北海道大学 1965年 理系 第6問 解説

方針・初手
(1) 水が満たされた容器に物体を入れるとき、あふれた水の体積は、水面下にある物体の体積に等しい。水面は常に $y=1$ に保たれるため、曲線 $y = 2x^4 + 1 - h$ と直線 $y = 1$ で囲まれた領域を $y$ 軸のまわりに回転してできる立体の体積を計算する。
(2) 「物体を一定の速さ $v$ でいれていく」という条件から、水面から物体の最低部までの深さ $h$ の時間変化率が $\frac{dh}{dt} = v$ であることを読み取る。「物体が側面につく」条件は、物体の表面を表す曲線と容器の側面を表す直線が接する条件として立式し、その瞬間の $h$ を求める。最後に合成関数の微分法を用いて体積の変化率を計算する。
解法1
(1)
容器は常に水で満たされているため、あふれた水の体積 $V$ は、水面下にある物体の体積と等しい。水面は常に $y=1$ にある。 物体の水中にある部分は、曲線 $y = 2x^4 + 1 - h$ と水面 $y = 1$ で囲まれた領域を $y$ 軸のまわりに回転してできる立体である。
$y = 2x^4 + 1 - h$ より、$x \geqq 0$ において
$$ x^2 = \sqrt{\frac{y - 1 + h}{2}} $$
である。求める体積 $V$ は
$$ V = \pi \int_{1-h}^{1} x^2 dy = \pi \int_{1-h}^{1} \sqrt{\frac{y - 1 + h}{2}} dy $$
ここで、$u = y - 1 + h$ とおくと $dy = du$ であり、積分区間は $y$ が $1-h$ から $1$ に変化するとき、$u$ は $0$ から $h$ に変化する。
$$ V = \pi \int_{0}^{h} \sqrt{\frac{u}{2}} du = \frac{\pi}{\sqrt{2}} \left[ \frac{2}{3} u^{\frac{3}{2}} \right]_{0}^{h} = \frac{\sqrt{2}}{3} \pi h^{\frac{3}{2}} $$
(2)
物体全体を一定の速さ $v$ で容器に入れていくため、水面からの深さ $h$ は時刻 $t$ に比例して速さ $v$ で増加する。よって
$$ \frac{dh}{dt} = v $$
が成り立つ。 容器は原点を頂点とし、深さ $1$、上底の半径 $1$ の直円錐形であるため、その側面は $x \geqq 0$ において直線 $y = x$ ($0 \leqq y \leqq 1$)で表される。 物体が側面につく瞬間、物体の表面を表す曲線 $y = 2x^4 + 1 - h$ ($x \geqq 0$)と直線 $y = x$ が接する。
$f(x) = 2x^4 - x + 1 - h$ とおくと、物体が側面につくとき、方程式 $f(x) = 0$ が正の重解をもつ。 $f'(x) = 0$ とすると
$$ 8x^3 - 1 = 0 $$
$$ x = \frac{1}{2} $$
これが接点の $x$ 座標となる。このとき $f\left(\frac{1}{2}\right) = 0$ を満たすので
$$ 2\left(\frac{1}{2}\right)^4 - \frac{1}{2} + 1 - h = 0 $$
$$ \frac{1}{8} - \frac{1}{2} + 1 - h = 0 $$
$$ h = \frac{5}{8} $$
接点の $y$ 座標は $y = x = \frac{1}{2}$ であり、$0 \leqq y \leqq 1$ を満たすため、確かに容器の側面上にある。
求める $V$ の時間変化率 $\frac{dV}{dt}$ は、合成関数の微分法より
$$ \frac{dV}{dt} = \frac{dV}{dh} \cdot \frac{dh}{dt} $$
(1) の結果より
$$ \frac{dV}{dh} = \frac{d}{dh} \left( \frac{\sqrt{2}}{3} \pi h^{\frac{3}{2}} \right) = \frac{\sqrt{2}}{3} \pi \cdot \frac{3}{2} h^{\frac{1}{2}} = \pi \sqrt{\frac{h}{2}} $$
したがって、$h = \frac{5}{8}$ の瞬間の変化率は
$$ \frac{dV}{dt} = \pi \sqrt{\frac{\frac{5}{8}}{2}} \cdot v = \pi \sqrt{\frac{5}{16}} v = \frac{\sqrt{5}}{4} \pi v $$
解説
- (1) では、あふれた水の体積が水中にある物体の体積に等しいという物理的な基本原理を利用する。積分計算自体は置換積分を用いれば容易である。
- (2) では、「物体が側面につく」という幾何学的な条件を、2つの関数 $y = 2x^4 + 1 - h$ と $y = x$ が接する(関数値とその導関数値が等しい)という代数的な条件に帰着させることが重要である。
- 体積の変化率を求める際、$\frac{dV}{dh}$ がちょうど水面 $y=1$ における物体の断面積 $\pi x^2 = \pi \sqrt{\frac{h}{2}}$ に一致している。微小な深さ $dh$ 沈んだときの体積の増加分 $dV$ が、断面積 $\times$ $dh$ で近似できることを考えれば、この関係は直感的にも納得できる。
答え
(1) $$ V = \frac{\sqrt{2}}{3} \pi h \sqrt{h} $$
(2) $$ \frac{\sqrt{5}}{4} \pi v $$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











