北海道大学 1966年 文系 第1問 解説

方針・初手
与えられた2つ目の条件式 $8x^3 + 27y^3 + 125z^3 - 90xyz = 0$ を、因数分解の公式 $A^3+B^3+C^3-3ABC=(A+B+C)(A^2+B^2+C^2-AB-BC-CA)$ を用いて変形する。得られた条件と $5x+4y+2z=0$ を連立させて $x, y, z$ の関係を導く。
解法1
(1)
与えられた2つ目の等式は次のように変形できる。
$$ (2x)^3 + (3y)^3 + (5z)^3 - 3(2x)(3y)(5z) = 0 $$
因数分解の公式 $A^3+B^3+C^3-3ABC=(A+B+C)(A^2+B^2+C^2-AB-BC-CA)$ を用いると、次のように因数分解できる。
$$ (2x+3y+5z)(4x^2+9y^2+25z^2-6xy-15yz-10zx) = 0 $$
ここで、第2因数は次のように変形できる。
$$ \frac{1}{2} \{ (2x-3y)^2 + (3y-5z)^2 + (5z-2x)^2 \} $$
したがって、等式が成り立つための条件は以下のいずれかである。
(i) $2x-3y=0$ かつ $3y-5z=0$ かつ $5z-2x=0$、すなわち $2x = 3y = 5z$ のとき
$2x = 3y = 5z = 30k$ ($k$ は実数) とおくと、$x = 15k, y = 10k, z = 6k$ と表せる。
これをもう1つの条件式 $5x+4y+2z=0$ に代入する。
$$ 5(15k) + 4(10k) + 2(6k) = 0 $$
$$ 127k = 0 $$
これより $k = 0$ となるが、$k=0$ のとき $x=y=z=0$ となり、これは問題の条件 $xyz \neq 0$ に反する。よってこの場合は不適である。
(ii) $2x + 3y + 5z = 0$ のとき
条件式 $5x+4y+2z=0$ と連立させる。
$$ \begin{cases} 2x + 3y + 5z = 0 \\ 5x + 4y + 2z = 0 \end{cases} $$
$z$ を消去するため、第1式の2倍から第2式の5倍を引く。
$$ (4x + 6y + 10z) - (25x + 20y + 10z) = 0 $$
$$ -21x - 14y = 0 $$
$$ y = -\frac{3}{2}x $$
これを第1式に代入する。
$$ 2x + 3\left(-\frac{3}{2}x\right) + 5z = 0 $$
$$ -\frac{5}{2}x + 5z = 0 $$
$$ z = \frac{1}{2}x $$
以上より、$x : y : z = x : -\frac{3}{2}x : \frac{1}{2}x$ となる。
$xyz \neq 0$ より $x \neq 0$ であるから、各項を $x$ で割り、さらに2倍することで簡単な整数比にする。
$$ x : y : z = 1 : -\frac{3}{2} : \frac{1}{2} = 2 : -3 : 1 $$
このとき $y \neq 0$ かつ $z \neq 0$ であるため、$xyz \neq 0$ を満たす。
(2)
(1) の結果より、$k$ を $0$ でない実数として、$x = 2k, y = -3k, z = k$ とおける。
これを求める式の真数部分に代入する。
$$ \frac{xy + yz + zx}{x^2 + y^2 + z^2} = \frac{2k(-3k) + (-3k)k + k(2k)}{(2k)^2 + (-3k)^2 + k^2} $$
$$ = \frac{-6k^2 - 3k^2 + 2k^2}{4k^2 + 9k^2 + k^2} $$
$$ = \frac{-7k^2}{14k^2} $$
$k \neq 0$ より $k^2 \neq 0$ であるから、分母分子を $k^2$ で割る。
$$ = -\frac{1}{2} $$
したがって、求める対数の値は次のようになる。
$$ \log_8 \left| -\frac{1}{2} \right| = \log_8 \frac{1}{2} $$
底の変換公式より、
$$ \log_8 \frac{1}{2} = \frac{\log_2 2^{-1}}{\log_2 2^3} = \frac{-1}{3} = -\frac{1}{3} $$
解説
$A^3+B^3+C^3-3ABC$ の因数分解は難関大入試で頻出のテーマである。式を見た瞬間にこの公式の形であることを見抜けるようにしておきたい。因数分解後の第2因数が $A=B=C$ の条件になることの証明(平方完成の和への変形)も自力で導出できるようにしておくこと。また、本問では $xyz \neq 0$ の条件が、場合分けの棄却や、比を求める際の $x \neq 0$ の保証として論理的に重要な役割を果たしている点に注意する。
答え
(1) $x : y : z = 2 : -3 : 1$
(2) $-\frac{1}{3}$
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