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東京工業大学 1973年 理系 第6問 解説

数学A/確率数学A/場合の数数学1/二次関数テーマ/場合分け
東京工業大学 1973年 理系 第6問 解説

方針・初手

与えられた関数 $f(x)$ と $g(x)$ に $x=10$ を代入し、$f(10)$ と $g(10)$ を $a, b, c$ の式で表すことから始める。 これらは $a, b, c$ を各桁の数字とする3桁の整数とみなせるため、それぞれの値が452より大きくなるような $a, b, c$ の条件を不等式で表し、その組の数を数え上げる。

解法1

$f(10), g(10)$ を計算すると

$$ f(10) = 100a + 10b + c $$

$$ g(10) = 100c + 10b + a $$

となる。条件はこれらがともに452より大きいことであるから

$$ 100a + 10b + c > 452 $$

$$ 100c + 10b + a > 452 $$

$a, b, c$ はさいころの目であるから、$1$ 以上 $6$ 以下の整数である。 もし $a \leqq 3$ であると、最大でも $f(10) = 300 + 60 + 6 = 366 \leqq 452$ となり条件を満たさない。 したがって、$a \geqq 4$ が必要である。 同様に、$c \leqq 3$ のとき $g(10) \leqq 366 \leqq 452$ となるため、$c \geqq 4$ も必要である。 ゆえに、$a \in \{4, 5, 6\}$ かつ $c \in \{4, 5, 6\}$ に絞られる。 以下、$a$ の値で場合分けして数え上げる。

(i) $a = 5, 6$ のとき $f(10) \geqq 500 + 10 + 1 = 511 > 452$ となるため、$f(10) > 452$ は常に成り立つ。 $g(10) > 452$ については $c$ の値でさらに場合分けする。

・$c = 5, 6$ のとき $g(10) \geqq 511 > 452$ となるため、こちらも常に成り立つ。 したがって、$b$ は $1$ から $6$ までのどれでもよい。 $(a, c)$ の組は $2 \times 2 = 4$ 通り、$b$ は $6$ 通りあるので、$4 \times 6 = 24$ 通り。

・$c = 4$ のとき $g(10) = 400 + 10b + a > 452$ より、$10b + a > 52$ が条件となる。 $a=5$ のとき、$10b > 47$ より $b = 5, 6$ の $2$ 通り。 $a=6$ のとき、$10b > 46$ より $b = 5, 6$ の $2$ 通り。 したがって、$(a, b)$ の組は $2 + 2 = 4$ 通り。

(i) の合計は $24 + 4 = 28$ 通りである。

(ii) $a = 4$ のとき $f(10) = 400 + 10b + c > 452$ より、$10b + c > 52$ が条件となる。 $c \leqq 6$ であるため、$10b > 52 - 6 = 46$ が必要であり、$b \geqq 5$ に絞られる。

・$b = 5$ のとき $f(10) > 452$ の条件は $50 + c > 52$ より $c \geqq 3$。 $g(10) > 452$ の条件は $100c + 50 + 4 > 452$ より $100c > 398$ すなわち $c \geqq 4$。 両方を満たすのは $c \in \{4, 5, 6\}$ の $3$ 通り。

・$b = 6$ のとき $f(10) > 452$ の条件は $60 + c > 52$ であり常に成り立つ。 $g(10) > 452$ の条件は $100c + 60 + 4 > 452$ より $100c > 388$ すなわち $c \geqq 4$。 両方を満たすのは $c \in \{4, 5, 6\}$ の $3$ 通り。

(ii) の合計は $3 + 3 = 6$ 通りである。

(i), (ii) より、条件を満たす $(a, b, c)$ の組は全体で $28 + 6 = 34$ 通り存在する。 さいころの目の出方は全体で $6^3 = 216$ 通りであるから、求める確率は

$$ \frac{34}{216} = \frac{17}{108} $$

解法2

$a \geqq 4$ かつ $c \geqq 4$ が必要であるところまでは解法1と同様である。 これを満たす $(a, b, c)$ の組は全体で $3 \times 6 \times 3 = 54$ 通りある。 ここから、「$f(10) \leqq 452$ または $g(10) \leqq 452$」となる場合(余事象)を引くことを考える。

事象 $A$ を $f(10) \leqq 452$、事象 $B$ を $g(10) \leqq 452$ とする。 $f(10) = 100a + 10b + c \leqq 452$ を満たすのは、$a \in \{4, 5, 6\}$ より $a = 4$ のときに限られる。 このとき $400 + 10b + c \leqq 452$ より $10b + c \leqq 52$。 $c \in \{4, 5, 6\}$ より、$b = 1, 2, 3, 4$ であれば最大で $10 \times 4 + 6 = 46 \leqq 52$ となり常に成立する。 $b = 5, 6$ のときは最小でも $10 \times 5 + 4 = 54 > 52$ となり不適である。 よって事象 $A$ を満たす組は $a=4, b \in \{1, 2, 3, 4\}, c \in \{4, 5, 6\}$ の $1 \times 4 \times 3 = 12$ 通りである。

同様に、事象 $B$ すなわち $g(10) = 100c + 10b + a \leqq 452$ を満たす組は、対称性から $c=4, b \in \{1, 2, 3, 4\}, a \in \{4, 5, 6\}$ の $12$ 通りである。

事象 $A$ と事象 $B$ を同時に満たす組は、$a=4$ かつ $c=4$ かつ $b \in \{1, 2, 3, 4\}$ の $1 \times 1 \times 4 = 4$ 通りである。

したがって、「$f(10) \leqq 452$ または $g(10) \leqq 452$」となる組の総数は、和集合の要素数の公式より

$$ 12 + 12 - 4 = 20 $$

よって、条件を満たす組の数は $54 - 20 = 34$ 通りである。 さいころの目の出方は全体で $216$ 通りであるから、求める確率は

$$ \frac{34}{216} = \frac{17}{108} $$

解説

$f(10)$ および $g(10)$ の式が、$x$ の2次関数という見かけをとっているものの、本質的には $x=10$ を代入したときの「10進数における3桁の整数」を扱っていることに気づくことが第一歩である。 条件を満たす組を数える際、やみくもに全探索するのではなく、百の位にあたる $a$ と $c$ に着目して候補を絞り込むことが重要である。 解法1のように直接数え上げることも十分に可能だが、解法2のように余事象を利用すると計算がやや簡略化される。

答え

$$ \frac{17}{108} $$

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