東京大学 1967年 理系 第6問 解説

方針・初手
「新しくつけられる番号が前もってつけられている番号に一致する」とは、カードを取り出した順番が、そのカードに書かれている元の数字と等しいということである。 9枚のうち「ちょうど5枚」が一致する確率を求めるため、まずはどの5枚が一致するかを選び、残りの4枚が「すべて一致しない(完全順列となる)」ように並ぶ場合の数を考える。
解法1
9枚のカードの取り出し方の総数は $9!$ 通りであり、これらは同様に確からしい。
新しくつけられる番号が前もってつけられている番号に一致するカードがちょうど5枚となるような並べ方を考える。 まず、番号が一致する5枚のカードの選び方は ${}_9\mathrm{C}_{5}$ 通りある。
次に、選ばれなかった残りの4枚のカードについて考える。これら4枚は、どれも元の番号と新しい番号が一致してはならない。 一般性を失わず、この4枚の元の番号を $1, 2, 3, 4$ とし、新しい番号(順番)をそれぞれ $A, B, C, D$ とする。 条件を満たすのは、元の番号 $k$ が新しい番号 $K$ に対応しない(すなわち $1 \neq A, 2 \neq B, 3 \neq C, 4 \neq D$ となる)場合である。 元の番号1の新しい番号 $A$ は $2, 3, 4$ のいずれかである。
(i)
$A=2$ の場合
元の番号2の新しい番号 $B$ は $1, 3, 4$ のいずれかである。
- $B=1$ のとき、残りは $C, D$ に $3, 4$ を割り当てるが、条件を満たすのは $C=4, D=3$ の1通り。
- $B=3$ のとき、残りは $C, D$ に $1, 4$ を割り当てるが、条件を満たすのは $C=4, D=1$ の1通り。
- $B=4$ のとき、残りは $C, D$ に $1, 3$ を割り当てるが、条件を満たすのは $C=1, D=3$ の1通り。
よって、$A=2$ となる割り当て方は $1+1+1=3$ 通りである。
(ii)
$A=3, 4$ の場合
$A=2$ の場合と同様に、それぞれ3通りずつある。
したがって、残りの4枚のカードがすべて一致しない並べ方の総数は
$$ 3+3+3=9 \text{ (通り)} $$
となる。
以上より、一致するカードがちょうど5枚となるような並べ方の総数は
$$ {}_9\mathrm{C}_{5} \times 9 \text{ (通り)} $$
である。
求める確率は
$$ \frac{{}_9\mathrm{C}_{5} \times 9}{9!} = \frac{\frac{9!}{5!4!} \times 9}{9!} = \frac{9}{5!4!} = \frac{9}{120 \times 24} = \frac{3}{120 \times 8} = \frac{1}{320} $$
となる。
解説
「自分自身の番号と一致しない並べ方」の総数を求める問題であり、完全順列(攪乱順列、あるいはモンモール数とも呼ばれる)の典型的な応用である。 $n$ 個の要素の完全順列の数を $W_n$ とすると、$W_1=0, W_2=1, W_3=2, W_4=9, W_5=44, \dots$ となることが知られている。 本問では残りの4枚が完全順列となるため、$W_4=9$ 通りとなる。この数はそれほど大きくないため、公式を知らなくても解法1のように樹形図や場合分けを考えることで容易かつ正確に求めることができる。 また、確率の計算においては ${}_n\mathrm{C}_{r} = \frac{n!}{r!(n-r)!}$ の定義式を用いると、分母の $9!$ とうまく約分でき、計算の手間やミスを減らすことができる。
答え
$$ \frac{1}{320} $$
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