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京都大学 2010年 文系 第5問(甲) 解説

数学C/空間ベクトル数学1/立体図形数学3/積分法テーマ/空間図形テーマ/面積・体積
京都大学 2010年 文系 第5問(甲) 解説

方針・初手

注意 画像の点 $G$ の座標が $G(0,0,1)$ と読めますが、点 $D(0,0,1)$ と重複しており「立方体を考える」という問題の前提に反するため、出題の誤植であると判断し、以下は正しい頂点の座標「$G(0,1,1)$」として解釈した場合の解答解説です。

(1) は、空間ベクトルを用いて垂線の足を直接計算する代数的な方法と、図形の性質(直角三角形)を見抜いて面積から逆算する幾何学的な方法が考えられます。 (2) は空間における回転体の体積を求める問題です。回転軸となる直線 $OF$ 上の点への射影をパラメータとして、各断面における「軸から最も遠い点までの距離の2乗」を立式して積分します。座標の和 $t = x+y+z$ を変数として積分する方法が最も見通しが良くなります。

(1) 解法1(ベクトルによる計算)

$\vec{OA} = (1, 0, 0)$、$\vec{OF} = (1, 1, 1)$

頂点 $A$ から対角線 $OF$ に下ろした垂線の足を $H$ とする。点 $H$ は直線 $OF$ 上にあるため、実数 $k$ を用いて $\vec{OH} = k\vec{OF} = (k, k, k)$ と表せる。

$$ \vec{AH} = \vec{OH} - \vec{OA} = (k-1,\ k,\ k) $$

$AH \perp OF$ であるから、$\vec{AH} \cdot \vec{OF} = 0$ より、

$$ (k-1) + k + k = 0 \implies 3k - 1 = 0 \implies k = \frac{1}{3} $$

したがって $\vec{AH} = \left(-\dfrac{2}{3},\ \dfrac{1}{3},\ \dfrac{1}{3}\right)$ となり、求める垂線の長さは

$$ |\vec{AH}| = \sqrt{\frac{4}{9} + \frac{1}{9} + \frac{1}{9}} = \sqrt{\frac{6}{9}} = \frac{\sqrt{6}}{3} $$

(1) 解法2(図形的性質の利用)

$\triangle OAF$ に着目する。$O(0,0,0)$, $A(1,0,0)$, $F(1,1,1)$ より各辺の長さは

$$ OA = 1, \quad OF = \sqrt{3}, \quad AF = \sqrt{0+1+1} = \sqrt{2} $$

$OA^2 + AF^2 = 1 + 2 = 3 = OF^2$ であるから、$\triangle OAF$ は $\angle OAF = 90^\circ$ の直角三角形である。

$\triangle OAF$ の面積 $S$ は

$$ S = \frac{1}{2} \cdot OA \cdot AF = \frac{\sqrt{2}}{2} $$

一方、$OF$ を底辺とし頂点 $A$ から $OF$ への垂線の長さを $h$ とおくと

$$ S = \frac{1}{2} \cdot OF \cdot h = \frac{\sqrt{3}}{2}h $$

したがって

$$ h = \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{6}}{3} $$

(2) 解答

立方体の点 $P(x,y,z)$ は $0 \leqq x,y,z \leqq 1$ を満たす。

$t = x+y+z$ とおくと、$P$ が立方体全体を動くとき $0 \leqq t \leqq 3$ である。

点 $P$ から回転軸 $OF$ までの距離の2乗を $r^2$ とすると、

$$ r^2 = x^2+y^2+z^2 - \frac{(x+y+z)^2}{3} = x^2+y^2+z^2 - \frac{t^2}{3} $$

回転体の半径の2乗 $R(t)^2$ は、$x+y+z=t$ の条件下で $x^2+y^2+z^2$ を最大化することで求まる。$f(x)=x^2$ が下に凸であるから、最大値は変数が境界値($0$ または $1$)に偏るときに達成される。

(i) $0 \leqq t \leqq 1$ のとき

$(x,y,z)=(t,0,0)$ 等で最大。$x^2+y^2+z^2 = t^2$ より

$$ R(t)^2 = t^2 - \frac{t^2}{3} = \frac{2}{3}t^2 $$

(ii) $1 \leqq t \leqq 2$ のとき

$(x,y,z)=(1,t-1,0)$ 等で最大。$x^2+y^2+z^2 = 1+(t-1)^2 = t^2-2t+2$ より

$$ R(t)^2 = t^2-2t+2 - \frac{t^2}{3} = \frac{2}{3}t^2 - 2t + 2 $$

(iii) $2 \leqq t \leqq 3$ のとき

$(x,y,z)=(1,1,t-2)$ 等で最大。$x^2+y^2+z^2 = 2+(t-2)^2 = t^2-4t+6$ より

$$ R(t)^2 = t^2-4t+6 - \frac{t^2}{3} = \frac{2}{3}t^2 - 4t + 6 $$

$u = t/\sqrt{3}$($OF$ に沿った距離)とおくと $du = dt/\sqrt{3}$ であるから、

$$ V = \int_0^{\sqrt{3}} \pi R(t)^2\, du = \frac{\pi}{\sqrt{3}} \int_0^3 R(t)^2\, dt $$

各区間の積分:

$$ \int_0^1 \frac{2}{3}t^2\, dt = \left[\frac{2}{9}t^3\right]_0^1 = \frac{2}{9} $$

$$ \int_1^2 \left(\frac{2}{3}t^2 - 2t + 2\right) dt = \left[\frac{2}{9}t^3 - t^2 + 2t\right]_1^2 = \frac{16}{9} - \frac{11}{9} = \frac{5}{9} $$

$$ \int_2^3 \left(\frac{2}{3}t^2 - 4t + 6\right) dt = \left[\frac{2}{9}t^3 - 2t^2 + 6t\right]_2^3 = 6 - \frac{52}{9} = \frac{2}{9} $$

合計:$\dfrac{2}{9} + \dfrac{5}{9} + \dfrac{2}{9} = 1$

$$ V = \frac{\pi}{\sqrt{3}} \cdot 1 = \frac{\sqrt{3}}{3}\pi $$

解説

(2) のような「空間図形を直線の周りに回転させた体積」を求める問題では、回転軸に沿ったパラメータで切断面を管理し、各断面での最大半径を求めて積分するのが定石です。

本問では $x+y+z=t$ という「座標の和」を変数として軸上の位置をパラメータ化するテクニックを用いました。これにより断面の形状(正三角形・六角形)を具体的に描かずとも、「制約下での2次関数の最大化」という代数処理だけで半径の2乗を求めることができ、計算ミスを防ぐことができます。

答え

(1)

$\dfrac{\sqrt{6}}{3}$

(2)

$\dfrac{\sqrt{3}}{3}\pi$

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