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北海道大学 1970年 理系 第2問 解説

数学2/図形と式数学2/三角関数テーマ/最大・最小テーマ/図形総合
北海道大学 1970年 理系 第2問 解説

方針・初手

点 $P, Q$ の座標から、直線 $OP, OQ$ の傾きを考える。$\angle POQ = 45^\circ$ という条件は「2直線のなす角」に関する条件であるため、正接(タンジェント)の加法定理を用いて $x$ と $y$ の関係式を導くのが自然である。

$x$ の変域は、点 $P, Q$ がそれぞれ線分 $AB, BC$ 上にあるという条件から絞り込む。

(2) では、座標を用いた三角形の面積公式を利用して面積を $x, y$ の式で表す。(1) で得た関係式が対称性の高い形をしていることに着目し、相加平均と相乗平均の大小関係を利用して最小値を求める。

解法1

(1)

点 $Q$ は辺 $BC$ 上にあるため $0 \le x \le 4$ であり、点 $P$ は辺 $AB$ 上にあるため $0 \le y \le 3$ である。

点 $Q$ が点 $C$ に一致するとき $x=0$ であり、直線 $OQ$ は $y$ 軸と一致する。このとき、直線 $OP$ とのなす角が $45^\circ$ であるから $\angle AOP = 45^\circ$ となり、$P(4, 4)$ となるが、これは点 $P$ が辺 $AB$ 上にあることに矛盾する。ゆえに $x > 0$ としてよい。

直線 $OQ, OP$ が $x$ 軸の正の向きとなす角をそれぞれ $\alpha, \beta$ とすると、

$$ \tan \alpha = \frac{3}{x}, \quad \tan \beta = \frac{y}{4} $$

図の位置関係より、$\alpha > \beta$ であり、$\angle POQ = \alpha - \beta = 45^\circ$ であるから、

$$ \tan(\alpha - \beta) = \tan 45^\circ = 1 $$

正接の加法定理より、

$$ \frac{\tan \alpha - \tan \beta}{1 + \tan \alpha \tan \beta} = 1 $$

$$ \frac{\frac{3}{x} - \frac{y}{4}}{1 + \frac{3}{x} \cdot \frac{y}{4}} = 1 $$

分母分子に $4x$ を掛けて整理すると、

$$ \frac{12 - xy}{4x + 3y} = 1 $$

$$ 12 - xy = 4x + 3y $$

$$ xy + 4x + 3y - 12 = 0 $$

両辺に $24$ を加えて因数分解すると、

$$ (x+3)(y+4) = 24 $$

よって、$y+4 = \frac{24}{x+3}$ より、

$$ y = \frac{24}{x+3} - 4 $$

次に、$x$ の範囲を求める。点 $P$ は辺 $AB$ 上にあるので $0 \le y \le 3$ である。これに求めた $y$ の式を代入して、

$$ 0 \le \frac{24}{x+3} - 4 \le 3 $$

各辺に $4$ を加えて、

$$ 4 \le \frac{24}{x+3} \le 7 $$

$x>0$ より $x+3 > 0$ であるため、逆数をとって大小関係を入れ替えると、

$$ \frac{1}{7} \le \frac{x+3}{24} \le \frac{1}{4} $$

各辺に $24$ を掛けて、

$$ \frac{24}{7} \le x+3 \le 6 $$

各辺から $3$ を引いて、

$$ \frac{3}{7} \le x \le 3 $$

これは点 $Q$ が辺 $BC$ 上にある条件 $0 \le x \le 4$ を満たしている。したがって、求める $x$ の範囲は $\frac{3}{7} \le x \le 3$ である。

(2)

