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京都大学 1969年 文系 第6問 解説

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京都大学 1969年 文系 第6問 解説

方針・初手

本問は、積分、無限等比級数、平面充填、微分と極値の関係、論理の否定という高校数学の各分野における基本的な命題の真偽を問うものである。

(i) 各命題の計算や定義を確認し、真偽を判定する。 (ii) 偽(×)の場合は、下線部を正しく修正する。 (iii) 真偽の根拠を簡潔に述べる。

解法1

(1)

左辺の定積分を計算する。

$$ \int_{1}^{3} x^4 dx = \left[ \frac{1}{5}x^5 \right]_{1}^{3} = \frac{1}{5}(3^5 - 1^5) = \frac{1}{5}(243 - 1) = \frac{242}{5} $$

右辺は $242$ であるから、この命題は正しくない。

(2)

左辺は初項 $\frac{9}{10}$、公比 $\frac{1}{10}$ の無限等比級数である。公比 $r = \frac{1}{10}$ は $|r| < 1$ を満たすため収束し、その和 $S$ は次のように求められる。

$$ S = \frac{\frac{9}{10}}{1 - \frac{1}{10}} = \frac{\frac{9}{10}}{\frac{9}{10}} = 1 $$

したがって、この命題は正しい。

(3)

正 $n$ 辺形の内角の大きさは $\frac{180(n-2)}{n}$ 度である。1つの頂点に $m$ 個の正 $n$ 辺形が集まって隙間なく平面を埋め尽くす条件は、内角の $m$ 倍が $360$ 度になることである。

$$ m \times \frac{180(n-2)}{n} = 360 \iff \frac{n-2}{n} = \frac{2}{m} \iff m = \frac{2n}{n-2} = 2 + \frac{4}{n-2} $$

$m$ は $3$ 以上の整数である必要がある。 $n=3$ のとき $m=6$、 $n=4$ のとき $m=4$、 $n=6$ のとき $m=3$ となり、これらはいずれも条件を満たす。 したがって、正 $n$ 辺形で平面を充填できるのは $n=3, 4, 6$ のときであり、命題の「$n=3, 4$ のときだけ」は誤りである。

(4)

導関数 $f'(a) = 0$ は、関数 $f(x)$ が $x=a$ で極値を持つための必要条件であるが、十分条件ではない。 例えば、$f(x) = x^3$ のとき、$f'(x) = 3x^2$ より $f'(0) = 0$ であるが、$x=0$ の前後で $f'(x)$ の符号が変化しないため、$x=0$ で極大でも極小でもない。

(5)

「$A$ かつ $B$」の否定は「(not $A$) または (not $B$)」である(ド・モルガンの法則)。 「$x=0$ かつ $y=0$」の否定は、「$x \neq 0$ または $y \neq 0$」となる。

解説

本問は全般的に、公式の単純な適用ミスや、数学的な条件の「必要十分性」に関する正確な理解を問うている。

答え

(1)

判定:× 訂正:$\frac{242}{5}$

(2)

判定:○

(3)

判定:× 訂正:$n=3, 4, 6$

(4)

判定:× 訂正:極大または極小になるとは限らない(または、極値をとるとは限らない)

(5)

判定:× 訂正:$x \neq 0$ または $y \neq 0$

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