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京都大学 1995年 文系 第2問 解説

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京都大学 1995年 文系 第2問 解説

方針・初手

(イ) は等差数列の中項の定理 $2x_1 = 4 + x_2$ を用いて立式します。ここで $a, c$ が自然数であるという条件を利用すれば、$a, c$ の値は一意に定まります。 (ロ) の不等式を変形して、差 $x_n - x_{n+1}$ の性質を調べます。この差は $n$ の1次式(等差数列)になるため、すべての自然数 $n$ に対して条件が成り立つよう $b$ の値を絞り込みます。

解法1

与えられた数列の一般項は $x_n = -an^2 + bn + c$ である。 $n=1, 2$ を代入すると

$$ \begin{aligned} x_1 &= -a + b + c \\ x_2 &= -4a + 2b + c \end{aligned} $$

となる。

(i) 条件(イ)について

$4, x_1, x_2$ がこの順で等差数列であるから

$$ 2x_1 = 4 + x_2 $$

が成り立つ。これに $x_1, x_2$ を代入すると

$$ 2(-a + b + c) = 4 + (-4a + 2b + c) $$

$$ -2a + 2b + 2c = -4a + 2b + c + 4 $$

整理すると

$$ 2a + c = 4 $$

となる。 $a, c$ は自然数(正の整数)であるから、$a \geqq 1, c \geqq 1$ を満たす。 $a = 2$ とすると $c = 0$ となり不適。$a \geqq 3$ のとき $c < 0$ となり不適。 したがって、$a = 1$ であり、このとき $c = 2$ と定まる。

(ii) 条件(ロ)について

与えられた不等式は

$$ \left( \frac{x_n + x_{n+1}}{2} \right)^2 \geqq x_n x_{n+1} + 1 $$

両辺を4倍して整理する。

$$ (x_n + x_{n+1})^2 \geqq 4x_n x_{n+1} + 4 $$

$$ (x_n + x_{n+1})^2 - 4x_n x_{n+1} \geqq 4 $$

$$ (x_n - x_{n+1})^2 \geqq 4 $$

ここで、$x_n - x_{n+1}$ を計算する。$a=1$ であるから $x_n = -n^2 + bn + 2$ より

$$ \begin{aligned} x_n - x_{n+1} &= (-n^2 + bn + 2) - \{-(n+1)^2 + b(n+1) + 2\} \\ &= -n^2 + bn + 2 - (-n^2 - 2n - 1 + bn + b + 2) \\ &= 2n + 1 - b \end{aligned} $$

これを不等式に代入すると

$$ (2n + 1 - b)^2 \geqq 4 $$

$$ |2n + 1 - b| \geqq 2 $$

これが「すべての自然数 $n$ に対して」成り立つ。 $f(n) = 2n + 1 - b$ とおくと、数列 $\{f(n)\}$ は公差 $2$ の等差数列であり、単調に増加する。 すべての $n$ に対して $|f(n)| \geqq 2$ が成り立つためには、すべての $n$ について $f(n) \geqq 2$ となるか、すべての $n$ について $f(n) \leqq -2$ となる必要がある。(公差が $2$ であるため、$f(n) \leqq -2$ から $f(n) \geqq 2$ へ符号が変化する場合、その間にある $-1, 0, 1$ のいずれかの値を必ずとってしまい、$|f(n)| \geqq 2$ を満たさなくなるからである。)

しかし、数列 $\{f(n)\}$ は単調増加し、$n \to \infty$ のとき $f(n) \to \infty$ となるため、すべての $n$ について $f(n) \leqq -2$ となることはない。 したがって、すべての自然数 $n$ について $f(n) \geqq 2$ でなければならない。 数列 $\{f(n)\}$ は単調増加であるから、初項 $f(1)$ について $f(1) \geqq 2$ が成り立てば十分である。

$$ f(1) = 2 \cdot 1 + 1 - b = 3 - b \geqq 2 $$

$$ b \leqq 1 $$

$b$ は自然数であるから、$b \geqq 1$ である。 よって、$b = 1$ と定まる。 (このとき $f(n) = 2n \geqq 2$ となり、確かにすべての自然数 $n$ について条件を満たす。)

以上より、求める自然数 $a, b, c$ は

$$ a=1, \quad b=1, \quad c=2 $$

解説

与えられた条件から方程式・不等式を導き、「自然数」という強い制約条件を使って値を絞り込む整数問題と数列の融合問題です。 条件(ロ)の不等式は一見複雑に見えますが、両辺を整理すると差の2乗の形 $(x_n - x_{n+1})^2 \geqq 4$ に持ち込むことができる典型的な式変形です。 また、絶対値の不等式 $|2n+1-b| \geqq 2$ を解く際、単に場合分けするだけでなく、数列の単調性や「公差が2であること」を利用して「途中で符号が変わると必ず絶対値が2未満になる項が生じる」と論証する部分が記述のポイントになります。

答え

$$ a=1, \quad b=1, \quad c=2 $$

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