東北大学 1990年 理系 第3問 解説

方針・初手
まず
$$ y=\log (nx+1)^{2n}=2n\log |nx+1| \qquad (x\ne -\tfrac1n) $$
と見直すのが初手である。これにより、定義域・増減・漸近線・$x$軸との交点がすべて整理できる。
面積計算では、(2) の条件 $p<-\dfrac2n$ により、積分区間では $nx+1<0$ となるので
$$ |nx+1|=-nx-1 $$
として積分すればよい。
(3) では、接点を $(p,\ y(p))$ とすると、接線が原点を通る条件は
$$ y(p)=p,y'(p) $$
で表せる。これをそのまま面積式に代入すると、$p$ を具体的に求めなくても $S$ が決まる。
解法1
(1)
$$ y=2n\log|nx+1| \qquad (x\ne -\tfrac1n) $$
より、定義域は
$$ x\ne -\frac1n $$
である。
導関数は
$$ y'=\frac{2n^2}{nx+1}, \qquad y''=-\frac{2n^3}{(nx+1)^2}. $$
したがって、
- $x<-\dfrac1n$ では $y'<0$ で単調減少
- $x>-\dfrac1n$ では $y'>0$ で単調増加
- 全域で $y''<0$ だから上に凸ではなく、下に凸ではない、すなわち上から押さえられた形である
また、
$$ \log (nx+1)^{2n}=0 $$
より
$$ (nx+1)^{2n}=1 $$
なので
$$ nx+1=\pm 1. $$
よって $x$ 軸との交点は
$$ x=0,\quad x=-\frac2n $$
である。
さらに、
$$ x\to -\frac1n\pm 0 \quad\Longrightarrow\quad |nx+1|\to 0+, $$
より
$$ y\to -\infty. $$
したがって $x=-\dfrac1n$ は垂直漸近線である。
以上より、$C$ は $x=-\dfrac1n$ を境に 2 つの枝をもち、
- 左側の枝は $(-\infty,,-\dfrac1n)$ 上で単調減少し、$(-\dfrac2n,0)$ を通る
- 右側の枝は $(-\dfrac1n,\infty)$ 上で単調増加し、$(0,0)$ を通る
- どちらの枝も $x=-\dfrac1n$ に近づくと $-\infty$ に落ちる
という概形になる。
(2)
$p<-\dfrac2n$ なので、区間 $[p,,-\dfrac2n]$ では $nx+1<0$ である。したがって
$$ y=2n\log(-nx-1) $$
であり、求める面積は
$$ S=\int_p^{-2/n} 2n\log(-nx-1),dx $$
である。
ここで
$$ u=-nx-1 $$
とおくと、
$$ du=-n,dx,\qquad dx=-\frac1n,du. $$
また、
$$ x=p \Rightarrow u=-np-1,\qquad x=-\frac2n \Rightarrow u=1 $$
であるから、
$$ \begin{aligned} S &=\int_p^{-2/n} 2n\log(-nx-1),dx \\ &=2\int_1^{-np-1}\log u,du \\ &=2\left[u\log u-u\right]_1^{-np-1}. \end{aligned} $$
よって
$$ S =2\left{(-np-1)\log(-np-1)-(-np-1)-(-1)\right}. $$
整理すると
$$ S=2\left{(-np-1)\log(-np-1)+np+2\right}. $$
(3)
負の傾きをもつ接線なので、接点の $x$ 座標 $p$ は左側の枝上にあり、
$$ p<-\frac1n $$
である。しかも接線が原点を通るから、接点 $(p,\ y(p))$ における接線の式
$$ y-y(p)=y'(p)(x-p) $$
に $(0,0)$ を代入して
$$ y(p)=p,y'(p) $$
を得る。
ここで
$$ u=-np-1 \quad (>1) $$
とおくと、
$$ p=\frac{-u-1}{n},\qquad np+1=-u. $$
また
$$ y(p)=2n\log u, \qquad y'(p)=\frac{2n^2}{np+1}=-\frac{2n^2}{u}. $$
したがって条件 $y(p)=p,y'(p)$ は
$$ 2n\log u ======== # \frac{-u-1}{n}\cdot\left(-\frac{2n^2}{u}\right) 2n\cdot\frac{u+1}{u}. $$
よって
$$ \log u=1+\frac1u. $$
一方、(2) の面積式は
$$ S=2{u\log u-u+1} $$
と書けるので、これに $\log u=1+\dfrac1u$ を代入すると
$$ \begin{aligned} S &=2\left{u\left(1+\frac1u\right)-u+1\right} \\ &=2{u+1-u+1} \\ &=4. \end{aligned} $$
したがって
$$ S=4 $$
である。
解説
この問題の要点は、$\log (nx+1)^{2n}$ をそのまま扱うのではなく、
$$ \log (nx+1)^{2n}=2n\log|nx+1| $$
と見て、絶対値つき対数関数として理解することである。これにより、枝が 2 つあること、$x=-\dfrac1n$ が垂直漸近線であること、$x$ 軸との交点が $x=0,,-\dfrac2n$ であることがすぐに分かる。
(3) では接点そのものを解こうとすると煩雑になるが、接線が原点を通る条件
$$ y(p)=p,y'(p) $$
を面積式に直接代入すれば、$p$ を求めずに $S$ が定数になる。ここが最も重要な発想である。
答え
$$ \text{(1) }Cは,x=-\frac1n,を垂直漸近線とする2枝の曲線で、 \left(-\frac2n,0\right),\ (0,0),を通る。 $$
左枝は $x<-\dfrac1n$ で単調減少、右枝は $x>-\dfrac1n$ で単調増加する。
$$ \text{(2) }\quad S=2\left\{(-np-1)\log(-np-1)+np+2\right\} $$
$$ \text{(3) }\quad S=4 $$
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