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京都大学 1975年 文系 第4問 解説

数学1/図形計量数学2/三角関数テーマ/面積・体積テーマ/最大・最小
京都大学 1975年 文系 第4問 解説

方針・初手

線分 $OP$, $OQ$ の長さを文字で置き、三平方の定理を用いて条件式を立てる。$\triangle OPQ$ の面積をこの文字で表し、その最大値を求める。条件式が2乗の和であることから、相加平均と相乗平均の大小関係を利用するか、三角関数を用いて媒介変数表示にすると見通しがよい。

解法1

$OP = x$, $OQ = y$ とおく。

点 $P, Q$ はそれぞれ半直線 $OA, OB$ 上にあるため、$x \geqq 0$, $y \geqq 0$ である。

$\triangle OPQ$ は $\angle POQ = 90^\circ$ の直角三角形(または面積 $0$ の線分)であるから、三平方の定理より以下の関係が成り立つ。

$$ x^2 + y^2 = (2a)^2 = 4a^2 $$

$\triangle OPQ$ の面積を $S$ とすると、$S$ は次のように表される。

$$ S = \frac{1}{2}xy $$

$x^2 \geqq 0$, $y^2 \geqq 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より

$$ x^2 + y^2 \geqq 2\sqrt{x^2 y^2} = 2xy $$

が成り立つ。ここに $x^2 + y^2 = 4a^2$ を代入すると

$$ 4a^2 \geqq 2xy $$

両辺を $4$ で割ると

$$ a^2 \geqq \frac{1}{2}xy = S $$

したがって、$S$ の最大値は $a^2$ である。

等号が成立するのは、$x^2 = y^2$ のときである。

$x \geqq 0$, $y \geqq 0$ より $x = y$ であり、$x^2 + y^2 = 4a^2$ に代入すると

$$ 2x^2 = 4a^2 $$

$$ x^2 = 2a^2 $$

$x \geqq 0$ であるから、$x = \sqrt{2}a$ となる。

ゆえに、面積を最大にするには線分 $OP$ の長さを $\sqrt{2}a$ にすればよい。

解法2

線分 $PQ$ と半直線 $OA$ のなす角を $\theta$ とおく($0 \leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}$)。

直角三角形 $OPQ$ において、$PQ = 2a$ であるから、$OP, OQ$ の長さはそれぞれ以下のように表せる。

$$ OP = 2a \cos\theta $$

$$ OQ = 2a \sin\theta $$

$\triangle OPQ$ の面積を $S$ とすると

$$ \begin{aligned} S &= \frac{1}{2} \cdot OP \cdot OQ \\ &= \frac{1}{2} (2a \cos\theta) (2a \sin\theta) \\ &= 2a^2 \sin\theta \cos\theta \\ &= a^2 \sin 2\theta \end{aligned} $$

$0 \leqq \theta \leqq \frac{\pi}{2}$ より、$0 \leqq 2\theta \leqq \pi$ である。

したがって、$\sin 2\theta$ は $2\theta = \frac{\pi}{2}$、すなわち $\theta = \frac{\pi}{4}$ のとき最大値 $1$ をとる。

このとき、面積 $S$ も最大値 $a^2$ をとる。

$\theta = \frac{\pi}{4}$ のとき、線分 $OP$ の長さは

$$ OP = 2a \cos\frac{\pi}{4} = 2a \cdot \frac{1}{\sqrt{2}} = \sqrt{2}a $$

となる。

解法3

$OP = x$, $OQ = y$ とおくと、解法1と同様に $x \geqq 0, y \geqq 0$ であり、$x^2 + y^2 = 4a^2$ が成り立つ。

これより、$y = \sqrt{4a^2 - x^2}$ と表せる。

$y \geqq 0$ であるため、$x$ のとりうる値の範囲は $0 \leqq x \leqq 2a$ である。

$\triangle OPQ$ の面積 $S$ は

$$ S = \frac{1}{2}xy = \frac{1}{2}x\sqrt{4a^2 - x^2} $$

$S \geqq 0$ であるから、$S$ が最大となるとき、$S^2$ も最大となる。計算を簡略化するため、$S^2$ の最大値を考える。

$$ \begin{aligned} S^2 &= \frac{1}{4}x^2(4a^2 - x^2) \\ &= -\frac{1}{4}(x^4 - 4a^2x^2) \\ &= -\frac{1}{4}(x^2 - 2a^2)^2 + a^4 \end{aligned} $$

$0 \leqq x \leqq 2a$ より $0 \leqq x^2 \leqq 4a^2$ であるから、$S^2$ は $x^2 = 2a^2$ のとき最大値 $a^4$ をとる。

$x \geqq 0$ より、$x = \sqrt{2}a$ のときである。

このとき $S$ も最大となるため、求める $OP$ の長さは $\sqrt{2}a$ である。

解説

直角三角形の斜辺の長さが一定であるとき、その面積が最大になるのは直角二等辺三角形になるときである、という有名な性質を問う問題である。

解法1のように「2乗の和が一定のとき、積の最大値を求める」という構図に着目すれば、相加平均と相乗平均の大小関係が有効に機能する。

解法2のように角 $\theta$ を導入して三角関数の倍角の公式を用いる手法も、図形問題における定石の1つであり、変数が1つになるため計算量が少なくミスが起きにくい。

解法3は、無理関数を含む1変数関数の最大・最小問題に帰着させる手法である。根号の中身や2乗した式を2次関数とみなして平方完成することで、微分を用いずに処理できる。

いずれの解法においても、最大値をとるときの条件(等号成立条件、角度の範囲、定義域)を確認して答えを導くプロセスが重要である。

答え

$\sqrt{2}a$

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