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北海道大学 1971年 文系 第3問 解説

数学B/数列数学3/極限テーマ/整式の証明
北海道大学 1971年 文系 第3問 解説

方針・初手

与えられた $f(x)=x^m$ を $S_k$ の定義式に代入し、シグマの計算ができるように式を整理する。

その後、公比の条件に注意しながら等比数列の和の公式を用いて有限和を計算し、極限 $n \to \infty$ をとって無限等比級数の和を求める。最後に $r \to 1$ の極限を計算するが、そのまま代入すると $\frac{0}{0}$ の不定形となるため、因数分解による約分を利用して不定形を解消する。

解法1

$f(x) = x^m$ より、$S_k$ は次のように計算できる。

$$ S_k = (ar^{k-1})^m (ar^{k-1} - ar^k) $$

$$ S_k = a^m r^{m(k-1)} \cdot a r^{k-1}(1 - r) $$

$$ S_k = a^{m+1}(1 - r) r^{(m+1)(k-1)} $$

これを両辺 $k=1$ から $n$ まで足し合わせると、以下のようになる。

$$ \sum_{k=1}^n S_k = \sum_{k=1}^n a^{m+1}(1 - r) r^{(k-1)(m+1)} $$

$$ \sum_{k=1}^n S_k = a^{m+1}(1 - r) \sum_{k=1}^n r^{(k-1)(m+1)} $$

したがって、1つ目の空欄に入る式は $a^{m+1}(1 - r)$ である。

次に、$\sum_{k=1}^n r^{(k-1)(m+1)}$ の計算を行う。これは初項 $1$、公比 $r^{m+1}$、項数 $n$ の等比数列の和である。

条件より $0 < r < 1$ であり、$m$ は正の整数であるから、$0 < r^{m+1} < 1$ が成り立つ。公比が $1$ ではないため、等比数列の和の公式を用いることができる。

$$ \sum_{k=1}^n r^{(k-1)(m+1)} = \frac{1 - (r^{m+1})^n}{1 - r^{m+1}} $$

$$ \sum_{k=1}^n r^{(k-1)(m+1)} = \frac{1 - r^{n(m+1)}}{1 - r^{m+1}} $$

したがって、2つ目の空欄に入る式は $\frac{1 - r^{n(m+1)}}{1 - r^{m+1}}$ である。

求めた式を①に代入して無限級数の和を求める。

$$ \sum_{k=1}^n S_k = a^{m+1}(1 - r) \frac{1 - r^{n(m+1)}}{1 - r^{m+1}} $$

$n \to \infty$ としたときの極限を考える。$0 < r^{m+1} < 1$ であるから、$r^{n(m+1)} \to 0$ となる。

$$ \sum_{k=1}^\infty S_k = \lim_{n \to \infty} \sum_{k=1}^n S_k $$

$$ \sum_{k=1}^\infty S_k = a^{m+1}(1 - r) \frac{1 - 0}{1 - r^{m+1}} $$

$$ \sum_{k=1}^\infty S_k = a^{m+1} \cdot \frac{1 - r}{1 - r^{m+1}} $$

したがって、3つ目の空欄に入る式は $\frac{1 - r}{1 - r^{m+1}}$ である。

最後に、この和について $r \to 1$ の極限を求める。分母の $1 - r^{m+1}$ を因数分解すると不定形を解消できる。

$$ 1 - r^{m+1} = (1 - r)(1 + r + r^2 + \cdots + r^m) $$

これを用いて式を変形する。

$$ \sum_{k=1}^\infty S_k = a^{m+1} \cdot \frac{1 - r}{(1 - r)(1 + r + r^2 + \cdots + r^m)} $$

$r \neq 1$ であるから、分子と分母を $1 - r$ で割ることができる。

$$ \sum_{k=1}^\infty S_k = a^{m+1} \cdot \frac{1}{1 + r + r^2 + \cdots + r^m} $$

この式において $r \to 1$ とすると、分母の各項は $1$ に収束し、項数は $m+1$ 個であるから、分母全体は $m+1$ に収束する。

$$ \lim_{r \to 1} \sum_{k=1}^\infty S_k = a^{m+1} \cdot \frac{1}{\underbrace{1 + 1 + 1 + \cdots + 1}_{m+1 \text{個}}} $$

$$ \lim_{r \to 1} \sum_{k=1}^\infty S_k = \frac{a^{m+1}}{m+1} $$

したがって、4つ目の空欄に入る式は $\frac{a^{m+1}}{m+1}$ である。

解説

等比数列の和、無限等比級数、および極限計算の基本的な変形を問う問題である。$1 - r^{m+1}$ の因数分解は、数学IIや数学IIIの極限計算において頻出の処理であるため、確実に実行できるようにしておきたい。

また、本問の背景にあるのは定積分の定義(リーマン積分)である。関数 $f(x)=x^m$ と $x$ 軸、および直線 $x=a$ で囲まれた図形の面積を求める際、区間 $[0, a]$ を分点 $x_k = ar^{n-k}$ を用いて等比的に分割し、長方形の面積の和として近似してから、極限をとるという操作を行っている。結果が $\int_0^a x^m \,dx = \frac{a^{m+1}}{m+1}$ と一致することは、計算結果の妥当性を確認する一つの目安となる。

答え

1つ目の空欄:$a^{m+1}(1 - r)$

2つ目の空欄:$\frac{1 - r^{n(m+1)}}{1 - r^{m+1}}$

3つ目の空欄:$\frac{1 - r}{1 - r^{m+1}}$

4つ目の空欄:$\frac{a^{m+1}}{m+1}$

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