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東京大学 2004年 理系 第2問 解説

数学A/整数問題テーマ/整数の証明テーマ/場合分け
東京大学 2004年 理系 第2問 解説

方針・初手

平方数の下位の桁に注目し、条件を絞り込んでいく問題である。 (1)では、自然数を $10y+x$ ($x$ は1の位の数)と表し、2乗した際の下2桁が $x$ だけでほぼ決定されることを利用する。 (2)では、(1)の結論を利用することで、下4桁の候補が $0000$ または $4444$ に絞られる。その後、平方数を特定の数で割った余り(平方剰余)を考えることで、$4444$ で終わる平方数が存在しないことを背理法で示す。

解法1

(1)

自然数 $N$ を $N = 10y + x$ ($x, y$ は整数で、$0 \le x \le 9, y \ge 1$)とおく。 $N$ の平方 $N^2$ は次のように展開できる。

$$ N^2 = (10y+x)^2 = 100y^2 + 20xy + x^2 $$

ここで、$100y^2$ は $100$ の倍数であるため、$N^2$ の下2桁は $20xy + x^2$ の下2桁に等しい。 $x^2$ を $10$ で割った商を $q$、余りを $r$ とすると、$x^2 = 10q + r$ ($0 \le r \le 9$)と表せる。 このとき、

$$ 20xy + x^2 = 20xy + 10q + r = 10(2xy + q) + r $$

となる。 $N^2$ の10の位の数を $a$、1の位の数を $b$ とすると、$b$ は $r$ に等しく、$a$ の偶奇は $2xy + q$ の偶奇に等しい。 $2xy$ は偶数であるため、$a$ の偶奇は $q$ の偶奇に一致する。 したがって、$a+b$ の偶奇は $q+r$ の偶奇に一致する。 $x = 0, 1, \dots, 9$ について $x^2 = 10q+r$ を計算し、$q+r$ の偶奇を調べる。

以上より、$q+r$ すなわち $a+b$ が偶数となるのは $x=0, 2, 8$ のときであり、そのとき常に $r=0$ または $r=4$ である。 $b=r$ であるため、$b$ は $0$ または $4$ であることが示された。

(2)

5桁以上の平方数を $M^2$ とし、その下4桁(1000の位から1の位までの数)がすべて同じ数字 $c$ ($0 \le c \le 9$)であるとする。 このとき、$M^2$ の10の位と1の位も $c$ であるため、(1)における $a, b$ がともに $c$ である場合に相当する。 $a+b = c+c = 2c$ となり、これは常に偶数である。 (1)の結果から、$a+b$ が偶数ならば1の位 $b$ は $0$ または $4$ であるため、$c = 0$ または $c = 4$ でなければならない。

(i)

$c = 0$ のとき

$M^2$ の下4桁は $0000$ となる。 これは $M^2$ が $10000$ の倍数であることを意味し、$10000$ で割り切れる。

(ii)

$c = 4$ のとき

$M^2$ の下4桁は $4444$ となる。 すなわち、$M^2$ はある非負整数 $k$ を用いて

$$ M^2 = 10000k + 4444 $$

と表せる。右辺は偶数であるため $M$ は偶数である。 $M = 2m$ ($m$ は整数)とおき、両辺を $4$ で割ると、

$$ 4m^2 = 10000k + 4444 $$

$$ m^2 = 2500k + 1111 $$

となる。ここで右辺を $4$ で割った余りを考えると、

$$ 2500k + 1111 = 4(625k + 277) + 3 $$

より、$m^2 \equiv 3 \pmod 4$ である。 一方で、任意の整数 $m$ を $4$ で割った余りは $0, 1, 2, 3$ のいずれかであり、それぞれの平方を $4$ で割った余りは

となるため、整数の平方を $4$ で割った余りは $0$ または $1$ のいずれかに限られる。 これは $m^2 \equiv 3 \pmod 4$ であることに矛盾する。 よって、$c=4$ となる平方数は存在しない。

(i)、(ii)より、条件を満たす平方数の下4桁は $0000$ に限られ、その平方数は $10000$ で割り切れることが示された。

解説

合同式や剰余を用いて平方数の性質(平方剰余)を絞り込む典型的な整数問題である。 (1)では、平方数の下位桁がどのように決まるかを文字式で展開し、偶奇に注目して丁寧に調べ上げることが求められる。 (2)では、(1)を誘導として利用し、下位桁の候補を $0000$ と $4444$ に絞り込む。その後、$4444$ で終わる平方数が存在しないことを、平方数を法 $4$ で割った余りを考えることで矛盾を導く手法が簡明である。

答え

(1)

$a+b$ が偶数ならば、1の位の数 $b$ は $0$ または $4$ である。

(2)

下4桁がすべて同じである5桁以上の平方数の下4桁は $0000$ に限られる。したがって、その平方数は $10000$ で割り切れる。

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