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名古屋大学 1962年 理系 第3問 解説

数学2/微分法数学1/方程式不等式テーマ/最大・最小テーマ/存在証明
名古屋大学 1962年 理系 第3問 解説

方針・初手

4次関数が極大値をもつための条件を考える問題です。

最高次の係数が正である4次関数のグラフは、全体として「W」型または「U」型になります。このうち、極大値をもつのは「W」型のときのみであり、これは導関数 $f'(x) = 0$ が異なる3つの実数解をもつことと同値です。

したがって、まずは $f(x)$ を微分し、$f'(x) = 0$ という3次方程式が異なる3つの実数解をもつための条件を定式化します。そこから先は、定数項を分離してグラフの交点を考えるか、3次関数の極値の積に注目するかのいずれかのアプローチをとります。

解法1

与えられた関数を微分すると、以下のようになる。

$$f'(x) = 4x^3 + 6x^2 + a$$

関数 $f(x)$ の $x^4$ の係数は正である。したがって、$f(x)$ が極大値をもつための必要十分条件は、3次方程式 $f'(x) = 0$ が異なる3つの実数解をもつことである。

方程式 $f'(x) = 0$ を定数 $a$ について分離すると、次のように変形できる。

$$-a = 4x^3 + 6x^2$$

ここで、$g(x) = 4x^3 + 6x^2$ とおく。求める条件は、曲線 $y = g(x)$ と直線 $y = -a$ が異なる3つの共有点をもつことである。

$g(x)$ の増減を調べるために微分する。

$$g'(x) = 12x^2 + 12x = 12x(x + 1)$$

$g'(x) = 0$ とすると、$x = -1, 0$ である。

これより、$g(x)$ は $x = -1$ で極大値 $g(-1) = 4(-1)^3 + 6(-1)^2 = 2$ をとり、$x = 0$ で極小値 $g(0) = 0$ をとることがわかる。

曲線 $y = g(x)$ と直線 $y = -a$ が異なる3つの共有点をもつのは、直線 $y = -a$ が $g(x)$ の極小値と極大値の間にあるときである。

したがって、次の不等式が成り立つ。

$$0 < -a < 2$$

各辺に $-1$ を掛けて、求める $a$ の範囲を得る。

$$-2 < a < 0$$

解法2

解法1と同様に、$f(x)$ が極大値をもつ条件は、3次方程式 $f'(x) = 0$ すなわち $4x^3 + 6x^2 + a = 0$ が異なる3つの実数解をもつことである。

ここで、$h(x) = 4x^3 + 6x^2 + a$ とおく。

3次方程式 $h(x) = 0$ が異なる3つの実数解をもつための必要十分条件は、3次関数 $h(x)$ が極値をもち、かつ極大値と極小値が異符号となる(積が負になる)ことである。

$$h'(x) = 12x^2 + 12x = 12x(x + 1)$$

$h'(x) = 0$ の解は $x = -1, 0$ であり、異なる2つの実数解をもつため、$h(x)$ は極値をもつ。

$h(x)$ は $x = -1$ と $x = 0$ で極値をとるので、これらの積が負になればよい。

$$h(-1)h(0) < 0$$

それぞれの極値を $a$ を用いて表す。

$$h(-1) = -4 + 6 + a = a + 2$$

$$h(0) = a$$

これを先ほどの不等式に代入する。

$$(a + 2)a < 0$$

この2次不等式を解いて、求める $a$ の範囲を得る。

$$-2 < a < 0$$

解説

4次関数が極大値や極小値をどのように極値をもつか(グラフの概形)を問う典型的な問題です。

最高次の係数が正の4次関数 $f(x)$ において、方程式 $f'(x) = 0$ の実数解の個数とグラフの概形には以下の関係があります。

本問は「極大値をもつ条件」を問われているため、前者の「$f'(x) = 0$ が異なる3実数解をもつ」条件に帰着させます。

3次方程式が異なる3実数解をもつ条件の処理としては、解法1の「定数分離」が視覚的にもわかりやすく、最も標準的なアプローチです。文字定数が1次の場合に特に有効です。一方、解法2の「極値の積が負」という条件を用いる方法も強力で、文字定数が複数の項に含まれている場合などにも応用が利くため、両方のアプローチをマスターしておくことが望ましいです。

答え

$$-2 < a < 0$$

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