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京都大学 1995年 文系 第3問 解説

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京都大学 1995年 文系 第3問 解説

方針・初手

円の接線を $y = mx+n$ とおき、円に接する条件から $m$ と $n$ の関係式を導きます。次に、この接線と放物線が囲む面積を $\frac{1}{6}$ 公式を用いて $m, n$ で表します。接線の条件(制約式)を用いて面積を1変数の関数として表し、その最小値を求めます。場合分けが必要になる点がポイントです。

解法1

円 $x^2+(y-a)^2=r^2$ の接線が $y$ 軸と平行であるとき、接線の方程式は $x = \pm r$ となり、放物線 $y=x^2$ とは閉領域を囲まない(面積が無限大になる)ため、接線は $y$ 軸と平行ではないとしてよい。 接線の方程式を $y = mx + n \iff mx - y + n = 0$ とおく。 これが円 $x^2+(y-a)^2=r^2$ に接するための条件は、円の中心 $(0, a)$ と接線の距離が半径 $r$ に等しいことである。

$$ \frac{|-a+n|}{\sqrt{m^2+(-1)^2}} = r \iff (n-a)^2 = r^2(m^2+1) $$

これより

$$ m^2 = \frac{(n-a)^2}{r^2} - 1 \quad \cdots \text{①} $$

$m$ は実数であるから $m^2 \geqq 0$ より

$$ (n-a)^2 \geqq r^2 \iff n \leqq a-r \quad \text{または} \quad n \geqq a+r \quad \cdots \text{②} $$

次に、放物線 $y=x^2$ と接線 $y=mx+n$ の交点の $x$ 座標は方程式

$$ x^2 - mx - n = 0 \quad \cdots \text{③} $$

の実数解である。接線と放物線が異なる2点で交わり、閉領域を囲むためには、③の判別式 $D$ が正であればよい。

$$ D = m^2 + 4n > 0 $$

このとき、③の2つの実数解を $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$) とすると、解と係数の関係より

$$ \alpha + \beta = m, \quad \alpha\beta = -n $$

であり、$\beta - \alpha = \sqrt{(\alpha+\beta)^2 - 4\alpha\beta} = \sqrt{m^2+4n}$ となる。 接線と放物線で囲まれる図形の面積 $S$ は

$$ \begin{aligned} S &= \int_{\alpha}^{\beta} (mx+n - x^2) dx \\ &= -\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) dx \\ &= \frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3 \\ &= \frac{1}{6}(m^2+4n)^{\frac{3}{2}} \end{aligned} $$

$S$ を最小にするには、$f(n) = m^2+4n$ を最小にすればよい。①を用いて $f(n)$ を $n$ の式で表す。

$$ \begin{aligned} f(n) &= \frac{(n-a)^2}{r^2} - 1 + 4n \\ &= \frac{1}{r^2} \{ n^2 - 2an + a^2 + 4r^2 n \} - 1 \\ &= \frac{1}{r^2} \{ n^2 - 2(a - 2r^2)n \} + \frac{a^2}{r^2} - 1 \\ &= \frac{1}{r^2} \{ n - (a - 2r^2) \}^2 - \frac{(a-2r^2)^2}{r^2} + \frac{a^2}{r^2} - 1 \\ &= \frac{1}{r^2} \{ n - (a - 2r^2) \}^2 + 4a - 4r^2 - 1 \end{aligned} $$

$f(n)$ は $n$ の2次関数であり、下に凸で軸は $n = a - 2r^2$ である。 定義域②と軸の位置関係で場合分けをする。$r > 0$ であるから $a - 2r^2 < a$ であり、軸が $n \geqq a+r$ の範囲に含まれることはない。 軸 $n = a-2r^2$ と定義域の境界 $n = a-r$ の大小を比較すると

$$ (a-r) - (a-2r^2) = 2r^2 - r = r(2r-1) $$

(i) $0 < r \leqq \frac{1}{2}$ のとき $r(2r-1) \leqq 0$ より $a-2r^2 \geqq a-r$ である。 軸は定義域 $n \leqq a-r$ の右側(または境界上)にあるため、$n \leqq a-r$ の範囲において $f(n)$ は $n = a-r$ で最小値をとる。 また、$n \geqq a+r$ の範囲においては $n = a+r$ で最小値をとる。 $f(a-r) = 4(a-r)$、$f(a+r) = 4(a+r)$ であり、$r>0$ より $f(a-r) < f(a+r)$ であるから、全体での最小値は $f(a-r) = 4(a-r)$ となる。 このとき、条件 $a \geqq \frac{1}{2}$、$r \leqq \frac{1}{2}$ より $a-r \geqq 0$ であり、$r>0$ を考慮すると $a > r$ となるため $f(a-r) > 0$ を満たし、確かに放物線と2点で交わる。 よって、面積の最小値は

$$ S = \frac{1}{6} \{ 4(a-r) \}^{\frac{3}{2}} = \frac{4}{3} (a-r)^{\frac{3}{2}} $$

(ii) $r > \frac{1}{2}$ のとき $r(2r-1) > 0$ より $a-2r^2 < a-r$ である。 軸は定義域 $n \leqq a-r$ の内側にあるため、$f(n)$ は $n = a-2r^2$ で最小値をとる。 最小値は

$$ f(a-2r^2) = 4a - 4r^2 - 1 $$

問題の条件 $r < \frac{1}{2}\sqrt{4a-1}$ より $4r^2 < 4a-1 \iff 4a - 4r^2 - 1 > 0$ となり、確かに放物線と2点で交わる。 よって、面積の最小値は

$$ S = \frac{1}{6} (4a - 4r^2 - 1)^{\frac{3}{2}} $$

解説

円の接線と放物線が囲む面積を求める典型的な融合問題です。接点や傾きなどの変数を設定して式を立てたのち、面積積分を「$\frac{1}{6}$ 公式」を用いて立式することで計算量を大幅に減らすことができます。 さらに、面積を最小にする問題が「$n$ の2次関数の最小値問題」に帰着することを見抜くのが大きなポイントです。文字定数 $r$ が含まれているため、定義域と軸の位置関係による場合分けが要求されます。また、得られた最小値が正であること(判別式 $D>0$ に相当し、放物線と図形を囲むことの保証)を最後に確認しておくのが答案として丁寧です。

答え

$0 < r \leqq \frac{1}{2}$ のとき $\frac{4}{3} (a-r)^{\frac{3}{2}}$ $r > \frac{1}{2}$ のとき $\frac{1}{6} (4a - 4r^2 - 1)^{\frac{3}{2}}$

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