北海道大学 2011年 文系 第1問 解説

方針・初手
(1) は基本的な2次不等式を解き、その範囲に含まれる整数を拾い上げる問題である。
(2) は(1)の結果を利用する。$[x]$ は整数であるから、(1)における $n$ を $[x]$ に置き換えて考えればよい。その後、ガウス記号の定義に基づいて $x$ の範囲を求める。
(3) は(2)で求めた $x$ の範囲に基づき、$[x]$ の値で場合分けをして与えられた方程式を解く。解が各場合分けにおける $x$ の条件を満たすかの確認を怠らないことが重要である。
解法1
(1)
2次方程式 $n^2 - 5n + 5 = 0$ の解は、解の公式より
$$ n = \frac{5 \pm \sqrt{5^2 - 4 \cdot 1 \cdot 5}}{2} = \frac{5 \pm \sqrt{5}}{2} $$
である。したがって、不等式 $n^2 - 5n + 5 < 0$ の解は
$$ \frac{5 - \sqrt{5}}{2} < n < \frac{5 + \sqrt{5}}{2} $$
となる。ここで、$2 < \sqrt{5} < 3$ であるから、
$$ \frac{5 - 3}{2} < \frac{5 - \sqrt{5}}{2} < \frac{5 - 2}{2} \iff 1 < \frac{5 - \sqrt{5}}{2} < 1.5 $$
$$ \frac{5 + 2}{2} < \frac{5 + \sqrt{5}}{2} < \frac{5 + 3}{2} \iff 3.5 < \frac{5 + \sqrt{5}}{2} < 4 $$
が成り立つ。よって、不等式を満たす整数 $n$ は
$$ n = 2, 3 $$
である。
(2)
$[x]$ は整数であるから、(1)の結果において $n = [x]$ とすると、$[x]^2 - 5[x] + 5 < 0$ を満たす整数 $[x]$ は
$$ [x] = 2, 3 $$
となる。ガウス記号の定義より、各々の場合の実数 $x$ の範囲は以下のようになる。
$[x] = 2$ のとき、$2 \leqq x < 3$ である。
$[x] = 3$ のとき、$3 \leqq x < 4$ である。
これらの範囲を合わせると、求める実数 $x$ の範囲は
$$ 2 \leqq x < 4 $$
である。
(3)
(2)で求めた範囲から、$[x] = 2$ または $[x] = 3$ の2つの場合について考える。
(i) $[x] = 2$ すなわち $2 \leqq x < 3$ のとき
与えられた方程式 $x^2 - 5[x] + 5 = 0$ は、
$$ x^2 - 5 \cdot 2 + 5 = 0 $$
$$ x^2 = 5 $$
これを解くと $x = \pm \sqrt{5}$ となる。
ここで、$2 = \sqrt{4} < \sqrt{5} < \sqrt{9} = 3$ より、$2 < \sqrt{5} < 3$ であるから、$x = \sqrt{5}$ は条件 $2 \leqq x < 3$ を満たす。一方、$x = -\sqrt{5}$ は条件を満たさない。
したがって、
$$ x = \sqrt{5} $$
(ii) $[x] = 3$ すなわち $3 \leqq x < 4$ のとき
与えられた方程式 $x^2 - 5[x] + 5 = 0$ は、
$$ x^2 - 5 \cdot 3 + 5 = 0 $$
$$ x^2 = 10 $$
これを解くと $x = \pm \sqrt{10}$ となる。
ここで、$3 = \sqrt{9} < \sqrt{10} < \sqrt{16} = 4$ より、$3 < \sqrt{10} < 4$ であるから、$x = \sqrt{10}$ は条件 $3 \leqq x < 4$ を満たす。一方、$x = -\sqrt{10}$ は条件を満たさない。
したがって、
$$ x = \sqrt{10} $$
以上 (i)、(ii) より、求める $x$ は $x = \sqrt{5}, \sqrt{10}$ である。
解説
ガウス記号を含む方程式・不等式の典型問題である。$[x]$ が「整数である」という性質を活かして、まずは $[x]$ を1つの文字の塊と見なして値(または範囲)を絞り込むのが定石である。
(1)は単なる2次不等式だが、無理数 $\sqrt{5}$ のおおよその値($2 < \sqrt{5} < 3$)を用いて、不等式の解の範囲に含まれる整数を正確に見つける必要がある。
(2)は(1)の誘導に乗る形となる。$[x] = k$ $\iff$ $k \leqq x < k+1$ ($k$ は整数)というガウス記号の定義に忠実に従って立式すればよい。
(3)は、場合分けを行って方程式を解いた後、得られた $x$ の値が「その場合分けの前提条件(定義域)」を満たすかを吟味する手順が重要である。この確認を怠ると不適な解を答えてしまうことになるため、論述の際には平方根の大小関係の評価をしっかり記述するとよい。
答え
(1) $n = 2, 3$
(2) $2 \leqq x < 4$
(3) $x = \sqrt{5}, \sqrt{10}$
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