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東京工業大学 1994年 理系 第1問 解説

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東京工業大学 1994年 理系 第1問 解説

方針・初手

点 $P$, $Q$ の $x$ 座標をそれぞれ文字でおき、直線 $PQ$ と放物線が囲む面積をその文字を用いて表す。面積が一定になるという条件から、2つの文字の間に成り立つ関係式を導く。その後、2点における接線の方程式を求め、その交点 $R$ の座標を計算し、先ほどの関係式を用いて媒介変数($P$, $Q$ の $x$ 座標)を消去して軌跡の方程式を求める。放物線と直線の間の面積計算には、いわゆる「$\frac{1}{6}$ 公式」が活用できる。

解法1

放物線 $C: y = x^2$ 上の異なる2点 $P, Q$ の $x$ 座標をそれぞれ $p, q$ とおく。ここで、$p < q$ としても一般性を失わない。

$P(p, p^2)$, $Q(q, q^2)$ であり、直線 $PQ$ の方程式は、

$$ y - p^2 = \frac{q^2 - p^2}{q - p}(x - p) $$

$$ y = (p+q)(x-p) + p^2 $$

$$ y = (p+q)x - pq $$

となる。直線 $PQ$ と放物線 $C$ とで囲まれる図形の面積を $S$ とすると、$p \leqq x \leqq q$ の範囲で直線 $PQ$ は放物線 $C$ の上側にあるため、

$$ S = \int_p^q \left\{ (p+q)x - pq - x^2 \right\} dx $$

$$ S = -\int_p^q (x-p)(x-q) dx $$

$$ S = \frac{1}{6}(q-p)^3 $$

と計算できる。条件よりこの面積が $\frac{1}{6}$ であるから、

$$ \frac{1}{6}(q-p)^3 = \frac{1}{6} $$

$$ (q-p)^3 = 1 $$

$p, q$ は実数であるから、

$$ q - p = 1 $$

を得る。

次に、点 $P, Q$ における放物線 $C$ の接線を求める。

$y = x^2$ より $y' = 2x$ であるから、点 $P$ における接線の方程式は、

$$ y - p^2 = 2p(x - p) $$

$$ y = 2px - p^2 \quad \cdots \text{①} $$

同様に、点 $Q$ における接線の方程式は、

$$ y = 2qx - q^2 \quad \cdots \text{②} $$

交点 $R$ の座標を $(X, Y)$ とおく。$X$ は①と②の右辺を等置して求める。

$$ 2pX - p^2 = 2qX - q^2 $$

$$ 2(q-p)X = q^2 - p^2 $$

$p \neq q$ より $q-p \neq 0$ であるから、両辺を $q-p$ で割って、

$$ 2X = p+q $$

$$ X = \frac{p+q}{2} \quad \cdots \text{③} $$

これを①に代入して $Y$ 座標を求める。

$$ Y = 2p \cdot \frac{p+q}{2} - p^2 = p^2 + pq - p^2 = pq \quad \cdots \text{④} $$

交点 $R$ の座標 $(X, Y)$ は $\left( \frac{p+q}{2}, pq \right)$ となる。

ここで、$q - p = 1$ より $q = p + 1$ であるから、これを③、④に代入する。

$$ X = \frac{p + (p+1)}{2} = p + \frac{1}{2} $$

$$ Y = p(p+1) $$

上の式から $p = X - \frac{1}{2}$ となり、これを下の式に代入して $p$ を消去する。

$$ Y = \left( X - \frac{1}{2} \right) \left( X + \frac{1}{2} \right) $$

$$ Y = X^2 - \frac{1}{4} $$

点 $P$ が放物線上を動くとき、$p$ はすべての実数値を取り得る。したがって、$X = p + \frac{1}{2}$ より、$X$ もすべての実数値を取り得る。

よって、点 $R(X, Y)$ は放物線 $y = x^2 - \frac{1}{4}$ 上を動く。

解説

放物線における「面積の公式」と「2接線の交点の性質」を組み合わせた標準的な軌跡の問題である。

放物線 $y = ax^2$ と直線が交わるときの交点の $x$ 座標を $\alpha, \beta$ とすると、囲まれる面積は $\frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3$ となることは非常によく用いるため、確実に使いこなせるようにしておきたい。

また、放物線上の2点における接線の交点の $x$ 座標は、2点の $x$ 座標の相加平均(中点)になるという性質も有名であり、本問でも $X = \frac{p+q}{2}$ として現れている。これらを既知としておくと、計算の見通しが非常に良くなる。

答え

$$ y = x^2 - \frac{1}{4} $$

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