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北海道大学 1994年 理系 第5問 解説

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北海道大学 1994年 理系 第5問 解説

方針・初手

「連勝しない」という条件を満たしつつ回数を重ねていくため、直前の試行で「勝ったか」「負けたか」によって次の試行で許される結果が変わる。この状態推移に着目し、$a_n$ と $b_n$ の関係を表す連立漸化式を立てるのが定石である。

解法1

(1)

1回のゲームで勝つ確率は $a$、負ける確率は $1-a$ である。

$n+1$ 回行って一度も連勝せず、$n+1$ 回目に負ける確率 $a_{n+1}$ について考える。 $n$ 回目までの結果として考えられるのは、一度も連勝せずに「$n$ 回目に負けている(確率 $a_n$)」または「$n$ 回目に勝っている(確率 $b_n$)」のいずれかである。 $n+1$ 回目に負ける場合、直前の $n$ 回目の勝敗に関わらず連勝にはならないため、どちらの状態からも $n+1$ 回目に負ける(確率 $1-a$)ことが起きればよい。 したがって、次が成り立つ。

$$ a_{n+1} = a_n(1-a) + b_n(1-a) = (1-a)(a_n + b_n) $$

次に、$n+1$ 回行って一度も連勝せず、$n+1$ 回目に勝つ確率 $b_{n+1}$ について考える。 「一度も連勝しない」という条件を満たしつつ $n+1$ 回目に勝つためには、直前の $n$ 回目は必ず負けていなければならない。 すなわち、一度も連勝せずに「$n$ 回目に負けている(確率 $a_n$)」状態から、$n+1$ 回目に勝つ(確率 $a$)ことが起きる場合のみである。 したがって、次が成り立つ。

$$ b_{n+1} = a_n \cdot a = a a_n $$

(2)

(1)より、すべての自然数 $n$ について次の2式が成り立つ。

$$ \begin{cases} a_{n+1} = (1-a)(a_n + b_n) \quad \dots \text{①} \\ b_{n+1} = a a_n \quad \dots \text{②} \end{cases} $$

②より、番号を1つ進めると次のように表せる。

$$ b_{n+2} = a a_{n+1} $$

この式に①を代入する。

$$ b_{n+2} = a(1-a)(a_n + b_n) $$

さらに右辺を展開し、②の $a a_n = b_{n+1}$ を用いる。

$$ \begin{aligned} b_{n+2} &= (1-a) \cdot a a_n + a(1-a)b_n \\ &= (1-a)b_{n+1} + a(1-a)b_n \end{aligned} $$

すべての項を左辺に移項する。

$$ b_{n+2} - (1-a)b_{n+1} - a(1-a)b_n = 0 $$

整理すると、目的の等式が得られる。

$$ b_{n+2} + (a-1)b_{n+1} + a(a-1)b_n = 0 $$

解説

状態推移を用いて確率の連立漸化式を立てる典型問題である。「連勝しない」という制限があるため、「直前に勝っているか負けているか」に分けて漸化式を構成する。 (2)では $a_n$ を消去して $b_n$ の隣接3項間漸化式を導いている。②から $a_n = \frac{1}{a}b_{n+1}$ と変形して代入する方法も考えられるが、その場合は $a=0$ の場合分けが必要になってしまう。解答のように、①の両辺に $a$ を掛けてから②の形を作り出す方針をとると、場合分けが不要になり論理的にすっきりする。

答え

(1)

$$ a_{n+1} = (1-a)(a_n + b_n) $$

$$ b_{n+1} = a a_n $$

(2)

解法のとおり示された。

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