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京都大学 1961年 理系 第4問 解説

数学2/微分法数学1/方程式不等式テーマ/最大・最小テーマ/速度・距離
京都大学 1961年 理系 第4問 解説

方針・初手

$B$ の速さを文字で置き、$B$ が $A$ に追いつくまでの時間と疲労を数式で表す。疲労は「速さの2乗と時間とに比例する」という条件から、比例定数を用いて関数を立式し、その関数の最小値を求める問題に帰着させる。最小値を求める手法として、微分を用いる方法と、式変形から相加平均と相乗平均の大小関係を利用する方法が考えられる。

解法1

$B$ の速さを毎時 $v \text{ km}$、追いつくまでの時間を $t$ 時間とする。$A$ は毎時 $a \text{ km}$ で進むため、$B$ が $A$ に追いつくためには $v > a$ である必要がある。

$B$ が出発した時点で、$A$ はすでに $l \text{ km}$ 進んでいる。追いついた時点で $A$ と $B$ の進んだ総距離は等しいため、次の方程式が成り立つ。

$$ vt = at + l $$

これを $t$ について解くと、

$$ t = \frac{l}{v - a} $$

となる。

次に、$B$ の疲労を $F$ とする。疲労は速さ $v$ の2乗と時間 $t$ に比例するので、比例定数を $k \ (k > 0)$ とおくと、

$$ F = k v^2 t $$

と表せる。これに先ほど求めた $t$ を代入すると、

$$ F(v) = k l \frac{v^2}{v - a} $$

となる。$a, l$ は正の定数であり、$k$ も正の定数であるから、$F(v)$ を最小にするには関数 $f(v) = \frac{v^2}{v - a} \ (v > a)$ の最小値を求めればよい。

$f(v)$ を $v$ で微分すると、

$$ \begin{aligned} f'(v) &= \frac{2v(v - a) - v^2 \cdot 1}{(v - a)^2} \\ &= \frac{2v^2 - 2av - v^2}{(v - a)^2} \\ &= \frac{v^2 - 2av}{(v - a)^2} \\ &= \frac{v(v - 2a)}{(v - a)^2} \end{aligned} $$

$v > a$ の範囲において、$f'(v) = 0$ となるのは $v = 2a$ のときである。$v > a$ における $f(v)$ の増減表は以下のようになる。

$v$ $(a)$ $\cdots$ $2a$ $\cdots$
$f'(v)$ $-$ $0$ $+$
$f(v)$ $\searrow$ 極小 $\nearrow$

増減表より、$f(v)$ は $v = 2a$ のとき極小かつ最小となる。 したがって、疲労を最小にする $B$ の速さは毎時 $2a \text{ km}$ である。

解法2

解法1と同様に、$B$ の速さを毎時 $v \text{ km} \ (v > a)$ とし、疲労 $F(v)$ を次の式で表す。比例定数を $k \ (k > 0)$ とする。

$$ F(v) = k l \frac{v^2}{v - a} $$

$f(v) = \frac{v^2}{v - a}$ の最小値を求めるにあたり、$v - a = x$ とおく。$v > a$ より $x > 0$ であり、$v = x + a$ である。これを $f(v)$ に代入すると、

$$ \begin{aligned} f(x + a) &= \frac{(x + a)^2}{x} \\ &= \frac{x^2 + 2ax + a^2}{x} \\ &= x + \frac{a^2}{x} + 2a \end{aligned} $$

ここで、$a > 0$ および $x > 0$ であるから、$x > 0$ および $\frac{a^2}{x} > 0$ が成り立つ。相加平均と相乗平均の大小関係より、

$$ \begin{aligned} x + \frac{a^2}{x} &\geqq 2\sqrt{x \cdot \frac{a^2}{x}} \\ &= 2\sqrt{a^2} \\ &= 2a \end{aligned} $$

したがって、

$$ f(x + a) = x + \frac{a^2}{x} + 2a \geqq 2a + 2a = 4a $$

等号が成立するのは、$x = \frac{a^2}{x}$ のときである。$x > 0, a > 0$ より、

$$ \begin{aligned} x^2 &= a^2 \\ x &= a \end{aligned} $$

このとき、$v = x + a = 2a$ となる。 よって、$f(v)$ は $v = 2a$ のとき最小値をとり、定数 $k, l$ は正であるから疲労 $F(v)$ もこのとき最小となる。

解説

文章題を適切に式に直し、関数の最小値に帰着する問題である。「疲労は速さの2乗と時間とに比例する」という条件から $F = kv^2t$ と置き、追いつく条件から $t$ を消去する。

立式した後は分数関数の最小値を求める問題になる。微分で増減を調べてもよく、分母を1つの文字に置き換えて相加平均と相乗平均の大小関係を使ってもよい。

答え

毎時 $2a \text{ km}$ の速さ

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