大阪大学 1997年 文系 第1問 解説

方針・初手
等比数列の一般項の公式を用いて、数列 $\{x_n\}$ の第 $n$ 項を $r$ と $s$ を用いて表すことが第一歩である。
(1) は与えられた条件から $r$ と $s$ の連立方程式を立てる。$x_2$ からは $r+s$ が、$x_4$ からは $r^3+s^3$ が得られるため、対称式の性質を利用して基本対称式 $r+s$ と $rs$ の値を求め、そこから二次方程式を作成して $r, s$ を特定する。
(2) は (1) で求めた $r, s$ が満たす二次方程式の性質を利用して次数下げを行うか、あるいは一般的に $x_{n+2} - (r+s)x_{n+1} + rsx_n = 0$ が成り立つことを利用して証明する。
解法1
(1)
数列 $\{a_n\}, \{b_n\}$ はともに初項 1 であり、公比がそれぞれ $r, s$ であるから、その一般項は
$$ a_n = r^{n-1}, \quad b_n = s^{n-1} $$
となる。したがって、数列 $\{x_n\}$ の一般項は
$$ x_n = r^{n-1} + s^{n-1} $$
と表される。
$x_2 = 2$ であるから、
$$ r + s = 2 \quad \cdots ① $$
が成り立つ。
$x_4 = 14$ であるから、
$$ r^3 + s^3 = 14 \quad \cdots ② $$
が成り立つ。
②の左辺を対称式の性質を用いて変形すると、
$$ (r + s)^3 - 3rs(r + s) = 14 $$
となる。これに①を代入して計算すると、
$$ 2^3 - 3rs \cdot 2 = 14 $$
$$ 8 - 6rs = 14 $$
$$ -6rs = 6 $$
$$ rs = -1 \quad \cdots ③ $$
を得る。
①および③より、$r$ と $s$ を解とする $t$ についての二次方程式は
$$ t^2 - 2t - 1 = 0 $$
となる。この二次方程式を解くと、
$$ t = \frac{2 \pm \sqrt{(-2)^2 - 4 \cdot 1 \cdot (-1)}}{2} = 1 \pm \sqrt{2} $$
となる。
条件 $r > s$ より、大きい方の値が $r$、小さい方の値が $s$ となるため、
$$ r = 1 + \sqrt{2}, \quad s = 1 - \sqrt{2} $$
と求まる。
(2)
(1) の結果より、$r, s$ は二次方程式 $t^2 - 2t - 1 = 0$ の解であるから、
$$ r^2 - 2r - 1 = 0 \iff r^2 = 2r + 1 $$
$$ s^2 - 2s - 1 = 0 \iff s^2 = 2s + 1 $$
が成り立つ。
すべての自然数 $n$ について、$x_{n+2}$ を計算すると以下のようになる。
$$ \begin{aligned} x_{n+2} &= r^{n+1} + s^{n+1} \\ &= r^{n-1} \cdot r^2 + s^{n-1} \cdot s^2 \\ &= r^{n-1}(2r + 1) + s^{n-1}(2s + 1) \\ &= 2r^n + r^{n-1} + 2s^n + s^{n-1} \\ &= 2(r^n + s^n) + (r^{n-1} + s^{n-1}) \\ &= 2x_{n+1} + x_n \end{aligned} $$
したがって、$x_{n+2} = 2x_{n+1} + x_n$ が成り立つことが示された。
解法2
(2) の別解
任意の $r, s$ と自然数 $n$ について、以下の式を計算する。
$$ \begin{aligned} x_{n+2} - (r + s)x_{n+1} + rsx_n &= (r^{n+1} + s^{n+1}) - (r + s)(r^n + s^n) + rs(r^{n-1} + s^{n-1}) \\ &= (r^{n+1} + s^{n+1}) - (r^{n+1} + rs^n + r^ns + s^{n+1}) + (r^ns + rs^n) \\ &= r^{n+1} + s^{n+1} - r^{n+1} - rs^n - r^ns - s^{n+1} + r^ns + rs^n \\ &= 0 \end{aligned} $$
これにより、一般に
$$ x_{n+2} = (r + s)x_{n+1} - rsx_n $$
が成り立つことがわかる。
(1) の計算過程より、$r + s = 2$ かつ $rs = -1$ である。これらを上式に代入すると、
$$ x_{n+2} = 2x_{n+1} + x_n $$
となる。
したがって、すべての自然数 $n$ について成り立つことが示された。
解説
隣接3項間漸化式と、その特性方程式の解の関係を問う典型的な問題である。
一般に、隣接3項間漸化式 $x_{n+2} - px_{n+1} - qx_n = 0$ の特性方程式 $t^2 - pt - q = 0$ が異なる2つの解 $\alpha, \beta$ をもつとき、一般項は $x_n = A\alpha^{n-1} + B\beta^{n-1}$ と表される。 本問はその逆をたどるような構成になっており、$x_n = r^{n-1} + s^{n-1}$ という形から $r, s$ を解にもつ二次方程式を復元し、そこから漸化式を導いている。
解法1では、二次方程式を満たす値の累乗を計算する際に有効な「次数下げ」の手法を用いている。 解法2では、特性方程式の逆の論理を直接代入計算によって示している。どちらも重要な式変形であるため、両方習熟しておきたい。
答え
(1)
$$ r = 1 + \sqrt{2}, \quad s = 1 - \sqrt{2} $$
(2)
解法に記載の通り示された。
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