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東京大学 1981年 理系 第2問 解説

数学A/確率数学B/確率分布・統計的推測数学A/場合の数数学1/図形計量テーマ/面積・体積
東京大学 1981年 理系 第2問 解説

方針・初手

正六角形の頂点から3回独立に点を選ぶ反復試行(復元抽出)と解釈する。「2つ以上が一致するような3点がえらばれたときは、三角形の面積は0」という条件から、全事象を $6^3$ 通りとした上で、3点がすべて異なる場合(非復元抽出となる場合)の三角形の形状と面積、およびその出現回数を分類して期待値を計算する。

解法1

6つの頂点から独立に3点を選ぶ方法の総数は、$6^3 = 216$ 通りであり、これらは同様に確からしい。

選んだ3点のうち、2点以上が一致する場合は問題の条件より面積は $0$ である。 したがって、3点がすべて異なる場合についてのみ面積を計算すればよい。

異なる3点の選び方は $_6\mathrm{P}_3 = 120$ 通りある。このとき作られる三角形は、その形状から以下の3種類に分類できる。正六角形の外接円の半径が $1$ であることを用いて、それぞれの面積と出現する順列の数を求める。

(i) 正三角形になる場合

頂点の間隔が2つずつ離れている場合である。 三角形の組合せは $\{A_1, A_3, A_5\}, \{A_2, A_4, A_6\}$ の $2$ 通りある。 1辺の長さは $\sqrt{3}$ であるから、その面積 $S_1$ は

$$ S_1 = \frac{1}{2} \cdot \sqrt{3} \cdot \sqrt{3} \cdot \sin 60^\circ = \frac{3\sqrt{3}}{4} $$

である。 3点の順列を考慮すると、その選び方は $2 \times 3! = 12$ 通りである。

(ii) 直角三角形になる場合

一番長い辺が外接円の直径となる場合である。 直径となる頂点の組は $\{A_1, A_4\}, \{A_2, A_5\}, \{A_3, A_6\}$ の $3$ 通りある。 残りの1点の選び方は、選んだ直径の端点以外の $4$ 通りであるから、三角形の組合せは $3 \times 4 = 12$ 通りある。 この直角三角形の3辺の長さは $1, \sqrt{3}, 2$ であるから、その面積 $S_2$ は

$$ S_2 = \frac{1}{2} \cdot 1 \cdot \sqrt{3} = \frac{\sqrt{3}}{2} $$

である。 3点の順列を考慮すると、その選び方は $12 \times 3! = 72$ 通りである。

(iii) 二等辺三角形になる場合

(i) 以外の二等辺三角形であり、隣り合う3頂点を選ぶ場合である。 中央の頂点の選び方が $6$ 通りあるため、三角形の組合せも $6$ 通りある。 この三角形は、長さ $1$ の等しい2辺とその間の角 $120^\circ$ を持つため、その面積 $S_3$ は

$$ S_3 = \frac{1}{2} \cdot 1 \cdot 1 \cdot \sin 120^\circ = \frac{\sqrt{3}}{4} $$

である。 3点の順列を考慮すると、その選び方は $6 \times 3! = 36$ 通りである。

(i) 〜 (iii) の選び方の総和は $12 + 72 + 36 = 120$ 通りとなり、すべて網羅できていることが確認できる。

以上より、三角形の面積の期待値 $E$ は、定義に従って計算すると

$$ \begin{aligned} E &= \frac{1}{216} \left( 12 \cdot S_1 + 72 \cdot S_2 + 36 \cdot S_3 \right) \\ &= \frac{1}{216} \left( 12 \cdot \frac{3\sqrt{3}}{4} + 72 \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} + 36 \cdot \frac{\sqrt{3}}{4} \right) \\ &= \frac{1}{216} \left( 9\sqrt{3} + 36\sqrt{3} + 9\sqrt{3} \right) \\ &= \frac{54\sqrt{3}}{216} \\ &= \frac{\sqrt{3}}{4} \end{aligned} $$

となる。

解説

「無作為に選んだ3点」「2つ以上が一致するとき」という問題文の表現から、1回の選択ごとに確率 $\frac{1}{6}$ でいずれかの頂点を選ぶ反復試行(重複順列による $216$ 通りの全事象)を想定していると読み取ることが最大のポイントである。

円に内接する正多角形から頂点を選んで作られる三角形の分類は頻出テーマである。正六角形の場合は、正三角形、直角三角形、頂角が鈍角の二等辺三角形の3パターンしか存在しない。分類漏れがないか、組合せの総数(ここでは ${}_{6}\mathrm{C}_{3} = 20$ 通り)と一致するかを試験中に確認することで、計算ミスを防ぐことができる。

答え

$$ \frac{\sqrt{3}}{4} $$

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