$\triangle OPQ$ の面積を $S$ とすると、頂点の座標が $O(0, 0), P(4, y), Q(x, 3)$ であるから、

$$ S = \frac{1}{2} |4 \cdot 3 - x \cdot y| = \frac{1}{2} |12 - xy| $$

(1) の導出過程より $12 - xy = 4x + 3y$ であり、$x>0, y \ge 0$ であるから $4x + 3y > 0$ である。よって、絶対値記号をそのまま外すことができる。

$$ S = \frac{1}{2} (4x + 3y) $$

式を変形して、(1) で得た $(x+3)(y+4) = 24$ を利用する形を作る。

$$ S = \frac{1}{2} \{4(x+3) + 3(y+4) - 24\} $$

ここで、$x>0, y \ge 0$ より $4(x+3) > 0, 3(y+4) > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、

$$ 4(x+3) + 3(y+4) \ge 2 \sqrt{4(x+3) \cdot 3(y+4)} = 2 \sqrt{12(x+3)(y+4)} $$

$(x+3)(y+4) = 24$ を代入して、

$$ 4(x+3) + 3(y+4) \ge 2 \sqrt{12 \cdot 24} = 2 \sqrt{288} = 24\sqrt{2} $$

等号が成立するのは、$4(x+3) = 3(y+4)$ のときである。このとき、$(x+3) \cdot \frac{4}{3}(x+3) = 24$ より $(x+3)^2 = 18$ となり、$x+3>0$ より $x+3 = 3\sqrt{2}$、すなわち $x = 3\sqrt{2} - 3$ である。

$\sqrt{2} \approx 1.414$ より $x \approx 1.242$ となり、これは (1) で求めた範囲 $\frac{3}{7} \le x \le 3$ を満たす。したがって、$S$ の最小値は、

$$ S \ge \frac{1}{2} (24\sqrt{2} - 24) = 12(\sqrt{2} - 1) $$

解法2

(1) の別解

ベクトル $\vec{OQ} = (x, 3)$ を原点の周りに $-45^\circ$ 回転させたベクトルは、直線 $OP$ 上にあり、ベクトル $\vec{OP} = (4, y)$ と同じ向きとなる。

点 $Q$ を表す複素数を $z_Q = x + 3i$ とすると、これを原点中心に $-45^\circ$ 回転させた複素数 $z'$ は、

$$ \begin{aligned} z' &= (x + 3i) \left\{ \cos(-45^\circ) + i\sin(-45^\circ) \right\} \\ &= (x + 3i) \left( \frac{1}{\sqrt{2}} - \frac{1}{\sqrt{2}}i \right) \\ &= \frac{1}{\sqrt{2}} \left\{ x + 3 + i(3 - x) \right\} \end{aligned} $$

この点が表す座標 $\left( \frac{x+3}{\sqrt{2}}, \frac{3-x}{\sqrt{2}} \right)$ は直線 $OP$ 上にある。

直線 $OP$ は原点を通り、傾き $\frac{y}{4}$ の直線であるから、方程式は $yX - 4Y = 0$ と表せる。これに代入すると、

$$ y \cdot \frac{x+3}{\sqrt{2}} - 4 \cdot \frac{3-x}{\sqrt{2}} = 0 $$

両辺に $\sqrt{2}$ を掛けて整理すると、

$$ y(x+3) - 4(3-x) = 0 $$

$$ y(x+3) = 12 - 4x $$

$$ y = \frac{-4(x+3) + 24}{x+3} = \frac{24}{x+3} - 4 $$

$x$ の範囲は解法1と同様の手順で求められる。

解説

角の条件 $\angle POQ = 45^\circ$ を式に翻訳する際、「直線のなす角は $\tan$ の加法定理」という定石を用いるとスムーズに計算できる。また、解法2のように複素数平面における回転を利用すると、図形的な関係を直接的に数式化することができ、計算量が減る。

(2) では、$y$ を $x$ の式で代入して1変数の微分に持ち込むことも可能だが、$x$ と $y$ の関係式 $(x+3)(y+4) = 24$ という対称な形を活かして相加平均と相乗平均の大小関係を利用すると、微分の計算を避けて簡潔に最小値を求めることができる。

答え

(1) $y = \frac{24}{x+3} - 4 \quad \left( \frac{3}{7} \le x \le 3 \right)$

(2) $12(\sqrt{2} - 1)$

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