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東京大学 1970年 理系 第2問 解説

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東京大学 1970年 理系 第2問 解説

方針・初手

解法1

$n$ 回貨幣を投げたとき、表が $k$ 回($0 \le k \le n$、$k$ は整数)出たとすると、裏は $n-k$ 回出る。

このときの点 $x$ の座標は、

$$ x = 1 \cdot k + (-1) \cdot (n-k) = 2k - n $$

となる。また、この座標にいる確率は、反復試行の確率より

$$ {}_n\mathrm{C}_{k} \left(\frac{1}{2}\right)^k \left(\frac{1}{2}\right)^{n-k} = \frac{{}_n\mathrm{C}_{k}}{2^n} $$

である。

(1)

$n=4$ のとき、$x = 2k - 4$ より

$$ 2k = x + 4 \iff k = \frac{x}{2} + 2 $$

となる。$k$ は $0 \le k \le 4$ の整数であるから、$x$ は偶数でなければならない。

よって、$x = \pm 1, \pm 3$ にいる確率は $0$ である。

$x$ が偶数のとき、それぞれ対応する $k$ を求め、確率を計算する。

$x=4$ のとき、$k=4$ であり、確率は

$$ \frac{{}_4\mathrm{C}_{4}}{2^4} = \frac{1}{16} $$

$x=2$ のとき、$k=3$ であり、確率は

$$ \frac{{}_4\mathrm{C}_{3}}{2^4} = \frac{4}{16} = \frac{1}{4} $$

$x=0$ のとき、$k=2$ であり、確率は

$$ \frac{{}_4\mathrm{C}_{2}}{2^4} = \frac{6}{16} = \frac{3}{8} $$

$x=-2$ のとき、$k=1$ であり、確率は

$$ \frac{{}_4\mathrm{C}_{1}}{2^4} = \frac{4}{16} = \frac{1}{4} $$

$x=-4$ のとき、$k=0$ であり、確率は

$$ \frac{{}_4\mathrm{C}_{0}}{2^4} = \frac{1}{16} $$

(2)

$n$ 回くりかえしたとき、$x=n-2$ にいる確率について考える。

$x = 2k - n = n - 2$ より、

$$ 2k = 2n - 2 \iff k = n - 1 $$

$k$ は $0 \le k \le n$ の整数であるから、$n \ge 1$ のとき $k=n-1$ となるような $k$ が存在する。

このときの確率は、

$$ \frac{{}_n\mathrm{C}_{n-1}}{2^n} = \frac{n}{2^n} $$

となる。($n=0$ のときは $k=-1$ となり不適であるため確率は $0$ となるが、上の式に $n=0$ を代入すると $0$ となり一致する)

次に、$x=n-4$ にいる確率について考える。

$x = 2k - n = n - 4$ より、

$$ 2k = 2n - 4 \iff k = n - 2 $$

$k$ は $0 \le k \le n$ の整数であるから、$n \ge 2$ のとき $k=n-2$ となるような $k$ が存在する。

このときの確率は、

$$ \frac{{}_n\mathrm{C}_{n-2}}{2^n} = \frac{\frac{n(n-1)}{2}}{2^n} = \frac{n(n-1)}{2^{n+1}} $$

となる。($n=1$ のときは $k=-1$ となり不適であるため確率は $0$ となるが、上の式に $n=1$ を代入すると $0$ となり一致する)

解説

反復試行の確率と点の移動(ランダムウォーク)を組み合わせた典型的な問題である。

「表が出た回数」を変数 $k$ とおき、最終的な座標 $x$ を $k$ の式で表すことが最初の重要なステップとなる。座標 $x$ から逆算して $k$ を求め、それが $0 \le k \le n$ の整数になるかを判定することで、特定の座標に到達可能かどうかが分かる。

(1) で奇数の座標にいる確率が $0$ になるのも、このことから論理的に導かれる。(2) では $n-2$ や $n-4$ といった文字式で座標が与えられるが、方針は(1)と全く同じであり、$x$ に代入して $k$ を $n$ で表せばよい。組合せの記号 ${}_n\mathrm{C}_{r}$ の定義域($n \ge r \ge 0$)を意識し、$n \ge 1$ や $n \ge 2$ などの条件を丁寧に確認することが大切である。

答え

(1)

$x=0$ にいる確率: $\frac{3}{8}$ $x=\pm1$ にいる確率: $0$ $x=\pm2$ にいる確率: $\frac{1}{4}$ $x=\pm3$ にいる確率: $0$ $x=\pm4$ にいる確率: $\frac{1}{16}$

(2)

$x=n-2$ にいる確率: $\frac{n}{2^n}$ $x=n-4$ にいる確率: $\frac{n(n-1)}{2^{n+1}}$

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