京都大学 1961年 理系 第6問 解説

方針・初手
点Aと点Bの位置をそれぞれ時間 $t$ の関数として表し、それらが一致する時刻 $t$ が $0 \leqq t \leqq 4$ の範囲にいくつ存在するかを調べる。物体の位置は、与えられた速度を時間で積分することにより求めることができる。
解法1
時刻 $t = 0$ における点Aの位置を原点(座標 $0$)とする。 時刻 $t$ における点Aの座標 $x_A(t)$ は、速度 $u = t^2 + 5$ を積分して、
$$ x_A(t) = \int_{0}^{t} (s^2 + 5) ds = \left[ \frac{1}{3}s^3 + 5s \right]_{0}^{t} = \frac{1}{3}t^3 + 5t $$
となる。
点Bは時刻 $t = 0$ に点Aの前方 $2$ cm の距離から出発するため、初期位置は $x_B(0) = 2$ である。 時刻 $t$ における点Bの座標 $x_B(t)$ は、速度 $v = 5t$ を積分して、
$$ x_B(t) = 2 + \int_{0}^{t} 5s ds = 2 + \left[ \frac{5}{2}s^2 \right]_{0}^{t} = \frac{5}{2}t^2 + 2 $$
となる。
点Aと点Bが重なるのは $x_A(t) = x_B(t)$ のときであるから、
$$ \frac{1}{3}t^3 + 5t = \frac{5}{2}t^2 + 2 $$
両辺を $6$ 倍して整理すると、
$$ 2t^3 - 15t^2 + 30t - 12 = 0 $$
を得る。この方程式が $0 \leqq t \leqq 4$ の範囲に持つ実数解の個数を調べればよい。
$f(t) = 2t^3 - 15t^2 + 30t - 12$ とおく。これを $t$ で微分すると、
$$ f'(t) = 6t^2 - 30t + 30 = 6(t^2 - 5t + 5) $$
$f'(t) = 0$ となる $t$ の値は、二次方程式の解の公式より、
$$ t = \frac{5 \pm \sqrt{25 - 20}}{2} = \frac{5 \pm \sqrt{5}}{2} $$
$\sqrt{4} < \sqrt{5} < \sqrt{9}$ より $2 < \sqrt{5} < 3$ であるから、
$$ 1 < \frac{5 - \sqrt{5}}{2} < \frac{3}{2}, \quad \frac{7}{2} < \frac{5 + \sqrt{5}}{2} < 4 $$
となり、$\alpha = \frac{5 - \sqrt{5}}{2}$, $\beta = \frac{5 + \sqrt{5}}{2}$ とおくと、どちらも区間 $0 < t < 4$ に含まれる。
次に極値の符号を調べる。$f(t)$ を $\frac{1}{6}f'(t) = t^2 - 5t + 5$ で割ると、
$$ f(t) = (t^2 - 5t + 5)(2t - 5) - 5t + 13 $$
となるため、極大値 $f(\alpha)$ と極小値 $f(\beta)$ はそれぞれ以下のようになる。
$$ f(\alpha) = -5\alpha + 13 = -5 \left( \frac{5 - \sqrt{5}}{2} \right) + 13 = \frac{1 + 5\sqrt{5}}{2} > 0 $$
$$ f(\beta) = -5\beta + 13 = -5 \left( \frac{5 + \sqrt{5}}{2} \right) + 13 = \frac{1 - 5\sqrt{5}}{2} < 0 $$
また、区間の両端における $f(t)$ の値は、
$$ f(0) = -12 < 0 $$
$$ f(4) = 2 \cdot 4^3 - 15 \cdot 4^2 + 30 \cdot 4 - 12 = 128 - 240 + 120 - 12 = -4 < 0 $$
である。
以上より、$0 \leqq t \leqq 4$ における $f(t)$ の増減表は次のようになる。
| $t$ | $0$ | $\cdots$ | $\alpha$ | $\cdots$ | $\beta$ | $\cdots$ | $4$ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| $f'(t)$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ | ||
| $f(t)$ | $-12$ | $\nearrow$ | 極大 | $\searrow$ | 極小 | $\nearrow$ | $-4$ |
関数 $f(t)$ は、
- 区間 $0 \leqq t \leqq \alpha$ において単調増加し、$f(0) < 0$ かつ $f(\alpha) > 0$ であるため、この区間にただ $1$ つの解を持つ。
- 区間 $\alpha \leqq t \leqq \beta$ において単調減少し、$f(\alpha) > 0$ かつ $f(\beta) < 0$ であるため、この区間にただ $1$ つの解を持つ。
- 区間 $\beta \leqq t \leqq 4$ において単調増加するが、$f(\beta) < 0$ かつ $f(4) < 0$ であるため、この区間には解を持たない。
したがって、方程式 $f(t) = 0$ は $0 \leqq t \leqq 4$ の範囲にちょうど $2$ つの実数解を持つ。
解説
速度を積分して位置の関数を作り、その差から3次方程式の実数解の個数を調べる問題である。微分でグラフの概形を調べ、必要なら $f(t)$ を2次式で割った余りを使って極値の符号を判定する。定義域に制限があるので、端点 $t=4$ での符号確認も必要である。
答え
2回
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











