北海道大学 2013年 理系 第4問 解説

方針・初手
1回の試行において、点 $P$ がどの方向に動くかを決める4つの事象の確率をそれぞれ求める。その後、複数回の試行で指定された座標に到達するための、各移動の回数の組み合わせを連立方程式を用いて絞り込む。
解法1
2個のサイコロの目を $a, b$ とし、その積を $X = ab$ とする。 サイコロの目 $1, 2, 3, 4, 5, 6$ を $4$ で割った余りで分類すると、以下のようになる。
- 余り $1$: $1, 5$ の $2$ 通り
- 余り $2$: $2, 6$ の $2$ 通り
- 余り $3$: $3$ の $1$ 通り
- 余り $0$: $4$ の $1$ 通り
これをもとに、各規則が適用される確率を求める。全事象は $6 \times 6 = 36$ 通りである。
規則(ii) $X$ を $4$ で割った余りが $1$ になるのは、$a$ と $b$ の余りがともに $1$、またはともに $3$ の場合である。その場合の数は
$$ 2 \times 2 + 1 \times 1 = 5 \text{ (通り)} $$
よって、この事象が起こる確率は $\frac{5}{36}$ である。
規則(iii) $X$ を $4$ で割った余りが $2$ になるのは、$a$ と $b$ の余りの組が $(1, 2), (2, 1), (3, 2), (2, 3)$ の場合である。その場合の数は
$$ 2 \times 2 + 2 \times 2 + 1 \times 2 + 2 \times 1 = 12 \text{ (通り)} $$
よって、この事象が起こる確率は $\frac{12}{36} = \frac{1}{3}$ である。
規則(iv) $X$ を $4$ で割った余りが $3$ になるのは、$a$ と $b$ の余りの組が $(1, 3), (3, 1)$ の場合である。その場合の数は
$$ 2 \times 1 + 1 \times 2 = 4 \text{ (通り)} $$
よって、この事象が起こる確率は $\frac{4}{36} = \frac{1}{9}$ である。
規則(i) $X$ が $4$ の倍数(余り $0$)になる確率は、余事象を用いて求めることができる。
$$ 1 - \left( \frac{5}{36} + \frac{12}{36} + \frac{4}{36} \right) = \frac{15}{36} = \frac{5}{12} $$
ここで、規則(i), (ii), (iii), (iv) によって点 $P$ が移動する回数をそれぞれ $k_1, k_2, k_3, k_4$ とおく($k_1, k_2, k_3, k_4$ は $0$ 以上の整数)。点 $P$ は原点を出発し、$x$ 軸方向に $-k_1 + k_3$、$y$ 軸方向に $-k_2 + k_4$ 移動する。
(1) 2個のサイコロを1回投げて、点 $P$ が $(-1, 0)$ にあるのは、1回の試行で規則(i)のみが起こる場合である。したがって、求める確率は
$$ \frac{5}{12} $$
(2) 3回投げて、点 $P$ が $(2, 1)$ にある条件は
$$ \begin{cases} k_1 + k_2 + k_3 + k_4 = 3 \\ -k_1 + k_3 = 2 \\ -k_2 + k_4 = 1 \end{cases} $$
第2式より $k_3 = k_1 + 2$、第3式より $k_4 = k_2 + 1$ を第1式に代入して整理すると
$$ k_1 + k_2 + (k_1 + 2) + (k_2 + 1) = 3 $$
$$ 2(k_1 + k_2) = 0 $$
$k_1 \geqq 0, k_2 \geqq 0$ より、$k_1 = 0, k_2 = 0$ と定まる。このとき、$k_3 = 2, k_4 = 1$ である。 これは、3回の試行のうち規則(iii)が2回、規則(iv)が1回起こることを意味する。反復試行の確率より、求める確率は
$$ \frac{3!}{2!1!} \left(\frac{1}{3}\right)^2 \left(\frac{1}{9}\right)^1 = 3 \times \frac{1}{9} \times \frac{1}{9} = \frac{1}{27} $$
(3) 4回投げて、点 $P$ が $(1, 1)$ にある条件は
$$ \begin{cases} k_1 + k_2 + k_3 + k_4 = 4 \\ -k_1 + k_3 = 1 \\ -k_2 + k_4 = 1 \end{cases} $$
第2式より $k_3 = k_1 + 1$、第3式より $k_4 = k_2 + 1$ を第1式に代入して整理すると
$$ k_1 + k_2 + (k_1 + 1) + (k_2 + 1) = 4 $$
$$ 2(k_1 + k_2) = 2 $$
$$ k_1 + k_2 = 1 $$
$k_1 \geqq 0, k_2 \geqq 0$ より、以下の2つの場合が考えられる。
(ア) $k_1 = 1, k_2 = 0$ のとき
$k_3 = 2, k_4 = 1$ となる。この事象が起こる確率は
$$ \frac{4!}{1!2!1!} \left(\frac{5}{12}\right)^1 \left(\frac{1}{3}\right)^2 \left(\frac{1}{9}\right)^1 = 12 \times \frac{5}{12} \times \frac{1}{9} \times \frac{1}{9} = \frac{5}{81} $$
(イ) $k_1 = 0, k_2 = 1$ のとき
$k_3 = 1, k_4 = 2$ となる。この事象が起こる確率は
$$ \frac{4!}{1!1!2!} \left(\frac{5}{36}\right)^1 \left(\frac{1}{3}\right)^1 \left(\frac{1}{9}\right)^2 = 12 \times \frac{5}{36} \times \frac{1}{3} \times \frac{1}{81} = \frac{5}{3} \times \frac{1}{3} \times \frac{1}{81} = \frac{5}{729} $$
(ア) と (イ) の事象は互いに排反であるから、求める確率は
$$ \frac{5}{81} + \frac{5}{729} = \frac{45 + 5}{729} = \frac{50}{729} $$
解説
サイコロの積の余りを考える問題では、目そのものをあらかじめ法で分類しておくのが定石である。$4$ で割った余りが $0$ となる場合は場合分けが多くなりやすいため、余りが $1, 2, 3$ となる確率を先に求め、余事象として余り $0$ の確率を計算するとミスを防ぐことができる。また、最終的な移動座標から各移動の回数を特定する場面では、回数を文字でおいて連立方程式を立てると、過不足なく組み合わせを洗い出すことができる。
答え
(1) $\frac{5}{12}$
(2) $\frac{1}{27}$
(3) $\frac{50}{729}$
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