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東北大学 2006年 理系 第3問 解説

数学A/確率数学B/確率分布・統計的推測テーマ/場合分け
東北大学 2006年 理系 第3問 解説

方針・初手

各回のくじは,500個の球のうち当たりが1個だけで,しかも引いた球は毎回袋に戻すので,毎回独立に当たる確率が $ \dfrac{1}{500} $ の試行である。

したがって,(1)(3) は期待値の線形性を使えばよく,(2) は1回ごとに2人の結果が一致する確率を求めて4回分掛ければよい。

解法1

(1)

1回のくじで当たる確率は $ \dfrac{1}{500} $,当たったときにもらえる景品は1万円相当であるから,1回あたりの景品相当額の期待値は

$$ 10000 \times \frac{1}{500}=20 $$

より,20円である。

10回引くとき,景品相当額の期待値はその10倍なので

$$ 10 \times 20=200 $$

したがって,求める期待値は $200$ 円である。

(2)

1回のくじについて,2人の当たり外れが一致するのは

の2通りである。

当たりを $A$,外れを $B$ とすると,1回分で一致する確率は

$$ P(A,A)+P(B,B) ============= \left(\frac{1}{500}\right)^2+\left(\frac{499}{500}\right)^2 $$

である。

各回は独立であるから,4回とも順序まで含めて完全に一致する確率は

$$ \left{ \left(\frac{1}{500}\right)^2+\left(\frac{499}{500}\right)^2 \right}^4 $$

となる。

これを計算すると

$$ \left(\frac{1+499^2}{500^2}\right)^4 ==================================== \left(\frac{249002}{250000}\right)^4 \approx 0.984127\cdots $$

よって,小数点第3位を四捨五入すると

$$ 0.98 $$

である。

(3)

商店街全体で配布した抽選券の枚数を $n$ 枚とする。

このとき,くじ管理組合に拠出される金額は,抽選券1枚につき35円であるから

$$ 35n $$

円である。

一方,景品代の期待値は,1回あたりの期待値が (1) と同様に20円なので

$$ 20n $$

円である。

したがって,くじに要する経費の期待値は

$$ 300000+20n $$

円となる。

これが拠出金でまかなえるためには

$$ 35n \geqq 300000+20n $$

すなわち

$$ 15n \geqq 300000 $$

であり,

$$ n \geqq 20000 $$

を得る。

抽選券は1000円の買い物ごとに1枚配布されるので,必要な商品売り上げ目標は

$$ 20000 \times 1000=20000000 $$

円である。

したがって,商品売り上げ目標は $2000$ 万円以上にすればよい。

解説

この問題の中心は,「1回のくじ」を確率 $ \dfrac{1}{500} $ のベルヌーイ試行として捉えることである。

(1)(3) では,何回当たるかの分布を細かく求める必要はなく,1回あたりの期待値を先に出してから回数倍すればよい。期待値ではこの処理が最も自然である。

(2) では,4回全体を一気に考えるよりも,まず1回について2人の結果が一致する確率を求め,それを4乗するのが基本方針である。順序が完全に一致するという条件は,各回ごとに一致することと同値である。

答え

$$ \text{(1)}\ 200\text{円} $$

$$ \text{(2)}\ 0.98 $$

$$ \text{(3)}\ 2000\text{万円以上} $$

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