京都大学 2005年 文系 第3問 解説

方針・初手
与えられた条件式 $\dfrac{\alpha}{\beta} + \dfrac{\bar{\alpha}}{\bar{\beta}} = 2$ に着目します。$\dfrac{\alpha}{\beta} = z$ とおくと、この式は $z + \bar{z} = 2$ となり、$z$ の実部が $1$ であることを示しています。このことから、複素数の極形式や実部・虚部の性質を利用して角の情報を引き出すか、辺の長さの2乗の関係式を導くのが定石です。
解法1
複素平面上の原点を $O(0)$、点 $\alpha$ を $A(\alpha)$、点 $\beta$ を $B(\beta)$ とおく。
$z = \dfrac{\alpha}{\beta}$ とおくと $\bar{z} = \dfrac{\bar{\alpha}}{\bar{\beta}}$ であるから、与えられた条件式は
$$ z + \bar{z} = 2 $$
これは $z$ の実部が $1$ であることを意味するので、実数 $y$ を用いて $z = 1 + yi$ とおける。
$\alpha \neq \beta$ より $z \neq 1$、すなわち $y \neq 0$ である。
$\dfrac{\alpha}{\beta} = 1 + yi$ の両辺に $\beta$ を掛けて整理すると、
$$ \alpha - \beta = yi\beta $$
$y \neq 0$ より $yi$ は純虚数であるから、$\alpha - \beta$ と $\beta$ は垂直の関係にある。これは、ベクトル $\overrightarrow{BA}$ に対応する $\alpha - \beta$ が $\overrightarrow{OB}$ に対応する $\beta$ に対して垂直であることを意味する。
すなわち $\overrightarrow{OB} \perp \overrightarrow{BA}$ であり、$\angle OBA = 90°$ である。
よって、3点 $0, \alpha, \beta$ を結んで得られる三角形は、$\beta$ の表す点を直角の頂点とする直角三角形である。
解法2
各辺の長さの2乗を計算する。
$$ AB^2 = |\alpha - \beta|^2 = \alpha\bar{\alpha} - \alpha\bar{\beta} - \bar{\alpha}\beta + \beta\bar{\beta} $$
与えられた条件式の両辺に $\beta\bar{\beta}$($> 0$)を掛けると、
$$ \alpha\bar{\beta} + \bar{\alpha}\beta = 2\beta\bar{\beta} $$
これを $AB^2$ に代入すると、
$$ AB^2 = \alpha\bar{\alpha} - 2\beta\bar{\beta} + \beta\bar{\beta} = |\alpha|^2 - |\beta|^2 = OA^2 - OB^2 $$
すなわち、
$$ OA^2 = OB^2 + AB^2 $$
条件より $\alpha \neq 0$、$\beta \neq 0$、$\alpha \neq \beta$ であるから 3点は三角形をなし、三平方の定理の逆より $\angle OBA = 90°$ である。
よって、3点 $0, \alpha, \beta$ を結んで得られる三角形は、$\beta$ の表す点を直角の頂点とする直角三角形である。
解説
複素平面上での三角形の形状決定問題の典型パターンです。比 $\dfrac{\alpha}{\beta}$ を一つの複素数 $z$ と置くことで、回転・拡大縮小の視点(解法1)から捉える方法と、共役複素数の性質を用いて純粋に代数的に辺の長さを計算する方法(解法2)があります。
どちらの方法でも、$\alpha \neq \beta$ などの条件から「三角形が退化していない」ことを確認するプロセス(解法1における $y \neq 0$ の確認など)を忘れないようにしましょう。
答え
$\beta$ の表す点を直角の頂点とする直角三角形
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