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京都大学 1987年 文系 第4問 解説

数学A/確率数学A/場合の数テーマ/場合分け
京都大学 1987年 文系 第4問 解説

方針・初手

じゃんけんの確率の基本に忠実に、「誰が」「どの手で」勝つかを考えて計算する。 $n$ 人でじゃんけんをして $k$ 人が勝つ確率は、「勝つ手(グー・チョキ・パーのいずれか)の選び方」が $3$ 通り、「勝つ $k$ 人の選び方」が ${}_n\mathrm{C}_{k}$ 通りあることから、$\frac{3 \times {}_n\mathrm{C}_{k}}{3^n}$ となる。 (1)の $p_4$(あいこになる確率)は、全体の確率 $1$ から「誰かが勝つ確率」を引く(余事象の利用)のが最も簡明である。 (2)は、1回目の勝負の結果(2人残る、3人残る、4人残る)に応じて場合分けをし、それぞれの状態から2回目で「1人が勝つ」確率を掛け合わせて足し合わせる。

解法1

(1)

4人での手の出し方は、全部で $3^4 = 81$ 通りである。

1回でゲームが終了するのは、1回目で勝者が1人だけ決まる場合である。 勝つ1人の選び方が ${}_4\mathrm{C}_{1}$ 通り、その勝つ手の出し方がグー、チョキ、パーの $3$ 通りある。 よって、

$$ p_1 = \frac{{}_4\mathrm{C}_{1} \times 3}{3^4} = \frac{4 \times 3}{81} = \frac{4}{27} $$

2回目の勝負が $m$ 人($m=2, 3$)で行われるのは、1回目で勝者が $m$ 人決まる場合である。 $m=2$ のとき、勝つ2人の選び方が ${}_4\mathrm{C}_{2}$ 通り、勝つ手の出し方が $3$ 通りあるから、

$$ p_2 = \frac{{}_4\mathrm{C}_{2} \times 3}{3^4} = \frac{6 \times 3}{81} = \frac{2}{9} $$

$m=3$ のとき、勝つ3人の選び方が ${}_4\mathrm{C}_{3}$ 通り、勝つ手の出し方が $3$ 通りあるから、

$$ p_3 = \frac{{}_4\mathrm{C}_{3} \times 3}{3^4} = \frac{4 \times 3}{81} = \frac{4}{27} $$

2回目の勝負が $4$ 人で行われるのは、1回目があいこになる場合である。 これは「1人が勝つ」「2人が勝つ」「3人が勝つ」のいずれの事象も起こらない場合であるから、余事象の確率より、

$$ p_4 = 1 - (p_1 + p_2 + p_3) = 1 - \left( \frac{4}{27} + \frac{6}{27} + \frac{4}{27} \right) = 1 - \frac{14}{27} = \frac{13}{27} $$

(2)

2回でこのゲームが終了するのは、次の3つの排反な事象のいずれかが起こる場合である。

(i) 1回目で2人が残り、2回目の2人での勝負で1人が勝つ場合

2人でじゃんけんをして1人が勝つ確率は、$\frac{{}_2\mathrm{C}_{1} \times 3}{3^2} = \frac{6}{9} = \frac{2}{3}$ である。 この事象が起こる確率は、$p_2 \times \frac{2}{3} = \frac{2}{9} \times \frac{2}{3} = \frac{4}{27} = \frac{108}{729}$

(ii) 1回目で3人が残り、2回目の3人での勝負で1人が勝つ場合

3人でじゃんけんをして1人が勝つ確率は、$\frac{{}_3\mathrm{C}_{1} \times 3}{3^3} = \frac{9}{27} = \frac{1}{3}$ である。 この事象が起こる確率は、$p_3 \times \frac{1}{3} = \frac{4}{27} \times \frac{1}{3} = \frac{4}{81} = \frac{36}{729}$

(iii) 1回目で4人が残り、2回目の4人での勝負で1人が勝つ場合

4人でじゃんけんをして1人が勝つ確率は、(1)で求めた $p_1$ と同じであり、$\frac{4}{27}$ である。 この事象が起こる確率は、$p_4 \times \frac{4}{27} = \frac{13}{27} \times \frac{4}{27} = \frac{52}{729}$

(i), (ii), (iii) は互いに排反であるから、求める確率 $q$ はこれらの和となる。

$$ q = \frac{108}{729} + \frac{36}{729} + \frac{52}{729} = \frac{196}{729} $$

解説

じゃんけんの確率における典型問題である。「誰が勝つか(${}_n\mathrm{C}_{k}$)」「どの手で勝つか($3$通り)」を組み合わせて分子を構成する手法を確実にマスターしておきよう。 (2)のように複数回の試行にまたがる問題では、1回ごとの「状態(残っている人数)」に着目し、樹形図のように場合分けをして遷移確率を掛け合わせるのが基本である。途中の計算では、分母を $3^n$ の形($27$ や $729$ など)で揃えておくと、最後の足し算での通分ミスを防ぎやすくなる。

答え

(1)

$$ p_1 = \frac{4}{27}, \quad p_2 = \frac{2}{9}, \quad p_3 = \frac{4}{27}, \quad p_4 = \frac{13}{27} $$

(2)

$$ q = \frac{196}{729} $$

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