東京大学 1965年 理系 第1問 解説

方針・初手
全体の世帯の集合を $U$ とし、$A, B, C$ を購読している世帯の集合をそれぞれ $A, B, C$ とおく。割合(%)をそのまま集合の要素数のように扱い、ベン図の重なりのない各領域を文字でおいて連立方程式を立てるのが最も確実な方針である。
解法1
対象となる都市の全世帯の集合を $U$ とし、$A, B, C$ を購読している世帯の集合をそれぞれ $A, B, C$ と表す。 全体の割合を 100 とし、各集合の割合をそのまま要素数として $n(A)$ のように表記する。
ベン図の互いに排反な 8 つの領域について、その割合を次のように文字でおく。 $a = n(A \cap \bar{B} \cap \bar{C})$ ($A$ だけ) $b = n(\bar{A} \cap B \cap \bar{C})$ ($B$ だけ) $c = n(\bar{A} \cap \bar{B} \cap C)$ ($C$ だけ) $d = n(A \cap B \cap \bar{C})$ ($A$ と $B$ だけ) $e = n(\bar{A} \cap B \cap C)$ ($B$ と $C$ だけ) $f = n(A \cap \bar{B} \cap C)$ ($A$ と $C$ だけ) $g = n(A \cap B \cap C)$ (すべて) $h = n(\bar{A} \cap \bar{B} \cap \bar{C})$ (どれも購読していない)
問題の条件より、以下の等式が成り立つ。 $n(A) = a + d + f + g = 69$ ……① $n(B) = b + d + e + g = 46$ ……② $n(\text{C だけ}) = c = 3$ ……③ $n(B \cap C) = e + g = 21$ ……④ $n(A \cup C) = a + c + d + e + f + g = 88$ ……⑤ $n(B \cup C) = b + c + d + e + f + g = 50$ ……⑥ $n(\text{1種類だけ}) = a + b + c = 61$ ……⑦
まず、③より $c = 3$ である。 これを⑦に代入すると、
$$ a + b + 3 = 61 \iff a + b = 58 \quad \cdots \cdots \text{⑧} $$
が得られる。
次に、集合 $A \cup C$ は、集合 $A$ と、集合 $C$ のうち $A$ に含まれない部分($c$ と $e$ の領域)の和集合であるから、⑤の左辺は $n(A \cup C) = n(A) + c + e$ と表せる。これと①を用いて、
$$ 69 + 3 + e = 88 \iff e = 16 $$
となる。
また、④より、
$$ 16 + g = 21 \iff g = 5 $$
となる。これで、$A, B, C$ すべてを購読している割合は 5% と求まる。
さらに、集合 $B \cup C$ は、集合 $B$ と、集合 $C$ のうち $B$ に含まれない部分($c$ と $f$ の領域)の和集合であるから、⑥の左辺は $n(B \cup C) = n(B) + c + f$ と表せる。これと②を用いて、
$$ 46 + 3 + f = 50 \iff f = 1 $$
となる。
求まった $g = 5, f = 1$ を①に代入して整理すると、
$$ a + d + 1 + 5 = 69 \iff a + d = 63 \quad \cdots \cdots \text{⑨} $$
また、$g = 5, e = 16$ を②に代入して整理すると、
$$ b + d + 16 + 5 = 46 \iff b + d = 25 \quad \cdots \cdots \text{⑩} $$
⑨から⑩を辺々引くと、
$$ (a + d) - (b + d) = 63 - 25 \iff a - b = 38 \quad \cdots \cdots \text{⑪} $$
⑧と⑪の連立方程式を解く。
$$ \begin{cases} a + b = 58 \\ a - b = 38 \end{cases} $$
辺々を加えると $2a = 96$ より $a = 48$。 辺々を引くと $2b = 20$ より $b = 10$。 これで、$A$ だけを購読している割合は 48%、$B$ だけを購読している割合は 10% と求まる。
最後に、どれも購読していない割合 $h$ を求める。 これまでに求まった値は $a = 48, b = 10, c = 3, e = 16, f = 1, g = 5$ である。 ⑩より $d = 25 - b = 15$ となる。 少なくとも1種類を購読している世帯の割合は、
$$ n(A \cup B \cup C) = a + b + c + d + e + f + g = 48 + 10 + 3 + 15 + 16 + 1 + 5 = 98 $$
したがって、どれも購読していない世帯の割合は、
$$ h = n(U) - n(A \cup B \cup C) = 100 - 98 = 2 $$
よって、2% である。
解説
3つの集合に関する要素数の問題である。公式を無理に使うよりも、ベン図を描いて互いに排反な各領域を文字でおき、連立方程式を立てるのが最も確実である。 計算の際は、$n(A \cup C)$ を「$A$ の要素数に、$C$ だけに含まれる部分を足したもの」として $n(A) + c + e$ のように捉えられるかどうかが、計算量を減らすポイントになる。
答え
(i)
48%
(ii)
10%
(iii)
5%
(iv)
2%
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