$

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