北海道大学 2003年 理系 第3問 解説

方針・初手
(1) については、まず水深が $h$ のときの水の体積 $V$ を $h$ を用いて表す。その後、合成関数の微分法(連鎖律)である $\frac{dV}{dt} = \frac{dV}{dh} \cdot \frac{dh}{dt}$ を用いて $\frac{dh}{dt}$ を求める。
(2) については、(1) で得られた微分方程式を変数分離法で解く。「容器に水を満たす」という条件から、時刻 $t=0$ における初期水深を求めることがポイントとなる。そして水深が $0$ になる時刻を求める。
解法1
(1)
曲線 $y=x^2$ ($0 \le x \le 1$)を $y$ 軸のまわりに回転してできる容器について考える。水深が $h$ のとき、水の体積 $V$ は、$y$ 軸に垂直な平面で切った切り口の円の面積 $\pi x^2$ を $0$ から $h$ まで積分したものであるから、
$$ V = \int_0^h \pi x^2 dy $$
と表せる。ここで $y=x^2$ であるから、
$$ \begin{aligned} V &= \int_0^h \pi y dy \\ &= \left[ \frac{\pi}{2} y^2 \right]_0^h \\ &= \frac{\pi}{2} h^2 \end{aligned} $$
となる。この両辺を時刻 $t$ で微分すると、合成関数の微分法より、
$$ \frac{dV}{dt} = \frac{dV}{dh} \cdot \frac{dh}{dt} = \pi h \frac{dh}{dt} $$
となる。問題の条件より $\frac{dV}{dt} = -\sqrt{h}$ であるから、
$$ -\sqrt{h} = \pi h \frac{dh}{dt} $$
$h > 0$ のとき、両辺を $\pi h$ で割って整理すると、
$$ \frac{dh}{dt} = -\frac{1}{\pi \sqrt{h}} $$
となる。
(2)
容器は曲線 $y=x^2$($0 \le x \le 1$)を回転させてできるため、容器の高さを考えると $y$ の最大値は $x=1$ のときの $y=1$ である。時刻 $t=0$ において容器は水で満たされているため、初期状態の水深は $h=1$ である。
(1) で求めた微分方程式を変形すると、
$$ \pi \sqrt{h} dh = -dt $$
となる。両辺を積分すると、
$$ \int \pi h^{\frac{1}{2}} dh = \int -1 dt $$
$$ \frac{2}{3} \pi h^{\frac{3}{2}} = -t + C \quad (C \text{ は積分定数}) $$
初期条件 $t=0$ のとき $h=1$ を代入すると、
$$ \frac{2}{3} \pi \cdot 1^{\frac{3}{2}} = -0 + C $$
$$ C = \frac{2}{3} \pi $$
したがって、水深 $h$ と時刻 $t$ の関係式は以下のようになる。
$$ \frac{2}{3} \pi h^{\frac{3}{2}} = -t + \frac{2}{3} \pi $$
容器内の水が完全に排水されるのは $h=0$ となるときである。このときの時刻を $t=T$ とすると、上の式に $h=0$ を代入して、
$$ 0 = -T + \frac{2}{3} \pi $$
$$ T = \frac{2}{3} \pi $$
となる。
解説
回転体の体積から変数の関係式を導き、連鎖律を利用して微分方程式を立て、それを解くという、微分積分と物理的な現象(排水)を関連付けた典型的な問題である。
(1) では体積 $V$ を深さ $h$ の関数として正しく立式できるかが第一の関門である。(2) では、微分方程式を解く際に必要となる「初期条件」を問題文から正しく読み取る力が問われている。満水であるということと曲線の定義域 $0 \le x \le 1$ から、水深の初期値が $h=1$ であることに気づく必要がある。
答え
(1)
$$ \frac{dh}{dt} = -\frac{1}{\pi \sqrt{h}} $$
(2)
$$ T = \frac{2}{3} \pi $$
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