東北大学 2000年 理系 第4問 解説

方針・初手
1回の操作で点 $A$ が動く量は
- $+1$(出目 $1$)…確率 $ \dfrac16 $
- $+2$(出目 $2,3$)…確率 $ \dfrac13 $
- $-1$(出目 $4$)…確率 $ \dfrac16 $
- $-2$(出目 $5,6$)…確率 $ \dfrac13 $
である。
したがって、5回振った後に原点に戻るためには、5回のうちに $+1,+2,-1,-2$ がそれぞれ何回出たかを数え上げ、その総移動量が $0$ になる場合をすべて調べればよい。
解法1
5回のうち、
- $+1$ が $a$ 回
- $+2$ が $b$ 回
- $-1$ が $c$ 回
- $-2$ が $d$ 回
出たとする。
このとき
$$ a+b+c+d=5 $$
であり、原点に戻る条件は総移動量が $0$ であるから
$$ a+2b-c-2d=0 $$
である。
この2式を満たす非負整数解を求める。
まず
$$ c=a+2b-2d $$
であるから、これを $a+b+c+d=5$ に代入すると
$$ a+b+(a+2b-2d)+d=5 $$
すなわち
$$ 2a+3b-d=5 $$
となる。よって
$$ d=2a+3b-5 $$
である。また、
$$ c=a+2b-2d=10-3a-4b $$
である。
したがって $c,d \geqq 0$ より
$$ 2a+3b \geqq 5,\qquad 3a+4b \leqq 10 $$
を満たす非負整数 $a,b$ を調べればよい。
実際に調べると、可能なのは次の4通りである。
(i)
$ (a,b,c,d)=(3,0,1,1) $
(ii)
$ (a,b,c,d)=(1,1,3,0) $
(iii)
$ (a,b,c,d)=(2,1,0,2) $
(iv)
$ (a,b,c,d)=(0,2,2,1) $
以下、それぞれの確率を求める。
(i) $ (a,b,c,d)=(3,0,1,1) $ のとき
5回の並べ方は
$$ \frac{5!}{3!1!1!}=20 $$
通りである。
1つの並びの確率は
$$ \left(\frac16\right)^3\left(\frac13\right)^0\left(\frac16\right)^1\left(\frac13\right)^1 =\frac{2}{6^5} $$
であるから、この場合の確率は
$$ 20 \cdot \frac{2}{6^5}=\frac{40}{6^5} $$
である。
(ii) $ (a,b,c,d)=(1,1,3,0) $ のとき
並べ方は
$$ \frac{5!}{1!1!3!}=20 $$
通りであり、1つの並びの確率は
$$ \left(\frac16\right)^1\left(\frac13\right)^1\left(\frac16\right)^3\left(\frac13\right)^0 =\frac{2}{6^5} $$
であるから、この場合の確率は
$$ 20 \cdot \frac{2}{6^5}=\frac{40}{6^5} $$
である。
(iii) $ (a,b,c,d)=(2,1,0,2) $ のとき
並べ方は
$$ \frac{5!}{2!1!2!}=30 $$
通りであり、1つの並びの確率は
$$ \left(\frac16\right)^2\left(\frac13\right)^1\left(\frac16\right)^0\left(\frac13\right)^2 =\frac{8}{6^5} $$
であるから、この場合の確率は
$$ 30 \cdot \frac{8}{6^5}=\frac{240}{6^5} $$
である。
(iv) $ (a,b,c,d)=(0,2,2,1) $ のとき
並べ方は
$$ \frac{5!}{0!2!2!1!}=30 $$
通りであり、1つの並びの確率は
$$ \left(\frac16\right)^0\left(\frac13\right)^2\left(\frac16\right)^2\left(\frac13\right)^1 =\frac{8}{6^5} $$
であるから、この場合の確率は
$$ 30 \cdot \frac{8}{6^5}=\frac{240}{6^5} $$
である。
以上より、求める確率は
$$ \frac{40}{6^5}+\frac{40}{6^5}+\frac{240}{6^5}+\frac{240}{6^5} =\frac{560}{6^5} $$
である。
$6^5=7776$ であるから
$$ \frac{560}{7776}=\frac{35}{486} $$
となる。
解説
この問題では、出目そのものを直接追うよりも、1回ごとの移動量を $+1,+2,-1,-2$ の4種類に分類して数えるのが基本方針である。
5回という回数は小さいので、総移動量が $0$ になる回数の組 $(a,b,c,d)$ を整数条件から絞り込み、その後に多項係数で並べ方を数えるのが最も確実である。
特に、$+2$ と $-2$ はそれぞれ2つの出目に対応しているので、確率が $ \dfrac13 $ になる点を落とさないことが重要である。
答え
$$ \frac{35}{486} $$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











