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東京工業大学 1962年 理系 第2問 解説

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東京工業大学 1962年 理系 第2問 解説

方針・初手

短針と長針の長さをそれぞれ文字で置き、指定された時刻における両針のなす角を求めて余弦定理を用いる。未知数は2つ(両針の長さ)であるが、求めるのは4時のときの針の先端間の距離であるため、針の長さそのものを求める必要はなく、方程式の形から必要な式の値を算出すればよい。

解法1

短針の長さを $x$ cm、長針の長さを $y$ cm とする。

時計の文字盤において、1時間分の角度は $360^\circ \div 12 = 30^\circ$ である。

2時のとき、長針は12の位置、短針は2の位置にあるため、両針のなす角は

$$ 30^\circ \times 2 = 60^\circ $$

である。両針の先端間の距離は $4$ cm であるから、余弦定理より

$$ x^2 + y^2 - 2xy \cos 60^\circ = 4^2 $$

$$ x^2 + y^2 - xy = 16 \quad \cdots \text{(1)} $$

2時半のとき、長針は6の位置($180^\circ$の方向)にある。一方、短針は2時と3時のちょうど中間に位置するため、12の位置からの角度は $60^\circ + 30^\circ \times \frac{1}{2} = 75^\circ$ である。 したがって、両針のなす角は $180^\circ - 75^\circ = 105^\circ$ となる。 ここで、$\cos 105^\circ$ の値は加法定理を用いて次のように求められる。

$$ \begin{aligned} \cos 105^\circ &= \cos(60^\circ + 45^\circ) \\ &= \cos 60^\circ \cos 45^\circ - \sin 60^\circ \sin 45^\circ \\ &= \frac{1}{2} \cdot \frac{\sqrt{2}}{2} - \frac{\sqrt{3}}{2} \cdot \frac{\sqrt{2}}{2} \\ &= \frac{\sqrt{2} - \sqrt{6}}{4} \end{aligned} $$

このとき両針の先端間の距離は $6$ cm であるから、余弦定理より

$$ x^2 + y^2 - 2xy \cos 105^\circ = 6^2 $$

$$ x^2 + y^2 - 2xy \left( \frac{\sqrt{2} - \sqrt{6}}{4} \right) = 36 $$

$$ x^2 + y^2 + \frac{\sqrt{6} - \sqrt{2}}{2}xy = 36 \quad \cdots \text{(2)} $$

(1)より $x^2 + y^2 = xy + 16$ であり、これを(2)に代入する。

$$ xy + 16 + \frac{\sqrt{6} - \sqrt{2}}{2}xy = 36 $$

$$ \frac{2 + \sqrt{6} - \sqrt{2}}{2}xy = 20 $$

$$ xy = \frac{40}{\sqrt{6} - \sqrt{2} + 2} $$

分母を有理化して $xy$ の値を整理する。

$$ \begin{aligned} xy &= \frac{40}{\sqrt{6} + (2 - \sqrt{2})} \\ &= \frac{40\{\sqrt{6} - (2 - \sqrt{2})\}}{(\sqrt{6})^2 - (2 - \sqrt{2})^2} \\ &= \frac{40(\sqrt{6} - 2 + \sqrt{2})}{6 - (4 - 4\sqrt{2} + 2)} \\ &= \frac{40(\sqrt{6} + \sqrt{2} - 2)}{4\sqrt{2}} \\ &= \frac{10(\sqrt{6} + \sqrt{2} - 2)}{\sqrt{2}} \\ &= 10(\sqrt{3} + 1 - \sqrt{2}) \end{aligned} $$

4時のとき、長針は12の位置、短針は4の位置にあるため、両針のなす角は

$$ 30^\circ \times 4 = 120^\circ $$

である。求める両針の先端間の距離を $d$ cm $(d > 0)$ とすると、余弦定理より

$$ d^2 = x^2 + y^2 - 2xy \cos 120^\circ = x^2 + y^2 + xy $$

(1)より $x^2 + y^2 = xy + 16$ であるから

$$ d^2 = (xy + 16) + xy = 2xy + 16 $$

求めた $xy$ の値を代入する。

$$ \begin{aligned} d^2 &= 20(\sqrt{3} - \sqrt{2} + 1) + 16 \\ &= 36 + 20(\sqrt{3} - \sqrt{2}) \end{aligned} $$

ここで、一般的な平方根の近似値 $\sqrt{3} \approx 1.732$ と $\sqrt{2} \approx 1.414$ を用いて計算する。

$$ d^2 \approx 36 + 20(1.732 - 1.414) = 36 + 20 \times 0.318 = 36 + 6.36 = 42.36 $$

$6.5^2 = 42.25$、$6.6^2 = 43.56$ であることから、$6.5 < d < 6.6$ である。 さらに、$6.51^2 \approx 42.38$ であることから、$d$ の値は $6.50 \dots$ となる。 したがって、小数第1位までの近似値は $6.5$ である。

解説

時計の針の動きから正確ななす角を求める図形的考察力と、余弦定理を組み合わせて連立方程式を解く代数的な処理能力を問う問題である。

特に「2時半」のように、長針が進むのに伴って短針も進むことを考慮して角度を計算する点がポイントである。また、$x$ と $y$ の値をそれぞれ独立して求めるのではなく、目的の式 $d^2$ を導くために $xy$ (あるいは $x^2 + y^2$)のまとまりのまま処理していくと計算量が削減できる。最後の近似計算では、与えられた情報がない場合でも $\sqrt{2}, \sqrt{3}$ などの代表的な無理数の近似値を自ら用いて評価する判断力が求められる。

答え

$6.5$ cm

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