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北海道大学 1961年 文系 第2問 解説

数学A/整数問題数学1/方程式不等式テーマ/場合分け
北海道大学 1961年 文系 第2問 解説

方針・初手

連立方程式から定数 $a$ を消去して $x, y$ の不定方程式に帰着させるか、逆に $x, y$ を $a$ で表して整数条件を考える方針が有効である。いずれにせよ、方程式が実数解(あるいは有理数解)をもつための「判別式 $\ge 0$」や「判別式が平方数となる」という条件に持ち込んで候補を絞り込む。

解法1

(イ) より、$ay = 2 - 2x$ と変形できる。

ここで $y = 0$ と仮定すると、$2x = 2$ より $x = 1$ となる。 これを (ロ) に代入すると、$a + 2 = a + 6$ となり $2 = 6$ の矛盾が生じる。 したがって $y \neq 0$ であり、$a = \frac{2 - 2x}{y}$ と表せる。

これを (ロ) に代入すると、以下のようになる。

$$ \left(\frac{2 - 2x}{y} + 2\right)x - y = \frac{2 - 2x}{y} + 6 $$

両辺に $y$ を掛けて整理する。

$$ (2 - 2x + 2y)x - y^2 = 2 - 2x + 6y $$

$$ 2x - 2x^2 + 2xy - y^2 = 2 - 2x + 6y $$

$$ 2x^2 - 2(y + 2)x + (y^2 + 6y + 2) = 0 $$

これを $x$ についての2次方程式とみる。 $x$ は実数であるから、判別式を $D$ とすると $D \ge 0$ でなければならない。

$$ \frac{D}{4} = (y + 2)^2 - 2(y^2 + 6y + 2) = -y^2 - 8y \ge 0 $$

$$ y(y + 8) \le 0 $$

$y$ は整数であるから、$-8 \le y \le 0$ である。 さらに $y \neq 0$ より、$-8 \le y \le -1$ に絞られる。

また、$x$ は有理数(整数)であるから、判別式 $-y^2 - 8y$ の値は平方数(ある整数の2乗)でなければならない。 各 $y$ の値について $-y^2 - 8y$ の値を調べると、以下のようになる。

よって、$-y^2 - 8y$ が平方数となるのは $y = -4, -8$ のときのみである。

(i) $y = -4$ のとき

$x$ についての方程式は $2x^2 + 4x - 6 = 0$ となり、$x^2 + 2x - 3 = 0$ と整理できる。 $(x + 3)(x - 1) = 0$ より、$x = -3, 1$ となり、いずれも整数として適する。 $a = \frac{2 - 2x}{y}$ に代入すると、 $x = -3$ のとき、$a = \frac{8}{-4} = -2$ $x = 1$ のとき、$a = \frac{0}{-4} = 0$

(ii) $y = -8$ のとき

$x$ についての方程式は $2x^2 + 12x + 18 = 0$ となり、$x^2 + 6x + 9 = 0$ と整理できる。 $(x + 3)^2 = 0$ より、$x = -3$ となり、整数として適する。 $a = \frac{2 - 2x}{y}$ に代入すると、 $x = -3$ のとき、$a = \frac{8}{-8} = -1$

以上より、求める $a$ の値は $a = -2, -1, 0$ である。

解法2

(イ) に $(a + 2)$ を掛け、(ロ) に $2$ を掛けて引くことで $x$ を消去する。

$$ a(a + 2)y + 2y = 2(a + 2) - 2(a + 6) $$

$$ (a^2 + 2a + 2)y = -8 $$

ここで $a^2 + 2a + 2 = (a + 1)^2 + 1 \ge 1$ であるから、$a^2 + 2a + 2 \neq 0$ となり、次のように書ける。

$$ y = \frac{-8}{a^2 + 2a + 2} $$

同様に (イ) と (ロ) $\times a$ の和から $y$ を消去して $x$ を求めると、次のように書ける。

$$ x = \frac{a^2 + 6a + 2}{a^2 + 2a + 2} = 1 + \frac{4a}{a^2 + 2a + 2} $$

解法1で示した通り、$y = 0$ とすると矛盾が生じるため $y \neq 0$ であり、(イ) より $a = \frac{2 - 2x}{y}$ となる。 $x, y$ は整数であるため、$a$ は有理数である。

$x - 1 = k$($k$ は整数)とおくと、$k = \frac{4a}{a^2 + 2a + 2}$ より以下の2次方程式が得られる。

$$ ka^2 + 2(k - 2)a + 2k = 0 $$

これが有理数 $a$ についての条件となる。

(i) $k = 0$ のとき

$-4a = 0$ より $a = 0$ となる。 このとき $x = 1$ であり、$y = \frac{-8}{0^2 + 0 + 2} = -4$ となるため、整数 $x, y$ が存在して適する。

(ii) $k \neq 0$ のとき

2次方程式が有理数解をもつため、判別式 $\frac{D}{4} = (k - 2)^2 - 2k^2 = -k^2 - 4k + 4$ は平方数でなければならない。 $m^2 = -k^2 - 4k + 4$($m$ は $0$ 以上の整数)とおき、平方完成する。

$$ k^2 + 4k + m^2 - 4 = 0 $$

$$ (k + 2)^2 + m^2 = 8 $$

平方数の和が $8$ になる整数の組は $(4, 4)$ しかないため、$(k + 2)^2 = 4$ かつ $m^2 = 4$ となる。 $k + 2 = \pm 2$ より $k = 0, -4$ を得るが、$k \neq 0$ であるから $k = -4$ に決まる。

$k = -4$ を方程式に代入すると、

$$ -4a^2 - 12a - 8 = 0 $$

$$ (a + 1)(a + 2) = 0 $$

よって $a = -1, -2$ となる。 $a = -1$ のとき $y = \frac{-8}{1 - 2 + 2} = -8$(整数) $a = -2$ のとき $y = \frac{-8}{4 - 4 + 2} = -4$(整数) これらはいずれも適する。

以上より、求める $a$ の値は $a = -2, -1, 0$ である。

解説

2変数の連立方程式から整数解をもつ条件を問う問題である。 解法1のように文字 $a$ を消去し、$x, y$ の不定方程式に帰着させてから「2次方程式が実数解(有理数解)をもつ条件」として判別式を活用するのが確実で典型的な処理である。 解法2のように $x, y$ を求めてから整数条件を考えることも可能だが、その場合は $a$ が有理数であることの論証が必要になる点に注意したい。

答え

$a = -2, -1, 0$

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