東北大学 1990年 理系 第1問 解説

方針・初手
領域は曲線 $\sqrt{x}+\sqrt{y}=1$ と $x$ 軸・$y$ 軸で囲まれており,直線 $y=x$ に関して対称である。
したがって,領域のうち $y\le x$ の半分だけを取り,これを直線 $y=x$ のまわりに回転させれば,ちょうど求める立体全体が得られる。そこで,この半領域に対して円筒殻の考え方を用いる。
また,曲線に平方根が含まれているので,
$$ x=s^2,\quad y=t^2 \qquad (s,t\ge0) $$
とおくと,境界条件 $\sqrt{x}+\sqrt{y}=1$ は
$$ s+t=1 $$
となり,領域が三角形に変わる。これが計算の要点である。
解法1
もとの領域を $R$ とし,そのうち直線 $y=x$ の下側の半分を
$$ H={(x,y)\mid x\ge0,\ y\ge0,\ \sqrt{x}+\sqrt{y}\le1,\ y\le x} $$
とする。
点 $(x,y)\in H$ から直線 $y=x$ までの距離は
$$ r=\frac{x-y}{\sqrt{2}} $$
である。したがって,微小面積 $dA$ を回転させたときの微小体積は
$$ dV=2\pi r,dA =\frac{2\pi}{\sqrt{2}}(x-y),dA $$
となるから,求める体積 $V$ は
$$ V=\frac{2\pi}{\sqrt{2}}\iint_H (x-y),dA $$
である。
ここで
$$ x=s^2,\quad y=t^2 \qquad (s,t\ge0) $$
とおく。すると
$$ dx,dy=\left|\frac{\partial(x,y)}{\partial(s,t)}\right|ds,dt =4st,ds,dt $$
であり,半領域 $H$ は $st$ 平面で
$$ D={(s,t)\mid s\ge0,\ t\ge0,\ s+t\le1,\ t\le s} $$
に移る。よって
$$ V=\frac{2\pi}{\sqrt{2}}\iint_D (s^2-t^2),4st,ds,dt $$
となる。
さらに
$$ u=s+t,\quad v=s-t $$
とおくと,
$$ s=\frac{u+v}{2},\quad t=\frac{u-v}{2} $$
より,
$$ s^2-t^2=uv,\qquad 4st=u^2-v^2,\qquad ds,dt=\frac12,du,dv $$
である。また,領域 $D$ は
$$ 0\le v\le u\le1 $$
となる。したがって
$$ V=\frac{2\pi}{\sqrt{2}} \int_0^1\int_0^u \frac12,uv(u^2-v^2),dv,du $$
である。
内側を積分すると,
$$ \int_0^u \frac12,uv(u^2-v^2),dv =\frac{u}{2}\left[\frac{u^2v^2}{2}-\frac{v^4}{4}\right]_0^u =\frac{u^5}{8} $$
だから,
$$ V=\frac{2\pi}{\sqrt{2}}\int_0^1 \frac{u^5}{8},du =\frac{2\pi}{\sqrt{2}}\cdot \frac{1}{48} =\frac{\pi}{24\sqrt{2}} $$
となる。
解説
この問題では,そのまま $x,y$ で積分しようとすると,直線 $y=x$ と曲線 $\sqrt{x}+\sqrt{y}=1$ の交点で場合分けが必要になり,計算が煩雑になる。
一方で,
$$ x=s^2,\quad y=t^2 $$
と置けば境界が $s+t=1$ という一次式になり,領域が三角形になる。さらに
$$ u=s+t,\quad v=s-t $$
と置くことで,対称性に対応した座標になり,積分範囲が
$$ 0\le v\le u\le1 $$
という単純な形になる。回転軸が $y=x$ であることと,$\sqrt{x},\sqrt{y}$ が現れていることの両方を見て,この変数変換を選べるかどうかが重要である。
答え
$$ \frac{\pi}{24\sqrt{2}} $$
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