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北海道大学 1972年 文系 第2問 解説

数学C/空間ベクトル数学1/立体図形テーマ/空間図形
北海道大学 1972年 文系 第2問 解説

方針・初手

座標軸上の3点が与えられていることから、平面 $ABC$ の方程式を $\frac{x}{a} + \frac{y}{b} + \frac{z}{c} = 1$ の形(切片形)で設定するのが最も見通しがよい。これにより、平面の法線ベクトルが直ちに得られる。 (1) は法線ベクトルどうしのなす角からアプローチする方法と、三垂線の定理を用いて二面角の定義から直接図形的に求める方法がある。 (2) は垂線 $OH$ が平面 $ABC$ の法線ベクトルと平行になることを利用する。

解法1

平面 $ABC$ は3点 $A(3, 0, 0)$, $B(0, 4, 0)$, $C(0, 0, 5)$ を通るので、その方程式は

$$ \frac{x}{3} + \frac{y}{4} + \frac{z}{5} = 1 $$

と表せる。両辺を $60$ 倍して整理すると、

$$ 20x + 15y + 12z = 60 $$

となる。したがって、平面 $ABC$ に垂直な法線ベクトルの一つとして、

$$ \vec{n} = (20, 15, 12) $$

をとることができる。

(1)

$xy$ 平面に垂直な法線ベクトルの一つとして $\vec{e_z} = (0, 0, 1)$ をとる。 平面 $ABC$ と $xy$ 平面のなす角 $\alpha$ $\left(0 \leqq \alpha \leqq \frac{\pi}{2}\right)$ は、2つの法線ベクトル $\vec{n}$ と $\vec{e_z}$ のなす角 $\theta$ ($0 \leqq \theta \leqq \pi$)に対して $\alpha = \theta$ または $\alpha = \pi - \theta$ を満たす。 したがって、$\cos \alpha = |\cos \theta|$ であり、

$$ \cos \alpha = \frac{|\vec{n} \cdot \vec{e_z}|}{|\vec{n}||\vec{e_z}|} $$

となる。ここで、

$$ \vec{n} \cdot \vec{e_z} = 20 \cdot 0 + 15 \cdot 0 + 12 \cdot 1 = 12 $$

$$ |\vec{n}| = \sqrt{20^2 + 15^2 + 12^2} = \sqrt{400 + 225 + 144} = \sqrt{769} $$

$$ |\vec{e_z}| = 1 $$

であるから、

$$ \cos \alpha = \frac{12}{\sqrt{769}} $$

$0 \leqq \alpha \leqq \frac{\pi}{2}$ より $\sin \alpha \geqq 0$ であるから、

$$ \sin \alpha = \sqrt{1 - \cos^2 \alpha} = \sqrt{1 - \frac{144}{769}} = \sqrt{\frac{625}{769}} = \frac{25}{\sqrt{769}} $$

よって、求める値は、

$$ \tan \alpha = \frac{\sin \alpha}{\cos \alpha} = \frac{25}{12} $$

(2)

点 $H$ は原点 $O$ から平面 $ABC$ に下ろした垂線の足であるから、ベクトル $\vec{OH} = (x, y, z)$ は平面 $ABC$ の法線ベクトル $\vec{n} = (20, 15, 12)$ に平行である。 したがって、実数 $k$ を用いて、

$$ \vec{OH} = k\vec{n} $$

と表せる。すなわち、

$$ (x, y, z) = k(20, 15, 12) = (20k, 15k, 12k) $$

点 $A, B, C$ は原点を通らない平面上にあるため、垂線の足 $H$ は原点と一致せず、$k \neq 0$ である。 よって、求める比は、

$$ x : y : z = 20k : 15k : 12k = 20 : 15 : 12 $$

解法2

(1)の別解

原点 $O$ から $xy$ 平面上の直線 $AB$ に下ろした垂線の足を $D$ とする。 直線 $CO$ は $xy$ 平面に垂直であり、直線 $OD$ は直線 $AB$ に垂直であるから、三垂線の定理より、直線 $CD$ も直線 $AB$ に垂直となる。

$$ CD \perp AB $$

平面 $ABC$ と $xy$ 平面の交線は直線 $AB$ であり、平面 $ABC$ 上の直線 $CD$ と $xy$ 平面上の直線 $OD$ はいずれも交線 $AB$ に垂直である。 したがって、平面 $ABC$ と $xy$ 平面のなす角 $\alpha$ は $\angle CDO$ に等しい。

$xy$ 平面上の $\triangle OAB$ は $\angle AOB = 90^\circ$ の直角三角形であり、$OA=3, OB=4$ であるから、

$$ AB = \sqrt{3^2+4^2} = 5 $$

である。$\triangle OAB$ の面積について、底辺と高さの取り方を変えることで、

$$ \frac{1}{2} \cdot OA \cdot OB = \frac{1}{2} \cdot AB \cdot OD $$

が成り立つので、

$$ 3 \cdot 4 = 5 \cdot OD $$

$$ OD = \frac{12}{5} $$

となる。$\triangle CDO$ は $\angle COD = 90^\circ$ の直角三角形であるから、

$$ \tan \alpha = \tan \angle CDO = \frac{CO}{OD} = \frac{5}{\frac{12}{5}} = \frac{25}{12} $$

解説

座標軸上の3点 $(a, 0, 0), (0, b, 0), (0, 0, c)$ (ただし $a, b, c$ は $0$ でない)を通る平面の方程式は $\frac{x}{a} + \frac{y}{b} + \frac{z}{c} = 1$ と表せる。この事実を知っていると、法線ベクトルを素早く求めることができ、(2) のような問題に即答できる。

(1) で用いた二つのアプローチはいずれも重要である。法線ベクトルの内積を利用する代数的な手法は、計算さえ間違えなければ確実に答えに辿り着ける汎用性がある。一方で、三垂線の定理を用いた幾何的な手法は、空間図形における二面角の定義そのものを視覚的に捉えるものであり、計算量も少なく済むメリットがある。

答え

(1)

$$ \tan \alpha = \frac{25}{12} $$

(2)

$$ x : y : z = 20 : 15 : 12 $$

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