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北海道大学 2025年 理系 第2問 解説

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北海道大学 2025年 理系 第2問 解説

方針・初手

(1) では、円の外部の点から引いた接線に関する図形の面積を求める。接線と半径が直交することを利用し、直角三角形の面積を計算することで四角形の面積を導く。

(2) では、点 $P$ が楕円上を動くという条件から $p, q$ の関係式が得られるので、それを (1) で求めた $S$ の式に代入し、1変数の関数の最大・最小問題に帰着させる。または、楕円の媒介変数表示を利用する。

解法1

(1)

直線 $l_1, l_2$ は点 $P$ から円 $C_1$ に引いた接線であり、$Q_1, Q_2$ はその接点であるから、$\angle OQ_1P = \angle OQ_2P = 90^\circ$ である。

また、円の半径より $OQ_1 = OQ_2 = 1$ であり、$OP$ は共通であるから、直角三角形 $\triangle OPQ_1$ と $\triangle OPQ_2$ は斜辺と他の1辺がそれぞれ等しく、合同である。

四角形 $OQ_1PQ_2$ の面積 $S$ は $\triangle OPQ_1$ の面積の2倍である。

線分 $OP$ の長さは、

$$ OP = \sqrt{p^2 + q^2} $$

である。直角三角形 $\triangle OPQ_1$ において三平方の定理より、

$$ PQ_1 = \sqrt{OP^2 - OQ_1^2} = \sqrt{p^2 + q^2 - 1} $$

となる。したがって、四角形 $OQ_1PQ_2$ の面積 $S$ は、

$$ S = 2 \times \triangle OPQ_1 = 2 \times \left( \frac{1}{2} \cdot OQ_1 \cdot PQ_1 \right) = \sqrt{p^2 + q^2 - 1} $$

となる。

(2)

点 $P(p, q)$ は楕円 $C_2$ 上にあるから、

$$ \frac{p^2}{2} + \frac{q^2}{3} = 1 $$

が成り立つ。これを $q^2$ について解くと、

$$ q^2 = 3 \left( 1 - \frac{p^2}{2} \right) $$

となる。$q^2 \geqq 0$ であるから、

$$ 1 - \frac{p^2}{2} \geqq 0 $$

$$ 0 \leqq p^2 \leqq 2 $$

を満たす。(1) で求めた面積 $S$ の式より、

$$ S^2 = p^2 + q^2 - 1 $$

であるから、これに $q^2$ の式を代入すると、

$$ S^2 = p^2 + 3 \left( 1 - \frac{p^2}{2} \right) - 1 = -\frac{1}{2}p^2 + 2 $$

となる。$0 \leqq p^2 \leqq 2$ における $S^2$ の値の範囲を考える。

$S^2$ は $p^2$ についての単調減少関数であるから、

$S > 0$ であるから、

となる。

解法2

(2) の別解

点 $P(p, q)$ は楕円 $C_2$ 上の点であるから、媒介変数 $\theta$ ($0 \leqq \theta < 2\pi$) を用いて、

$$ p = \sqrt{2}\cos\theta, \quad q = \sqrt{3}\sin\theta $$

と表すことができる。

(1) より $S = \sqrt{p^2 + q^2 - 1}$ であるから、根号の中身について考えると、

$$ p^2 + q^2 - 1 = 2\cos^2\theta + 3\sin^2\theta - 1 $$

$$ p^2 + q^2 - 1 = 2(1 - \sin^2\theta) + 3\sin^2\theta - 1 = \sin^2\theta + 1 $$

となる。$0 \leqq \sin^2\theta \leqq 1$ であるから、

$$ 1 \leqq \sin^2\theta + 1 \leqq 2 $$

すなわち、

$$ 1 \leqq p^2 + q^2 - 1 \leqq 2 $$

が成り立つ。

$S = \sqrt{p^2 + q^2 - 1} > 0$ より、各辺の正の平方根をとると、

$$ 1 \leqq S \leqq \sqrt{2} $$

となる。

したがって、$S$ の最大値は $\sqrt{2}$、最小値は $1$ である。

解説

(1) は接線の長さを三平方の定理から求める基本的な問題である。「2本の接線」というキーワードから、円の外部の点と中心、接点を結ぶ直角三角形の合同を利用する定石にすぐ気づきたい。

(2) は条件付きの2変数関数の最大・最小問題である。解法1のように文字を消去して1変数関数に帰着させるのが基本方針である。このとき、消去する文字(今回は $q$ または $q^2$)の実数条件から、残す文字($p^2$)の定義域を必ず確認することが重要である。これを怠ると、あり得ない値で最大・最小を判断してしまう可能性がある。

解法2のように、楕円の媒介変数表示を利用すると、定義域の確認が三角関数の値域の確認に置き換わり、計算もスムーズに進むことが多い。二次曲線上の点を扱う際の有効な手段である。

答え

(1)

$$ S = \sqrt{p^2 + q^2 - 1} $$

(2) 最大値 $\sqrt{2}$ 、最小値 $1$

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