北海道大学 1985年 文系 第2問 解説

方針・初手
与えられた3点 $A, B, C$ の座標に注目すると、すべての点の $z$ 座標が $1$ である。したがって、三角形 $ABC$ は平面 $z=1$ 上に存在することがわかる。 与えられた直線の式をパラメータ表示にし、この直線と平面 $z=1$ の交点を求める。その交点が、平面 $z=1$ 上で三角形 $ABC$ の周および内部に含まれるための条件を立式する。
解法1
直線の方程式は、媒介変数 $t$ を用いて次のように表せる。
$$ \begin{cases} x = at + 2 \\ y = bt + 3 \\ z = t + 2 \end{cases} $$
3点 $A(1, -1, 1), B(1, 1, 1), C(0, 0, 1)$ はすべて $z$ 座標が $1$ であるから、三角形 $ABC$ は平面 $z=1$ 上にある。 直線と平面 $z=1$ との交点を求めるために $z=1$ を直線の式に代入すると、
$$ t+2 = 1 \iff t = -1 $$
となる。したがって、直線と平面 $z=1$ の交点 $P$ の座標は、
$$ (-a+2, -b+3, 1) $$
である。 直線が三角形 $ABC$ と共有点をもつための条件は、この交点 $P$ が三角形 $ABC$ の周または内部に存在することである。
平面 $z=1$ 上において、三角形 $ABC$ は3点 $(1, -1), (1, 1), (0, 0)$ を頂点とする三角形である。 この三角形の周および内部は、3直線 $x=1, y=x, y=-x$ で囲まれた領域であり、以下の不等式で表される。
$$ x \le 1, \quad y \le x, \quad y \ge -x $$
点 $P$ の $x$ 座標、 $y$ 座標がこれらの条件を満たすとき、共有点をもつ。それぞれ代入して整理すると、
$$ -a+2 \le 1 \iff a \ge 1 $$
$$ -b+3 \le -a+2 \iff b \ge a+1 $$
$$ -b+3 \ge -(-a+2) \iff -b+3 \ge a-2 \iff b \le -a+5 $$
これらをすべて満たすのが求める条件である。
条件を満たす点 $(a, b)$ の存在範囲は、$ab$ 平面上において3直線 $a=1, b=a+1, b=-a+5$ で囲まれた領域である。 境界となる交点は以下の3点である。
$$ (1, 2), \quad (2, 3), \quad (1, 4) $$
存在範囲は、これら3点を頂点とする三角形の周および内部となる。
解説
空間図形における直線と図形の交差を考える典型的な問題である。 空間内の三角形を扱う際、3点を含む平面の方程式を求めてから直線との交点を出すのが基本の手順である。本問では $z$ 座標がすべて一定値をとるという特徴的な設定になっており、平面の方程式が $z=1$ と直ちにわかるため計算量が大きく削減される。 直線の式が分数で与えられているときは、媒介変数 $t$ を用いて各座標を独立に表すことで、平面との交点が容易に計算できる。
答え
求める $a, b$ の条件は、
$$ a \ge 1 \quad \text{かつ} \quad b \ge a+1 \quad \text{かつ} \quad b \le -a+5 $$
その条件を満たす点 $(a, b)$ の存在する範囲は、$ab$ 平面上において3点 $(1, 2), (2, 3), (1, 4)$ を頂点とする三角形の周および内部である。
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