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京都大学 2023年 文系 第4問 解説

数学B/数列テーマ/漸化式
京都大学 2023年 文系 第4問 解説

方針・初手

$a_n$ と $S_n$ が混在した漸化式であるため、まずは $S_n$ だけの漸化式に統一することを考えます。

与えられた関係式の両辺に $n$ を掛けて $na_n = S_n + n(n-1)2^n$ とし、$a_n = S_n - S_{n-1}$ を代入することで $S_n$ と $S_{n-1}$ の関係式を導きます。得られた漸化式を適切な形(階差数列や特定の形)に変形し、$S_n$ を求めた後、再び $a_n$ を導出します。

解法1

$a_1 = 3$ である。$n \ge 2$ のとき、与えられた式より

$$ na_n = S_n + n(n-1)2^n \quad \cdots ① $$

$a_n = S_n - S_{n-1}$ を①に代入すると

$$ n(S_n - S_{n-1}) = S_n + n(n-1)2^n $$

$$ (n-1)S_n = nS_{n-1} + n(n-1)2^n $$

$n \ge 2$ より $n-1 \neq 0$ であるから、両辺を $n(n-1)$ で割ると

$$ \frac{S_n}{n} = \frac{S_{n-1}}{n-1} + 2^n \quad \cdots ② $$

$b_n = \dfrac{S_n}{n}$ とおくと、$b_1 = \dfrac{S_1}{1} = a_1 = 3$ であり、②より

$$ b_n = b_{n-1} + 2^n \quad (n \ge 2) $$

これは数列 $\{b_n\}$ の階差数列が $2^n$ であることを示している。$n \ge 2$ のとき

$$\begin{aligned} b_n &= b_1 + \sum_{k=2}^n 2^k \\ &= 3 + 4(2^{n-1} - 1) \\ &= 2 \cdot 2^n - 1 \end{aligned}$$

$b_1 = 2 \cdot 2^1 - 1 = 3$ より、これは $n=1$ のときも成り立つ。

したがって $\dfrac{S_n}{n} = 2^{n+1} - 1$ より、

$$ S_n = n(2^{n+1} - 1) $$

求める一般項 $a_n$ は、$n=1$ のとき $a_1 = 3$。$n \ge 2$ のとき

$$\begin{aligned} a_n &= S_n - S_{n-1} \\ &= n(2^{n+1} - 1) - (n-1)(2^n - 1) \\ &= 2n \cdot 2^n - n - (n-1)2^n + (n-1) \\ &= (n+1)2^n - 1 \end{aligned}$$

$n=1$ を代入すると $(1+1)2^1 - 1 = 3$ となり $a_1 = 3$ と一致する。よって、すべての正の整数 $n$ について

$$ a_n = (n+1)2^n - 1 $$

解説

$a_n$ と $S_n$ の関係式において $a_n = S_n - S_{n-1}$ を用いて $S_n$ の漸化式へ移行するのは定石です。

本問のポイントは、変形後の $(n-1)S_n = nS_{n-1} + \dots$ という形において、両辺を $n(n-1)$ で割ることで $\dfrac{S_n}{n}$ という塊(置換対象)を作り出せるかどうかにあります。この形に持ち込めれば、単純な階差数列の問題に帰着します。最後に $a_n = S_n - S_{n-1}$ を計算する際、$2^n$ の項でくくる処理を丁寧に行うことで綺麗な一般項を導くことができます。

答え

$$ a_n = (n+1)2^n - 1 $$

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