トップ 北海道大学 1984年 理系 第2問

北海道大学 1984年 理系 第2問 解説

数学C/空間ベクトル数学1/立体図形数学2/図形と式テーマ/空間図形
北海道大学 1984年 理系 第2問 解説

方針・初手

点 $P$、$Q$ の座標をそれぞれ実数 $t$ を用いて表し、線分 $PQ$ の中点の座標と方向ベクトル(法線ベクトル)を求める。

平面 $\alpha$ は線分 $PQ$ の中点を通り、線分 $PQ$ に垂直な平面(垂直二等分面)であることから、法線ベクトルと通る点を用いて平面の方程式を立てる。

また、ある図形が「実数 $t$ の値によらない」ことは、方程式を $t$ について整理し、$t$ についての恒等式として処理することで、図形が常に満たすべき条件(交線など)を導き出すことができる。

解法1

(1)

与えられた点の座標から、関係するベクトルを成分で表す。

$$ \overrightarrow{OA} = (1, 2, 2), \quad \overrightarrow{OC} = (2, 2, 3) $$

$$ \overrightarrow{OB} = (0, 0, -1), \quad \overrightarrow{OD} = (0, 1, -2) $$

これより、$\overrightarrow{AC}$ と $\overrightarrow{BD}$ を求める。

$$ \overrightarrow{AC} = \overrightarrow{OC} - \overrightarrow{OA} = (1, 0, 1) $$

$$ \overrightarrow{BD} = \overrightarrow{OD} - \overrightarrow{OB} = (0, 1, -1) $$

点 $P$、$Q$ の位置ベクトルは次のように表される。

$$ \overrightarrow{OP} = \overrightarrow{OA} + t\overrightarrow{AC} = (1, 2, 2) + t(1, 0, 1) = (t+1, 2, t+2) $$

$$ \overrightarrow{OQ} = \overrightarrow{OB} + t\overrightarrow{BD} = (0, 0, -1) + t(0, 1, -1) = (0, t, -t-1) $$

線分 $PQ$ の中点を $M$ とすると、点 $M$ の位置ベクトルは

$$ \overrightarrow{OM} = \frac{1}{2}(\overrightarrow{OP} + \overrightarrow{OQ}) = \left( \frac{t+1}{2}, \frac{t+2}{2}, \frac{1}{2} \right) $$

また、線分 $PQ$ の方向ベクトル $\overrightarrow{PQ}$ は

$$ \overrightarrow{PQ} = \overrightarrow{OQ} - \overrightarrow{OP} = (-t-1, t-2, -2t-3) $$

平面 $\alpha$ は点 $M$ を通り、$\overrightarrow{PQ}$ に垂直な平面である。平面の法線ベクトルとして、符号を反転させた $\vec{n} = -\overrightarrow{PQ} = (t+1, -t+2, 2t+3)$ を用いる。

平面 $\alpha$ 上の任意の点を $(x, y, z)$ とすると、平面の方程式は以下のようになる。

$$ (t+1)\left(x - \frac{t+1}{2}\right) + (-t+2)\left(y - \frac{t+2}{2}\right) + (2t+3)\left(z - \frac{1}{2}\right) = 0 $$

これを展開して整理する。

$$ (t+1)x - (t-2)y + (2t+3)z - \frac{(t+1)^2 - (t-2)(t+2) + 2t+3}{2} = 0 $$

定数項の分子を計算する。

$$ (t^2 + 2t + 1) - (t^2 - 4) + 2t + 3 = 4t + 8 $$

したがって、求める平面 $\alpha$ の方程式は以下の通りである。

$$ (t+1)x - (t-2)y + (2t+3)z - 2t - 4 = 0 $$

(2)

(1) で求めた平面 $\alpha$ の方程式を $t$ について整理する。

$$ t(x - y + 2z - 2) + (x + 2y + 3z - 4) = 0 $$

平面 $\alpha$ が $t$ の値によらず定点 $(x, y, z)$ を通るための条件は、これが $t$ についての恒等式となることである。

$$ \begin{cases} x - y + 2z - 2 = 0 \\ x + 2y + 3z - 4 = 0 \end{cases} $$

この2つの式はそれぞれ空間における平面を表す。

1つ目の平面の法線ベクトルは $\vec{n_1} = (1, -1, 2)$、2つ目の平面の法線ベクトルは $\vec{n_2} = (1, 2, 3)$ である。

$\vec{n_1}$ と $\vec{n_2}$ は実数倍の関係にないため、この2つの平面は平行ではなく、1つの直線を交線として共有する。

上記の連立方程式を満たす $(x, y, z)$ の集合はその交線上の点全体を表し、これらの点は任意の $t$ に対して平面 $\alpha$ の方程式を満たす。

よって、平面 $\alpha$ は $t$ によらない一定の直線を含むことが示された。

解説

空間座標における平面の方程式と、定点を通る図形の証明を組み合わせた標準的な問題である。

(1) では、平面の方程式を「通る点」と「法線ベクトル」から構築する。計算量がやや多いため、定数項の展開・整理で計算ミスをしないよう注意が必要である。計算の検算として、平面 $\alpha$ が「点 $P$、$Q$ から等距離にある点の集合」であることを利用し、$PX^2 = QX^2$ の式から立式して結果を照らし合わせることも有効な手段となる。

(2) では、「$t$ の値を変えて動かす」という条件を、「方程式を $t$ についての恒等式と見なす」という定石の処理に翻訳する。得られた2つの式がそれぞれ平面を表し、それらが平行でないため交わりが直線になる、という幾何学的な事実を簡潔に指摘すれば十分な証明となる。

答え

(1)

$$ (t+1)x - (t-2)y + (2t+3)z - 2t - 4 = 0 $$

(2)

平面の方程式を $t$ について整理すると $t(x - y + 2z - 2) + (x + 2y + 3z - 4) = 0$ となり、これが任意の $t$ で成り立つ条件である $x - y + 2z - 2 = 0$ かつ $x + 2y + 3z - 4 = 0$ は平行でない2平面を表すため、その交わりである一定の直線を常に含む。(証明終)

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。