北海道大学 2001年 理系 第5問 解説

方針・初手
各回の対戦における勝者を順に並べた列を考える。 誰かが $2$ 連勝するとゲームが終了するため、勝負が $n$ 回目まで続くのは「前回勝った人」が負け、「待機していた人」が勝ち続ける場合のみである。 この条件から勝者の推移のパターンを絞り込み、確率を計算する。
解法1
(1)
各回の勝者を順に並べて考える。 $1$ 回目は $A$ と $B$ の対戦であり、勝者は $A$ または $B$ である。 勝負が終了しない(誰も連勝しない)場合、各回で「直前の回に待機していた人」が「直前の回の勝者」に勝つ必要がある。これに従い、$3$ 回目まで勝負が終了しない勝者の推移を列挙する。
$1$ 回目の勝者が $A$ の場合: $2$ 回目は勝者 $A$ と待機していた $C$ の対戦となる。勝負が続くためには $C$ が勝つ必要があり、このときの推移は $A \to C$ となる。 $3$ 回目は勝者 $C$ と待機していた $B$ の対戦となる。勝負が続くためには $B$ が勝つ必要があり、推移は $A \to C \to B$ となる。
$1$ 回目の勝者が $B$ の場合: $2$ 回目は勝者 $B$ と待機していた $C$ の対戦となる。勝負が続くためには $C$ が勝つ必要があり、推移は $B \to C$ となる。 $3$ 回目は勝者 $C$ と待機していた $A$ の対戦となる。勝負が続くためには $A$ が勝つ必要があり、推移は $B \to C \to A$ となる。
「$4$ 回以内の勝負で $A$ が $2$ 連勝する」という事象は、終了する回数によって以下のいずれかの場合に分かれる。
(i) $2$ 回目で終了する場合 $1$ 回目の勝者が $A$ であり、続く $2$ 回目($A$ と $C$ の対戦)でも $A$ が勝つ場合である。推移は $A \to A$ となる。 各対戦で特定の人が勝つ確率は $\frac{1}{2}$ であるから、この確率は以下のようになる。
$$ \left(\frac{1}{2}\right)^2 = \frac{1}{4} $$
(ii) $3$ 回目で終了する場合 $2$ 回目まで勝負が続く推移は $A \to C$ と $B \to C$ のみであり、いずれも $2$ 回目の勝者は $C$ である。 したがって、$3$ 回目に $A$ が参加したとしても、ここで $A$ が勝つと推移は $A \to C \to A$ または $B \to C \to A$ となり、連勝にはならない。よって、この確率は $0$ である。
(iii) $4$ 回目で終了する場合 $3$ 回目まで勝負が続く推移は $A \to C \to B$ と $B \to C \to A$ の $2$ つである。 $A \to C \to B$ の次($4$ 回目)は $B$ と $A$ の対戦であり、ここで $A$ が勝つと推移は $A \to C \to B \to A$ となるが、連勝ではないため終了しない。 $B \to C \to A$ の次($4$ 回目)は $A$ と $B$ の対戦であり、ここで $A$ が勝つと推移は $B \to C \to A \to A$ となり、$A$ が $2$ 連勝する。 この確率は以下のようになる。
$$ \left(\frac{1}{2}\right)^4 = \frac{1}{16} $$
事象 (i), (ii), (iii) は互いに排反であるから、求める確率はこれらの和となる。
$$ \frac{1}{4} + 0 + \frac{1}{16} = \frac{5}{16} $$
(2)
「$n$ 回以内の勝負で誰かが $2$ 連勝する」事象の余事象である、「$n$ 回目まで誰も $2$ 連勝せず、勝負が続く」事象の確率を求める。
(1) で確認したように、勝負が続くための勝者の推移は、各回において「直前の回の勝者」が負け、「待機していた人」が勝つ場合に限られる。 この規則に従うと、勝者の推移は最初の勝者が決まれば一意に定まる。
- $1$ 回目の勝者が $A$ のとき、推移は $A \to C \to B \to A \to C \to \dots$ となる。
- $1$ 回目の勝者が $B$ のとき、推移は $B \to C \to A \to B \to C \to \dots$ となる。
各対戦において指定された人が勝つ確率は $\frac{1}{2}$ である。 したがって、$n$ 回目まで指定された推移の通りに勝敗が決まる確率は、それぞれのパターンについて $\left(\frac{1}{2}\right)^n$ である。 これら $2$ つのパターンは互いに排反であるから、$n$ 回終了時点まで勝負が続く確率は以下のようになる。
$$ \left(\frac{1}{2}\right)^n + \left(\frac{1}{2}\right)^n = 2 \left(\frac{1}{2}\right)^n = \left(\frac{1}{2}\right)^{n-1} $$
求める事象はこれの余事象であるから、その確率を以下のように計算できる。
$$ 1 - \left(\frac{1}{2}\right)^{n-1} $$
解説
勝負の推移を「状態の遷移」として捉える典型的な確率の問題である。 「誰かが連勝したら終了」という条件から、「ゲームが終了しない(続く)条件」を考えるのが鉄則である。この問題では、待機していた人が勝ち続けるという一意のルートしか存在しないことに気づけば、余事象を用いる方針が自然に浮かぶ。 直接求める場合、$k$ 回目で勝負が終わる確率が $\left(\frac{1}{2}\right)^{k-1}$ となるため、これを $k=2$ から $n$ まで等比数列の和として計算することも可能であり、結果は一致する。
答え
(1) $$ \frac{5}{16} $$
(2) $$ 1 - \left(\frac{1}{2}\right)^{n-1} $$
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