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北海道大学 1998年 文系 第4問 解説

数学C/複素数平面数学C/式と曲線テーマ/軌跡・領域テーマ/図形総合
北海道大学 1998年 文系 第4問 解説

方針・初手

(1) 点 $P(z)$ が線分 $AB$ 上にあることから、$z$ を実数パラメータを用いて表す。$A$ と $B$ の座標から $z$ の実部が一定であることに着目し、$z = 1 + yi$ とおいて $z^2$ の実部と虚部の関係式を導く。

(2) $\triangle AQC$ が点 $Q$ を直角の頂点とする直角二等辺三角形になる条件を、複素数の回転を用いて定式化する。点 $C$ は点 $Q$ を中心に点 $A$ を $\pm \frac{\pi}{2}$ 回転した点である(またはその逆)、という関係を利用する。

解法1

(1)

点 $A, B$ はそれぞれ複素数 $1, 1+2i$ を表すので、線分 $AB$ 上を $A$ から $B$ まで動く点 $P(z)$ は、実数 $y$ を用いて次のように表せる。

$$ z = 1 + yi \quad (0 \le y \le 2) $$

このとき、$z^2$ は以下のようになる。

$$ z^2 = (1+yi)^2 = 1 - y^2 + 2yi $$

$z^2$ を表す点を $(X, Y)$ とおくと、$X, Y$ はそれぞれ実部と虚部であるから、次の関係が成り立つ。

$$ \begin{cases} X = 1 - y^2 \\ Y = 2y \end{cases} $$

第2式より $y = \frac{Y}{2}$ となり、これを第1式に代入する。

$$ X = 1 - \left(\frac{Y}{2}\right)^2 = -\frac{1}{4}Y^2 + 1 $$

また、$0 \le y \le 2$ であるから、$Y$ のとりうる値の範囲は $0 \le Y \le 4$ となる。 したがって、複素数 $z^2$ を表す点がえがく図形は、複素数平面上で実部を $X$、虚部を $Y$ としたとき、放物線 $X = -\frac{1}{4}Y^2 + 1$ の $0 \le Y \le 4$ の部分である。

(※図示について:頂点 $(1,0)$ 、端点 $(1,0), (-3,4)$ を結ぶ放物線の一部となる。本解説では図示を省略する。)

(2)

点 $A, C, Q$ はそれぞれ複素数 $1, 2i, w$ を表す。 $\triangle AQC$ が点 $Q$ を直角の頂点とする直角二等辺三角形になるとき、線分 $QA$ と線分 $QC$ は長さが等しく、直交する。 これは、点 $C$ が、点 $Q$ を中心として点 $A$ を $\pm \frac{\pi}{2}$ 回転した位置にあることを意味する。 これを複素数の式で表すと、以下のようになる。

$$ 2i - w = \left(\cos\left(\pm\frac{\pi}{2}\right) + i\sin\left(\pm\frac{\pi}{2}\right)\right)(1 - w) $$

すなわち、次の式が成り立つ。

$$ 2i - w = \pm i(1 - w) $$

複号によって場合分けを行う。

(i) $2i - w = i(1 - w)$ のとき

方程式を展開して整理する。

$$ 2i - w = i - iw $$

$$ (i-1)w = -i $$

両辺を $i-1$ で割り、分母を実数化する。

$$ w = \frac{-i}{-1+i} = \frac{-i(-1-i)}{(-1+i)(-1-i)} = \frac{i+i^2}{1^2+1^2} = \frac{-1+i}{2} = -\frac{1}{2} + \frac{1}{2}i $$

(ii) $2i - w = -i(1 - w)$ のとき

同様に方程式を展開して整理する。

$$ 2i - w = -i + iw $$

$$ (-1-i)w = -3i $$

両辺を $-1-i$ で割り、分母を実数化する。

$$ w = \frac{-3i}{-1-i} = \frac{3i}{1+i} = \frac{3i(1-i)}{(1+i)(1-i)} = \frac{3i-3i^2}{1^2+1^2} = \frac{3+3i}{2} = \frac{3}{2} + \frac{3}{2}i $$

したがって、求める複素数 $w$ は $w = -\frac{1}{2} + \frac{1}{2}i$ および $w = \frac{3}{2} + \frac{3}{2}i$ である。

解説

(1) は複素数平面上の線分をパラメータ表示し、その像の軌跡を求める典型問題である。実部と虚部をそれぞれパラメータで表し、パラメータを消去することで軌跡の方程式が得られる。変数の変域(この場合は $Y$ の範囲)を忘れずに確認することが重要である。

(2) は図形的な条件を複素数の式に翻訳する問題である。「直角二等辺三角形」という条件は、特定の点を中心とする $\pm \frac{\pi}{2}$ の回転移動と結びつけることで、簡潔な1次方程式に帰着できる。直角の頂点がどこであるかに注意して立式する。

答え

(1) 複素数 $z^2 = X + Yi$ とおくと、方程式 $X = -\frac{1}{4}Y^2 + 1 \quad (0 \le Y \le 4)$ で表される放物線の一部。(図示省略)

(2) $w = -\frac{1}{2} + \frac{1}{2}i, \quad \frac{3}{2} + \frac{3}{2}i$

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