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京都大学 1970年 文系 第1問 解説

数学2/微分法数学2/複素数と方程式テーマ/最大・最小
京都大学 1970年 文系 第1問 解説

方針・初手

方程式が重根をもつ条件を、微分を用いた代数的な条件として捉えることが基本方針となる。また、定数 $k$ の扱いに注目して図形的に解釈する方法も考えられる。

解法1

与えられた方程式 $x^3 - 2x + k = 0$ を変形すると、以下のようになる。

$$ -k = x^3 - 2x $$

ここで、関数 $g(x) = x^3 - 2x$ とおき、曲線 $y = g(x)$ と直線 $y = -k$ の共有点について考える。方程式が重根をもつための条件は、この曲線と直線が接すること、すなわち直線 $y = -k$ が関数 $g(x)$ の極値を通ることである。

関数 $g(x)$ を微分すると、

$$ g'(x) = 3x^2 - 2 $$

$g'(x) = 0$ とすると、

$$ x^2 = \frac{2}{3} $$

$$ x = \pm \sqrt{\frac{2}{3}} = \pm \frac{\sqrt{6}}{3} $$

したがって、$g(x)$ は $x = \pm \frac{\sqrt{6}}{3}$ で極値をとる。その極値は、

$$ g\left(\frac{\sqrt{6}}{3}\right) = \left(\frac{\sqrt{6}}{3}\right)^3 - 2\left(\frac{\sqrt{6}}{3}\right) = \frac{6\sqrt{6}}{27} - \frac{6\sqrt{6}}{9} = \frac{2\sqrt{6}}{9} - \frac{6\sqrt{6}}{9} = -\frac{4\sqrt{6}}{9} $$

$$ g\left(-\frac{\sqrt{6}}{3}\right) = \left(-\frac{\sqrt{6}}{3}\right)^3 - 2\left(-\frac{\sqrt{6}}{3}\right) = -\frac{6\sqrt{6}}{27} + \frac{6\sqrt{6}}{9} = -\frac{2\sqrt{6}}{9} + \frac{6\sqrt{6}}{9} = \frac{4\sqrt{6}}{9} $$

よって、直線 $y = -k$ がこれらの極値を通るとき、方程式は重根をもつ。

$$ -k = \pm \frac{4\sqrt{6}}{9} $$

ゆえに、

$$ k = \pm \frac{4\sqrt{6}}{9} $$

解法2

$f(x) = x^3 - 2x + k$ とおく。

方程式 $f(x) = 0$ が実数の重根 $\alpha$ をもつための必要十分条件は、

$$ \begin{cases} f(\alpha) = 0 \\ f'(\alpha) = 0 \end{cases} $$

が成り立つことである。

関数 $f(x)$ を微分すると、$f'(x) = 3x^2 - 2$ であるから、$f'(\alpha) = 0$ より、

$$ 3\alpha^2 - 2 = 0 $$

$$ \alpha = \pm \frac{\sqrt{6}}{3} $$

また、$f(\alpha) = 0$ より、

$$ k = -\alpha^3 + 2\alpha $$

(i)

$\alpha = \frac{\sqrt{6}}{3}$ のとき

$$ k = -\left(\frac{\sqrt{6}}{3}\right)^3 + 2\left(\frac{\sqrt{6}}{3}\right) = -\frac{2\sqrt{6}}{9} + \frac{6\sqrt{6}}{9} = \frac{4\sqrt{6}}{9} $$

(ii)

$\alpha = -\frac{\sqrt{6}}{3}$ のとき

$$ k = -\left(-\frac{\sqrt{6}}{3}\right)^3 + 2\left(-\frac{\sqrt{6}}{3}\right) = \frac{2\sqrt{6}}{9} - \frac{6\sqrt{6}}{9} = -\frac{4\sqrt{6}}{9} $$

以上より、求める $k$ の値は $k = \pm \frac{4\sqrt{6}}{9}$ である。

解説

3次方程式が重根をもつ条件を問う標準的な問題である。解法は大きく2つに分かれる。1つは定数 $k$ を分離し、関数のグラフと水平な直線が接する条件(直線の $y$ 切片が極値と一致する条件)に帰着させる方法である。もう1つは、$f(x) = 0$ と $f'(x) = 0$ を連立させて重根を直接求める方法である。どちらも計算の難易度は同程度であるが、グラフの視覚的イメージを持ちやすい定数分離の方が、実数解の個数を問う問題にも応用が利くため定石とされる。

答え

$$ k = \pm \frac{4\sqrt{6}}{9} $$

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